この作品は『あむぁいおかし製作所』様で投稿させていただいたものになります。イラストは『製作所』様管理者であるあむぁい様を通じ、まこも葦乃様(https://twitter.com/0w0_CaO)に制作していただきました。
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町外れの森の中、県道にほど近い小道に、一軒の古い木造の家があった。表札もなく、駐車場には草が生い茂り何年も使われていないことがうかがえた。明らかに誰も出入りしていない家の周りには、蜘蛛の巣が至るところに張られている。
その家の前に二人の小学生の男の子が立っている。大きい方は健二(けんじ)。パーカーを着て、背丈は学年でも高い方で、中学生に見られてもおかしくないほどだった。もう一人は、望(のぞむ)。男子にしては髪は長めで、柔らかい顔立ちは中性的だが、身長は普通の男子と変わらない。町から二時間くらい歩き、やっと到着した喜びに、声変わり前の子供の声で、望ははしゃいで、健二に満面の笑みを見せた。
「やっとついた!ここが、芳雄(よしお)が教えてくれた空き家だね!さあ行こう、健!」
「あ、ああ……本当にあったんだな。なあ、望、なんかすごく寒気がするんだけど」
早めの声変わりが終わった健二が、低い声で答える。
望は好奇心旺盛だった。それで、小学校の友達である芳雄に肝試しとは名ばかりの、きつい遠出をさせるための口車に乗せられてしまったのだった。そして、健二はというと、単に望についてきたのだ。というのも、少し興味があったのと、小さい望が田舎道を一人で歩いて行くのに不安を感じたからだ。
「何行ってるのさ、最初に行こうっていったのは健二じゃん!先に行っちゃうぞ」
「それはそうなんだが……」
威勢よく廃屋の中に入っていこうとする望。だが、それとは対照的に、あまりにも古く、人気のない民家に怖気づいたのか、大柄であるはずの健二は尻込みしてしまっている。
「ほらほら!」
望は玄関の扉を引っ張った。鍵はかかっておらず、周りの古さからは信じられないほど扉は軽快に開いた。
「よし!……あれ?なんだろうこのシール……」
望が開いた扉の枠には、ビッシリとシール……ではなく、神社にあるような紙の御札が貼ってあった。難しい漢字の塊でうめつくされた御札の意味は、望に分かるはずもなかった。
「なあ、まずいんじゃないか?オレ、もうこれくらいでいいからさ……っておい!」
小声で望にささやいた健二。しかし、望は御札に気を取られていたのか、そのまま中に入っていってしまった。健二も仕方なく、親友の身を案じて中に入っていくことにした。
「望……?うわ……な、なんだこれ」
御札が張られていたのは扉の枠だけではなかった。玄関の壁という壁、床にも天井にも、御札が所狭しと貼られている。あまりの異様さに、吐き気まで覚える健二を差し置いて、望はケータイの照明を使って、興味津々と言った様子でどんどん奥へと進んでいってしまう。健二はもう自暴自棄になって、望にくっついていくことにした。
「ここには何があるのかな?」
「おい、おい!」
望は、どんな引き戸も、障子も、躊躇なく開けていく。だが、雰囲気とは裏腹に、居間、書庫、台所、便所。窓さえも埋め尽くす御札以外は、いたって普通の民家だった。だが、最後の一部屋だけは違った。
「うわー、なんだろうこの縄……」
「これ、本当にヤバイやつだろ」
部屋の入り口のふすまが御札の付いたロープのような何かで固く閉ざされているのだ。健二は、これに触ったら嫌なことしか起こらない、たたりでも下るんじゃないか、という予感がした。
「もう帰ろうって!御札が貼ってある以外なんにも面白く無いぞ!」
「……でも、この中に何があるか見てみたいな」
「はぁ!?」
望は、扉を開けるのに邪魔になっている綱をぐいっと引っ張った。すると、とても子供の手では千切れなさそうな綱が、いとも簡単にビリっと切れてしまった。
「あ、これで入れる!」
「ちょ、ちょっとまて……」
健二が制止する暇もなく、望は扉をバッと開けてしまった。健二は、中から怪物が飛び出してきたかのように、ワーッと叫んで地面に倒れたが、ふすまの奥にあったのは、何の事はない、少し広めの部屋だった。
