あぶない司令官

綾墨ふらったぁさん(pixiv.me/azflutter)のオリキャラ科奈子さんのSSを許可を得て書かせていただきました。膨乳話です。

ここは、とある艦艇。周辺海域を哨戒するために建造された、半ば基地のような大きな艦で、多数の艦娘が配備されている。

「んー、これと、文月ちゃんのアレを混ぜれば……!」

しかし、前線から遠く離れた海域に留め置かれたこの艦では、敵艦が捕捉されることすら稀だった。配備されているのも、旧型の駆逐艦である睦月型や、神風型くらいのもので、毎日安穏とした時が流れていた。

「よーし、完成ね!これでまた長月ちゃんたちにいたずらできるわ!」

司令室で多数のビーカーやフラスコに入った、怪しげな液体を見つめてニコニコしている女性。長い銀髪をポニーテールにまとめ、大きな眼鏡の奥に見える瞳は大きく紅い。スタイルは良く、ワイシャツやスカートを着込んでいるがそれでも胸や尻の膨らみは明らかに分かるほどだ。ほんわかとした雰囲気からは想像できないが、この女性、その名も科奈子(かなこ)こそが艦隊の司令官であった。

「またか、司令官。懲りないな」
「あら、長月ちゃん。いつの間に入ってきてたの?」
「ノックはしたが?」

すこしムスッとした顔をした緑の長髪の艦娘、長月は、睦月型の八番艦。黒セーラーに身を包んだその体は小柄、というより小学生くらいの子供そのものだが、この艦隊の秘書艦を務めている。

「ちゃんと司令官の勤めは果たしているんだろうな?」
「はいはい、報告はちゃんとしてるわよ。これは余った時間でやってるのよ」
「そうか、ならいいが。遠征任務、完了の報告だ。輸送艦隊は無事に佐世保の鎮守府に到着したよ」
「りょーかい。ねえねえ長月ちゃん、そんなことより、私の……」

科奈子の言葉を、長月は顔色を少しも変えずに大声で遮った。

「あー!補給の確認をしてほしいから少し一緒に来てくれ!」
「わかったわ。長月ちゃんと一緒ならどこだって……」
「さあ行くぞ!」

科奈子も、長月に発言を中断させられるのには慣れているようで、互いに深い信頼関係を築いた二人だからこそのやり取りとも言えるものだった。

「あ、ちょっとだけ待ってくれる?5分くらいかしら」
「そうか。まあ、それくらいなら問題ないぞ」
「終わったらすぐ戻るから!」

長月は少し嫌な予感がしたが、司令室で大人しく待っていた。これまで科奈子が致命的な問題を犯したことはなかったからだ。5分後、言った時間通りに科奈子は戻ってきた。

「じゃ、行きましょ」
「あぁ」

二人は、艦娘が補給を行う部屋に向かって、並んで歩いていた。科奈子の方が幾分背が高く、歩幅も大きいので長月が少し早歩きになるのがいつもの事だった。

「あの……なぁ、司令官。なぜそのフラスコを持ってきたんだ」
「フラスコ?あぁ、置いてくるの忘れちゃっただけよ」

科奈子の左手には、三角フラスコが握られていた。中には茶色の液体がたっぷり入っていた。

「フタもしてないじゃないか。落として中のモノをかぶりでもしたら……」
「大丈夫よ、人体に危険はないから」
「まあ、たしかにな。この前私に、その日の間、私の声が文月のものになるとかいうキテレツなモノを飲ませてくれたが、副作用は全く無かった」
「でしょ?あ、菊月ちゃん。久しぶりね?どうしたのその格好?」

長月と同じ長髪、だが色は銀、睦月型九番艦の菊月が、前の方からすれ違うように近づいてきていた。セーラー服がぼろぼろに破けていて、胸から上などは肌がさらけ出されていた。

「司令官……それに長月。……漁船と衝突した……」
「あら?いつもおとなしい菊月ちゃんがぶつかっちゃったの?」
「ああ、その時は少し天気が怪しくてな、菊月は雷に気を取られていたんだ」
「うぅ……すぐに着替えてくる。補給はその後」
「はーい」

