あむぁいおかし製作所様での投稿(http://okashi.blog6.fc2.com/blog-entry-26287.html)と同内容です。イラストは春瀬めいお様に描いていただきました。
「ったく、変なことになったな……」
太地は足の遅い学を置いて、家に帰っていた。汗をシャワーで流し、部屋着を着て自室に入ると、自分のかばんが目に入った。
「ちっ、宿題やんねぇと補習だったか……」
スマホで時間を潰そうと思っていた太地だったが、ため息をついて教科書とノート、筆記用具をかばんから取り出し、机の上に投げた。
「あーあ、あいつに勉強教えてる余裕なんてないんだよ、何してんだ俺は」
そして何気なく自分の胸を触る。図書室での出来事を思い出し、そこに確かにあった乳房を触ろうとするかのように。
「……って、ホントなにやってんだ」
太地は顔をパンパンと両手で叩き、椅子に座る。そして教科書を開くが、顔をのぞかせた文字の羅列に頭を抱える。
「……これどうやって解くんだよ、女になった俺ならわかるのかねぇ!」
問題を見ても、何を書いているのかさっぱりな部分すらある。それをぼーっと眺めてるうち、太地はうとうととしはじめた。
「……くっ……補習……が……」
そして、太地は眠りに落ちてしまった。が、頭をくすぐる感覚に、目が覚める。
「寝てたのか、俺」
妙にチクチクする頭を掻く太地だったが、その手に感じたのは長く柔らかい繊維の感触。
「なんだってんだよ……ま、まさか!また女になってる!?」
その手を股間に持っていくと、そこにあるはずの男の象徴が跡形もなく消えている。よく見ると、その腕も細く短くなって、部屋着がぶかぶかになっている。
「ってことは、……んぅっ!」
胸が内側から押し上げられる感触がすると、服に小さな二つの膨らみが現れた。
「ち、ちくしょ、戻ったらそのままじゃないのかよっ!」
膨らみはグググッと大きくなり、服の上からでも明らかにわかるほどのバストサイズになる。
「んあっ!」
さらにボンッと一回り大きくなって、部屋着がギチッと音を立てた。それで、変化は収まった。
「はぁ、はぁ……声まで女に……」
太地は、視界に入ったスマホを手に持って、カメラアプリを起動した。
「今の俺って、どんな感じになってんだ……?っ!!」
画面表側のカメラに切り替えると、そこにはとびきりの美少女が映っていた。その端麗さへの驚きと、その少女が自分であることをにわかに信じられないことからくる違和感に、太地の体は固まった。
「これが……俺……?」
その時、腕時計の時報がピピッと鳴って、午後6時になったことを告げた。太地はハッと我に返った。
「くっ、こんなことしてる場合じゃ……」
教科書とノートに向き直り、時間との戦いとばかりに打ち込んでいく。太地は、自分が女になったことを忘れようと、必死に宿題を進めていった。
「え、もう終わった……?」
もとの太地なら頭をフル回転させてもわからない問題も、今の太地には赤子の手をひねるような簡単さになっていた。その上で本気を出したのだ、宿題は10分もしないうちに片付いてしまった。
「嘘だろ……」
太地は戸惑い、胸に手を置こうとした。しかしその手は、部屋着の胸の膨らみの上にあるぷくっとした突起……乳首に触れた。
「ひゃぁっ!?」
太地は、思いもしない刺激に小さな叫びをあげた。できたばかりの乳頭は敏感だった。ジーンとしびれるような感覚に、椅子に座っていられなくなった太地は、思わず床に崩れ落ちてしまった。ブルンブルンと揺れる胸は、服と擦れてさらなる刺激を生み出す。
「んひゅっ……や……っ!」
意識が飛びそうになる太地だが、刺激から逃げようとなんとか服をめくりあげた。太地の目に飛び込んできたのは、透き通るような白い肌に包まれた、柔らかく、丸みを帯びた膨らみ。その先端は、ピンク色にその存在を主張している。
「女の、胸……」
肌色の膨らみに触れると、むにゅっと形を変える。
「んっ……すごくやわらかい……」
高くなった声に合わせるように、太地の口調もやわらかくなる。
「そうだ、足の方は……」
部屋着のズボンに手をかけ、下げる太地。中からは、プルンと震えるヒップと、すべすべとした太ももがお目見えし、健康的な脚が姿を現した。
「本当に、俺が女の子に……」
「太地?帰ってるんでしょ、夕飯できたよ」
股の間に手を伸ばそうとした太地だったが、部屋の外からの声に、その動きを止めた。
「か、母さん……あっ」
高いアルトの声で答えてしまいそうになった太地は、口を覆った。
「太地?女の子でも連れ込んでるの?」