「健二、大丈夫?」
「あ、ああ……」
「さっきから変だよ?」
「そ、そうだな……ただのボロ家で、なにビビってんだろうな」
望と健二は、大部屋へとそろりそろりと入っていく。中には、これまであったような御札はなかったが、窓に貼られた障子からは日光が一切差し込んでこない。
「ん?あれはなんだ?」
部屋の真ん中に、幕がかかった、大きな鏡台のような物があった。鏡自体は巨大な布で覆い隠されていた。
「なんだろ……あの布外してみようか」
「ああ……」
二人の体よりも大きい幕を、二人でひっぱり外し、中にある鏡面が見えた、その時だった。
《ガタンッ!!カタッ!》
二人が入ってきた扉が、勢い良く閉められ、おまけに鍵がかかる音がしたのだ。
「や、やっぱりヤバイって!!早く逃げようぜ!」
「あ、うんっ」
扉に向かって走りだし、体当たりで開けようとする健二。だが、木でできた脆そうな扉は、健二の突撃で壊れるどころか、少年の体を跳ね返した。健二は思わず床に倒れてしまった。
「ってて……ど、どういうことだ……」
「健二……なんか、この鏡変だよ……」
「そんなのもう分かりきってるだろ!」
「いや、でも……」
望は鏡に近づいていく。普通の鏡だったら望が映るはずだった。しかし、映ったのは望の小さい体ではなく、ボンデージを身にまとった、背が高く、スタイル抜群の女性だった。長い黒髪に金色の目は、どこか現実離れした魅力を放っていた。
「ボク、じゃない……」
「な、ななな……」
目の前で起きるわけのわからない事態に頭が混乱し、体が動かなくなってしまう健二と、鏡を見つめるほかない望。
『ふふ……やっとこの部屋まで侵入できる能力がある器が……って子供じゃないの』
突然、鏡の中の像がしゃべりだした。望は、一瞬ビクッと体を震わせたが、すぐに気を取り直したのか、鏡の中の女性に話しかけた。
「あなたは、誰ですか?ボク、よく分からなくて……」
『アタシ?そうねぇ、魔女、って言ったらいいかしら』
魔女は、望を品定めするようにジロジロと見つめた。
『すごい神通力ね……』
「お姉さん、なんで鏡の中に……」
『ふん、アタシが望んで入ってるわけないじゃない。もっといろんな男の精を吸い取りたいのに。あのクソ霊媒師が……』
ブツブツと独り言を始めた魔女。望はおそるおそる声をかけた。
「あの……」
『あら、悪かったわね。子供にこんな口調で話すもんじゃないわね。アタシは、今の言葉で言うと、江戸時代の生まれよ。ひょんなことから魔女になって、男達のチカラを吸収して強くなったの。でも、まぁいろいろあって……要するに、アタシはちょっとやりすぎちゃったのよ。誰それ構わず襲って、絞りかすにしてやって……』
「……?」
『分かってないようね。いいけど。どうせ、アタシの器になる存在なんだから、すぐに自分の体で分かるでしょ』
魔女が指をぱちんと鳴らすと、鏡の中に望の像が現れた。
『これでよしと。じゃあいくわよ』
「な、何をするんですか……?器って……?」
『こう、するのよ』
そう言った魔女は、鏡の中の望の像にギュイイッと吸い込まれ、いや、望の背中から入り込むように自分を押し込み始めた。
「んっ、うううっ」
と同時に、望は背中から何かが押し込まれる感覚に襲われた。それは、望の体にグイグイと潜り込んでくる。手足がその衝撃で震えているかのように、ピクピクと痙攣する。さらに、中にはいった何かは、望の体を中から押し広げていく。
「んんっ……」
その感覚に呼応するように、望の手のひらが、痙攣しながらメキッメキッと大きくなる。腕全体も引き伸ばされるように長くなって、シャツの中からクイックイッと飛び出していく。足も長くなり、望の目線が上がっていく。ただ、伸びた手足には筋肉の代わりに薄く皮下脂肪が付き、まるで女性のような、柔らかい印象のものになっている。
「あ、頭が……」
望が痒みを感じて頭を押さえると、少し耳に掛かる程度だった髪がサラサラと伸び、背中にかかるほどまで伸長した。
「ボク、どうなってるの……?」