菊月はスルスルと静かに更衣室の方に角を曲がって向かっていった。この時、菊月を見送る科奈子の顔が不気味なほどにこやかなのに、長月が気づいた。

「お、おい……さっき5分待てと言ったのはまさか……」
「わぉ、さすが長月ちゃんね」
「はぁ……」

長月は大きく溜め息をついた。少しの間待っていると、更衣室の方からドタドタと走ってくる音が聞こえてきた。

「お、戻ってきたか……な、何だ、あれは」
「ふふっ」

走って二人の方に駆け寄ってくる菊月のはだけた胸に、ゆっさゆっさと揺れる何かが付いている。それが菊月の乳房であることに気づくのに、少しも時間はかからなかった。

「き、菊月……」

数分前にはまっ平らに近かった菊月の胸についた、たぷんたぷんとゆれるおっぱいに目を丸くする長月。菊月は、科奈子をキッと睨んだ。

「司令官……!貴様、何か、アレに入れたな……?」
「菊月ちゃんも、女の子ね。甘いものに目がないんだから」
「くっ……遠征疲れのせいだ」
「まあ、そうね。それに杏仁豆腐なんてこの艦じゃ珍しい物だし、あんな所にあったら私でも食べちゃいそうだわ」

長月は、少し面食らっていたが、大体のことが飲み込めたようだ。

「……つまり、司令官は更衣室にあの薬品を混ぜた杏仁豆腐を置いておいたと。それで、菊月は誘惑に勝てずにそれを口にしたわけだな?」
「そうだ……そうしたらこんなことに」
「まあまあ、二時間すれば元に戻るから、その間は休んできたらどう?」

菊月は、元に戻るという言葉を聞いて、少しほっとしたようだ。

「……不本意だが」

そして、すごすごと浴場へと向かっていった。それを見送った科奈子と長月は、他の艦娘が待つ補給部屋へと足を進めた。

「ほんと、あの手のいたずらが好きだな、司令官は」
「だって、みんな食べちゃいたいくらいかわいいんだもの」
「ま、なんでもいいさ。だが、そのフラスコの中身だけは落とすな……うわぁっ!」
「きゃっ!」

突然、艦が大きく揺れ、二人はバランスを崩してその場で倒れてしまった。

「いったたた……。大波か……司令官、大丈夫か?」
「あー、怪我はないけどね、お薬が……」

科奈子が持っていたフラスコが、床に転がっていた。そしてその中身は……

「私にかかっちゃった」
「はぁ……こうなる予感はしてなかったわけでもないが」

科奈子のワイシャツはびっしょりと濡れている。

「だが、口から入れなければ効果はないんだろう?」
「そう思うでしょ?実はちょっと皮膚に付くだけでもいいのよ……だから……」

科奈子が自分の胸の膨らみを「ほら」という感じに見ると、それは、ギュッと一回り大きくなった。

「おっぱいが熱くなってきちゃった……こんな発熱作用、ないはずなんだけど」
「おいおい……」

さらにギュッギュッと大きくなる胸は、次第にワイシャツの中を満たした。下着のホックがビチッと壊れる音がすると、シャツの縫い目がプツプツとほつれていく。

「んんっ……ちょっと、強く作りすぎちゃった、かしらっ!」

見る見るうちに、ワイシャツのボタンの合間から肌色の塊が溢れだし、ボタンが左右に引っ張られていく。長月はこの状況を何もすることもできず、というか何かしようともせず、蔑むような視線を向けるだけだった。

「んあっ!」

ついに、ブチブチィッ!とシャツのボタンが吹き飛ばされ、バインッ!と科奈子の肥大化した乳房が飛び出した。

「重たっ!でも、もっと大きくなっちゃうっ」
「ふっ、自業自得だな」

ムクムクーッと膨れていく二つの柔球は、もはや科奈子の頭と同じくらいになっていたが、その膨張の勢いは止まるところを知らないようだった。

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「もったいないわ、長月ちゃんたちにいっぱいいたずらできたのに……」
「私はそんないたずらはお断りだ」