部屋の外から、足音が近づいてくる。太地は、なんとか体を起こすと、クローゼットの中に飛び込んで、扉を閉めた。同時に、部屋のドアがガチャッと開いた。
「あら?誰もいないの?……また服を散らかして……何、この長い髪、あの子と同じ色してる?」
なにかの拍子に抜け落ちた、太地の髪の毛だった。ドキドキと鼓動が響く。太地は息を殺して母親が去るのを待った。時間の流れが遅く感じるほどの緊張だったが、やがて母親は部屋から出ていった。
「はぁ……よかった……」
クローゼットから出た太地の体は、元の男のものに戻っていた。太地は、安心するとともに少しの物足りなさを感じていた。
—
「おい、学!」
「な、なんだよ、太地……」
次の日、学校で太地は学に詰め寄っていた。周りの、待望の女子がいなくなってがっかりしたような、元の日常に戻って安心したような視線を無視しつつ、太地はものすごい剣幕で学に怒鳴った。
「昨日の薬、瓶捨てちゃいねぇだろうな!?」
「……な、なな、なんで捨てちゃいけないんだよ」
「いいから!!持ってるなら出せ!!」
太地の怒りは、まるで何かから目をそらすような焦りのようでもあった。
「はい、これ……」
「おう!!つべこべ言わず最初っから出しやがれ!」
瓶の上のラベルを読んでいく、太地の目に一つの文章が飛び込んできた。
「『睡眠時に成長ホルモンを分泌させ、脳を活性化させます。同時に、女性ホルモンを出させることでその効果を高めます』……って、寝るたび女にならなきゃいけないってことかよ!」
周りがざわついた。太地はクラスメイトたちを睨みつけた。
「お前ら、俺は金輪際、ぜってぇ居眠りなんてしねぇからな!」
小さく「フラグかよ……」という声が聞こえ、太地はそちらに目を向けたが、ついに誰がその声を上げたかは分からなかった。
その日は、クラスメイトたちの期待むなしく、太地は居眠りすることなく授業を受け続けた。
「ふん!俺だってこんなことになっちゃ居眠りなんかしねぇよ」
「あ、あの……」
帰り支度をする太地に、弱々しい声がかけられる。疑いもなく、学の声だった。
「また、勉強教えてほしいんだけど……」
「あん!?」
学に向き直った太地は、もちろん断るつもりだった。太地の成績は、むしろ誰かに教えてほしいくらいのもので、こんな厄介事に巻き込んだのは学の持ってきた薬だった。
「……おう、わかった」
太地は自分でも口にした言葉が信じられなかった。だが、前の日に経験したいろいろな事が、太地の心を動かしたのは、なんとなく分かった。
「じゃあ、僕の家に来てよ。今日は誰もいないから」
—
学の家に着いた二人は、黙々と勉強の支度をした。太地は、勉強中に居眠りすることで女になることを、潜在的に理解していた。
「ほら、勉強するんだろ」
「あ、うん」
太地は、目の前に広げた教科書を読んでいく。やはり、内容は半分わからない。そして、そのまま寝てしまった。
「太地、太地!」
学の呼ぶ声に目をさます頃には、髪は伸び切り、手足は短くなり、胸がムクムクと膨らんできていた。
「き、来たよ……」
「あ、あ……お、おんなに、女になるぅっ……!」
太地は喘ぎ声をあげ、体をくねらせる。不思議なことに、焦りは感じない。むしろ、この変身が気持ちのいいもののようにも感じる。
「ふぅっ……!」
「じゃあ、いろいろ教えてよ」
変身が終わった太地を見て、鉛筆を置いて太地に近づく学だったが、太地はその口に人差し指を当てた。
「だめ、まずは学校の勉強からね」
体に引っ張られるように、太地の口調が柔らかくなっていた。太地は、今の自分の容姿の女子が使いそうな口調を、無意識に使っていた。
「うっ、分かったよ……」
太地は、ムンムンと色気を漂わせつつ、学に勉強を教え始めた。数十分もそれが続いて、学はやっとのことで最初に決めていたノルマを達成した。
「じゃあ、今度こそいいよね」
「もう、せっかちなんだから」
「えへへ」
太地は立ち上がって、学の後ろに回り込む。そしてその背中に、ムニュッと胸を押し当てた。
「(あれ……俺はこんなことしたくなんてなかったはず……)」
太地の考えとは裏腹に、その腕は学をギュッと抱く。
「きもちいい……」
「でしょ?」
「太地っ!」
学はバッと立ち上がり、前の日と同じように、太地の肩を掴んでベッドに押し倒した。
「きゃっ!」
「すごく、かわいいよ……」
顔を赤らめる太地。男にかわいいと言われて喜ぶ趣味は、太地には無いはずだった。しかし先程から演じ続けている「女の子」には、効果テキメンなのだった。
「本当に?」
「ホントだよ……おっぱいもおおきいし、すごいよ……」
「じゃあ……」