鏡に映る望の容姿は、ほっそりとした女性のそれとほとんど変わらなくなっていた。顔も、幼い子供の顔から、清楚な思春期の少女のものになっている。
「(きれいな体じゃないの……)」
「えっ」
望に、先ほどの女性の声が頭の中から聞こえたような気がした。と同時に、望の体が望の意思とは関係なく動き始めた。
「うふ、でもこれじゃ足りないわ……えっ、や、やだ、やめて……」
魔女の言葉が、望の口から直接飛び出てきた。望は恐怖に震えるが、体の自由は全くきかない。
「もうちょっと、魅力的にしなくちゃね……ん、んんっ……!」
胸の突起に指を当てると、それはプクッと膨れた。望は、自分を今の姿まで成長させた何かが胸に集まってくるのを感じた。
「ん、いい、いいわぁ……っ!」
望の胸の中の器官が、魔女の力に影響され、成長し始めると、平らだった胸板に膨らみが見え始め、シャツを盛り上げながら、トクン、トクンと育っていく。そしてたった数秒で、自分が見慣れた母親の小ぶりのものよりも、自分のもののほうが大きくなってしまった。それは、呼吸とともにフルフルと揺れるようになり、望の中で幼い性欲が掻き立てられていく。着ていたプリントシャツの文字が、丸みを帯びながら横に大きく広がり、その大きさを物語っていた。
「おっぱいだけじゃなくて、おしりも、太ももも大きく……っ!」
スレンダーだった足や腰回りが、ムチッ、ムチッと音を立てながら膨らみ、元の倍、いや3倍ほどまでに大きくなる。おかげで、履いていたトランクスやズボンがビリビリと破れてしまった。
「ぼ、ボク、女の人になっちゃうっ!!」
「(まだ男よね。だけど、あそこに付いてるものがなくなれば、それも分からなくなるわね!)」
「え、えっ……!?」
望は、自分の得物を見ようとするが、Gカップはあろうかという乳房に視界を遮られた。仕方なく鏡を使って、左右から引っ張られ千切れる寸前のズボンのジッパーを慌てておろし、破れたトランクスから突き立っていた男性器を確認した。
「よかった……」
消えているかと思われた男の象徴がそこにあると分かって、安心する望だったが、
「(ふふっ)」
「ぐぅっ!!?」
魔女の一声とともに、メキョメキョという音を立てて、それは潰れるように小さくなり、股間の中に押し込まれていってしまった。残ったのはスッと入った筋だけで、そこにペニスがあった跡など何もなかった。
「う、うぅ……!」
「(最後の仕上げねっ)」
望の中に、子宮が形作られていく。尻にもう一つの穴が空けられると、すぐに新しくできたヒダで隠された。最後に、潤んでいた望の瞳の色が、黒から燃えるような赤に変わり、顔の作りも、可憐な少女から、目はキッと長くなり、唇は厚くなって、魅惑的な美女のものに変わった。
「(ふふ……これであなたはアタシのもの……あら?)」
「あれ?ボクの体、動かせる?」
いつの間にか、奪われた体の主導権が、望に戻っていた。望は、自分の手のひらを開いたり閉じたりして、その事を確かめる。
「はぁ……」
「(ちっ……力を使いすぎてコントロール出来なくなったわね……)」
魔女の声は不満げだ。安心したのか、胸に手をおいてため息をつく望。だが、女性化したことには変わりなく、背が高くなったせいもあるが、これまでとかなり違う視界に、戸惑いを覚えたままだった。
「これから、どうすれば……」
望は、胸から手を下ろして、考えをまとめようとした。だが、その拍子に胸の先端を手で強く叩いてしまった。
「ひゃんっ!」
なんとも言えない快感が、望の幼い精神を襲った。
「な、なんなの……?」
望は、その快感の源を探ろうと、シャツに浮き上がっている突起を、指でくいっとつまんだ。
「ひゃぅうっ!!」
再び襲う快感。望は、その場にへなへなと座り込んでしまった。
「き、きもちいいよぉ……」
「(こんなことしてる場合じゃないんだけど……この子、なかなか……)」
「あんっ!んっ!」
さらに何回もつまんだり、突起を手のひらで撫でてみたりと、新しい感覚に溺れていく。そして、この快感を別のところでも感じられないかと、熱くなっていた下腹部に手を伸ばした。
「ん、ねちょねちょしてる……」