自分の胸の重みで、立ち上がることすら難しそうな科奈子を、腕を組んで見下ろす長月。だが、科奈子がニコッと長月に笑みを見せると、ビクッとたじろいだ。

「な、何だ……」
「長月ちゃん、あなたの靴下、ちょっと濡れてると思わない?」
「それがどうした……あっ」

長月が自分も薬品をかぶったという事実に気づくと同時に、その小さな胸が、グググ……と大きくなり始めた。膨らみかけだったそれは、ぐんぐんと脂肪を蓄え、服の中でフルンフルンと震えながら成長していく。

「ちょ、ちょっと司令官……!私の胸、おっきくっ……!」
「いたずら大成功ね!」

もはや赤ん坊が入っていてもおかしくないような大きさの乳房にのっかかりながら、科奈子はガッツポーズを決めた。

「ふ、ふざけるんじゃないぞぉっ!!」

艦全体に、セーラー服の中がおっぱいで一杯になった、長月の怒声が響き渡った。

一方その頃、補給部屋では睦月、如月、皐月、三日月の4人が机に座って、補給を待っていた。

「長月ちゃんも菊月ちゃんも、遅いにゃあ……」
「そうねぇ、この杏仁豆腐、ちゃんと人数分あるのにね」

その机には6つ、杏仁豆腐が入った器が並べられていた。

「妖精さんたちが持ってきてくれたデザート、美味しそうだよね!」
「うーん、何か怪しい気もするけど」

4人は杏仁豆腐をじーっと見つめていたが、ついに一番艦の睦月が、杏仁豆腐に添えられていたスプーンを手にとった。

「もう我慢出来ない!いっただきまーす!」
「ちょ、ちょっと睦月ちゃん?」
「もう1時間は待ってるし、先に食べたくらいで長月ちゃんや菊月ちゃんは怒ったりしないって!」
「まあ、それもそうね……よし、先に頂いちゃいましょう」

4人は手を合わせ、「いただきます」と言ってからスプーンを取った。そして、久しぶりのおいしいデザートを思う存分味わって食べ、あっと言う間に皿を空にしてしまった。と、その時だった。補給部屋の扉が、バァンと音を立てて勢い良く開いたのは。

「待たせたな!」
「な、長月?」

皐月が目にしたのは、たぷんたぷんと揺れる肌色。持ち主である長月の幼い体に不釣り合いな大きなおっぱいだった。

「ど、どど、どうしたの?そ、その、おっぱい!」

三日月があたふたしながら聞いたが、長月は、姉妹たちが座っていた机に置いてある皿にぎょっとしたようだった。

「睦月たち、杏仁豆腐、食べたのか……?」
「あ、ごめんね、でも長月ちゃんの分もあるから……」
「そういうことじゃなくて、胸、なんともないか!?」
「え、胸……?何も起きてないよ……?にゃっ!!??」

睦月が自分の胸を見ると、ぺったんこだったはずのそこには、水風船が二つ入っているかのような大きな膨らみがあった。しかも、それはだんだんとさらに大きくなっている。

「む、むむむむ、睦月、ちゃんっ!!??」
「如月ちゃん、これ、どうしよ……き、如月ちゃん!如月ちゃんも!」
「そ、そういえばブラが段々きつくなってる……っ!」
「ボクも、おっぱいがおかしいよ……」
「私もっ!」

全員が全員、セーラーを大きく押し上げる膨らみに右往左往した。睦月は大きくなった胸を腕で押し戻そうとし、如月は大急ぎでブラのホックを外そうと焦り、皐月は好奇心からか襟から自分の胸を見ようとし、三日月はバルンバルンと揺れる胸にパニックになってそこら中を走り回った。

「あぁー……これは補給どころじゃないな……」

長月は、自分の体にくっついた、巨大なおっぱいを恨めしそうに見た。

「早く元に戻ってくれよな……」