ボタンを外していく少女。その体の動きは、太地の制御が効かなくなっているように思えた。すべてのボタンを外すと、胸の間にできた深い谷間と、へそが顔を出した。
「(今の俺は、俺じゃない、俺じゃないんだ……)ほら、触っていいよ……女の子のカラダ、勉強して……?」
「じゃあ、ここから……」
学は、すべすべとしたおなかを撫でる。
「(ちくしょ、何でこんなこと、俺が……)ん、んっ……おっぱい、じゃないの……?」
「こ、ここもキレイだし……」
少女は、恥じらいつつも学を受け入れ、大人しくしている。学はそのままベルトに手をかけ、外し始めた。
「(おま……)ちょ、ちょっと……」
「いっぱい勉強、させてよ……」
ズボンが降ろされ、皮下脂肪で少しふっくらとした脚が引きずり出された。
「しかたないなぁ……(しかたないよな……)」
「女の子の脚って、こんなにきれいなんだね……」
少女は学にされるがままになっていた。
「あっ……」
だがその時、時間切れが近づき、巨大な胸が縮小を始めた。少女は太地に戻ろうとしていた。学は、一瞬残念そうな顔をしたが、何かをひらめいて、大声で言った。
「世界で一番大きな大陸は!」
「え、な、なに?」
少女は度肝を抜かれて驚く。
「答えて!」
「えっ、ユーラシア大陸……?……んぁっ!!」
半分の大きさまで縮んでいたおっぱいが、一気にその大きさを取り戻した。
「な、なにこれ……もしかして、勉強しつづければもとに戻らなくていいの……?」
自分が発した『もとに戻らなくていい』という言葉に、太地は違和感を覚えたが、それはごく小さなものだった。
「べ、勉強中は男に戻らなかったけど、それをやめたら5分くらいで戻ってたよね……」
「なるほど……でも、二回しか見てないのに、よく気づいたね、学」
少女はニッコリと笑みを浮かべた。
「えへへ……じゃあ、こんな世界一高い山みたいなおっぱい、触らせてね……」
「んっ……エベレストね、私の胸はそんなに大きくないよ……」
学は、その深い谷間に顔をうずめた。
「ま、学……」
「やわらかくて、あったかい……」
顔を離した学は、恍惚の表情を浮かべている。だが逆に、少女は物足りなさそうにした。そして、赤面しながら、下着を指差して聞いた。
「学、ここはいいの……?」
「えっ……いいの?子供ができちゃう穴じゃないの?」
「大丈夫、保健で勉強したでしょ、一ヶ月に一回、危ない日を避ければいいの」
「いや、そういうことじゃなくて……」
学は下を向いてもじもじし始めた。その腕を、少女は優しく掴んだ。
「どうせ、こんなことできるの、私くらいしかいないでしょ?」
「う、うぅ……じゃあ……」
学は、自分のズボンから短めの得物を出した。
「うふっ、かわいい」
「い、いくよ……」
おそるおそる、少女の股に、それを挿し込んでいく。
「うっ、思ってたより気持ちいい……」
「学のモノが、中で大きくなってる……」
初体験の感覚をもっと得ようと、学は腰を前後し始める。
「あんっ、すごい、くるよ、くるよっ」
太地の意識は、もはや少女のものとなりきり、当然のように学を受け入れていた。
「学っ、もっと問題出して!私を女の子にし続けて……っ!」
「ん、ん、そんなことっ……言われてもっ!」
「出してぇっ!」
少女の胸は、またもや縮み始めていたのだった。
「ふ、フランスの首都はっ!」
「パリだよぉ……っ」
ムチっと膨らむおっぱい。学は、それを鷲掴みにした。
「んひゃっ!学はやっぱり、そこが好きなのね……!!」
「だ、だってっ……こんなに、大きいの、他にない……!」
上下左右に揉みしだかれる巨大な胸。学の速度も、どんどんペースアップしていく。
「だ、だめっ、そんなに激しくっ、イッちゃうぅっ!!」
「う、うぅっ、出るっ!」
初心者二人の絶頂は早く、ほぼ同時だった。学は、フラフラとしながらも怒張しきった自分の息子を引っ張りだした。少女の方は、疲れたのか、快感で意識が飛んでしまったのか、そのまま目を閉じて動かなくなってしまった。
学はぬめぬめとした液体まみれのまま、「勉強相手」に寄り添って眠りに落ちた。
—
「……もとに戻らないんだけど……」
「ど、どうしちゃったのかな」
二人が目を覚ますと、夜も8時を回っていた。太地の体はもとに戻っておらず、学がシーツの匂いを取るために20分以上かけたあとも、それは変わっていなかった。
「もしかして、イッちゃうと戻れない的な……?」
「そう、みたい?」
太地はハァとため息をついて、学に向き直った。
「な、なに、太地?」
「……責任、とってね……?」
その照れた顔に、学はうなずいた。