望が股間に手を当てると、男の時にはなかったヒダの中から、ねっとりとした液体が出ているのに気づいた。これが愛液であることなど、幼い望には分からない。だが好奇心と快感への欲望から、ヒダの中に手を突っ込み、そして、クリトリスに乱暴に手を当ててしまった。
「んっっ………!!!」
ついさっきまでの感覚とは比べ物にならないほどの強さで、全身に衝撃が伝わった。
「女の人のカラダって……すごいぃ……」
普通なら恐怖を覚えて立ち止まるところを、望はさらにクリクリとそれをつまんだ。
「んひゃっ……!あんっ……!!」
腰を抜かしたままの親友がすぐそこにいることも忘れ、女として初めての絶頂に達しようとする望。
「んん、き、きちゃうぅぅ!!!!」
子宮で生み出された愛液が、ブシャァッ!と股間から吹き出すと、ついに限界が来たのか、望は床の上に倒れてしまった。
「ん……あは……」
「(すごい子ね……さ、そろそろ……)」
魔女は、意識が遠のいた望の体を乗っ取った。恍惚としたものになっていた望の表情が、悪意に満ちた笑みに支配された。
「あなたを、食べる時が来たようね……?」
健二の方に向き直った魔女が、彼の体を舐め回すように見つめた。
「ひ、ひぃっ!殺さないでっ!」
「あはっ、カワイイ子……」
変わり果てた望の体で、魔女が健二に四つん這いになって近づいていく。
「や、やめてっ……」
「そんなこと言ったって……」
健二のズボンのジッパーを、ズルズルとおろし、中身を探る魔女。
「こんなにいきり立ってるじゃないの……?」
「う、うぅ……」
肉感的な女性の魅力に勝てなかったのか、引きずり出された健二のイチモツは、赤黒く膨らみ、固くなっていた。
「どんなことしてあげようかしら……?」
美女に迫られ、健二の中で恐怖よりも、興奮が上回っていく。
「やっぱり、最初はこれよね……?」
魔女は、健二の男性器を、まるでソフトクリームでも食べるかのようになめまわし始めた。
「ん、んうっ!」
「素直でいい子ね……」
少しでも強く魔女に蹴りをかませば、健二は逃げられるはずだった。だが、もっと気持ちよくなりたい、されたいという欲望が、彼にそれを許さなかった。
「くちゅっ……ん、はぁっ……」
「おふっ」
魔女は、さらに行為をエスカレートさせ、口ですっぽりとソレを覆い、ベロベロと舐めた。二次性徴を迎えたとはいえ、性行為などまだ数年先の話の健二を襲ったのは、思いもよらない感覚だった。
「気持ち……いい……」
「んふっ、気に入ってくれたかしら……?」
健二は、その感覚に溺れそうになったが、その時、ついさっきの望の痴態を思い出した。絶頂し、床に横たわる親友の姿を。
「だ、だめだ……」
「あらあら」
「の、望!助けてくれ!」
自分ではどうしようもない。そう思った健二は、魔女の中にいるはずの望に、必死で助けを求めたのだった。すると、魔女は苦痛に顔をゆがめた。
「んぁっ!!あ、だめぇっ、アタシ……ぼ、ボクは、何を……?」
「望!」
望は姿勢を変えずに、周りをキョロキョロと見回した。
「健二、くん?」
「よ、よかった……」
だが、健二が安心したのもつかの間、望はタプンタプンと揺れる胸を垂らしたまま、健二に少し近づいた。そして、シャツ越しに、豊満な果実が、勃起したままの健二のペニスを包み込んだ。
「うおっ!の、望、離れてくれっ……!」
「え、なんで?」
望はもっと健二に近づく。健二の男性器を胸とシャツで擦り上げながら。
「んおおおっ!!や、やめろぉ!」
「そんなことより、これ、気持ちいいんだよ?」
望はなにを思ったか、シャツをまくり上げ、露出した下乳でペニスを挟み込んだ。
「お、お前、何するつもりだっ!」
「え、何って、次の、サービスだよ。ボクが気持よくしてあげる」
そこで、健二は気づいた。健二が喋りかけていたのは、単に口調を変えて演技しただけの魔女だったのだと。
「ま、魔女めっ……!」
「あ、気づいた?じゃあ、聞きたいんだけど、ボクの話し方と……アタシの攻め方、どっちがいいかしら?」
答えを待たずに、乳ごしに健二をマッサージし始める魔女。
「んひぃっ!そろそろ、で、出てくるっ……!」
「早いわねぇ……、でも、まだ答えを聞いてないよ?」
「ふおおっっ!!!」
ついに耐え切れず、ぶしゃぁっと胸の中に出してしまう健二。それは勢い余って胸の間から飛び出し、望のシャツにかかった。魔女は少し驚いたようだったが、すぐにニヤリと笑った。
「元気いいね……でももうちょっと欲しいわね……」
口調をコロコロと変える魔女。まるで望と魔女、二つの人格が同時に健二を攻め立てているようだった。
「も、もうやめてくれ……」
「いやよ」
魔女は体を起こすと、縫い目がほつれ、ボロボロになっていたシャツを破り捨てた。
「えいっ」
「うわぁっ!」
そして、健二を押し倒すと、パーカーのジッパーを降ろし、中に来ていたシャツを破って、筋肉が発達した胸板の上に直接のしかかった。巨大な胸は、健二の上でムニッと形を歪めた。
「おほっ……」
「どう?ボクのおっぱい、大きいでしょ?……これでイカせてあげる」
「の、望の口真似は、やめろっ!」
「そんなに強く言わなくたって、やめてあげるわよ」
魔女は、ムチムチとした太ももを、健二の足に絡めるようにしてこすり付けたり押し付けたりした。一回射精したものの興奮が収まらない健二は、もともと自分より小さかったとは思えない親友の体に包まれ、もうどうすることもできなかった。
「ん、んうううっ!!!」
さっきよりも強い勢いで、ブッシャァアアッっと飛び出る白濁液とともに、健二の意識も飛んでしまった。
「ふふっ、子供の割にはがんばったじゃない……」
自分の足や、床に撒き散らされた精液を見て、魔女は感心したような声をだす。そして、自分の胸に向かって声をかけた。
「さぁ、そろそろ起きなさいよ」
「(ん、んっ……あれ、ボク、どうしたの……?)」
今度はまぎれもない望の精神が、魔女の中で目を覚ました。
「キミの親友の、健二、だったっけ。おいしかったわよ」
「(け、健二!?この魔女め、体を返せ!)」
「ムリよ。それに……」
魔女は、さらけ出された自分の乳首や、クリトリスをなでた。
「あぁんっ……」
「(ひゃんんっ!!!)」
快感が共有され、自分で触った時よりも強い快感に魔女の中で望は必死に耐えた。
「(だ、ダメだ、ボクは男なんだ……)」
「オンナになったほうが、気持ちいいわよ?んんっ……」
魔女は、自慰を続け、望の精神に攻撃を仕掛ける。
「(ああっ!ひゃっ……や、だぁっ……)」
「ほらほらぁ……」
容赦なく続く魔女の攻めに、疲弊していた望はついに自分を投げ出してしまった。
「(ん、くぅっ……きもち、いいの……もっとほしい……)」
「うふふっ、いいわ……でも、次は自分で、ね……?」
「(うん……自分で……獲物……見つける……)」
「そう、見つけるのよ……」
望と魔女の精神が同化を始め、望の純真さが、魔女に殺され、そして記憶を読まれ、操作される。
「(キミの友達、芳雄……そう、芳雄がいい……)」
「芳雄がいい……」
瞳の色が赤から、青に変わる。体がシュルシュルと元に戻っていき、大きかった胸や尻は引っ込むように無くなり、髪も短くなる。背の高さも元の小さいものに戻ると、破れていた服が魔法のように繋ぎ合わされ、修復された。望は無言でそれを着ると、そばでう~んと呻きながら倒れている健二に声をかけた。
「健二、行こうか」
魔女と同化を終えた望の言葉は、強い魔力を帯びていた。そして、健二の体がぐいっと立ち上がった。開かれた目は虚ろだった。
「マスター……」
「さ、帰ろう、おいしいご飯が待ってる……」
望の青い瞳が、不気味に光る。望が指をパチッとならすと、二人の姿がフッと消えた。
ところ変わって、ここは二人の住む街の路地裏。
「あいつら、こんなに暑い中を遠くまで行ったんだろうな。いい気味だぜ、あの森の中にそんな家あるわけないっつーの!」
そこには、二人を魔女の廃屋に行くように仕向けた芳雄の姿があった。炎天下を、自分の家にいればいいものの、汗だくで歩いている。
「あ、俺、なんでこんなところにいるんだ?」
そう、彼も魔女の魔力に操られ、自分の意志とは無関係に、路地裏にふらふらと歩いてきたのだ。そんな芳雄の背後から、望の声が囁いた。
「ボクが、呼んだからだよ」
「ひぇっ!!?望、それに健二!?」
遠くにいるはずの二人が急に自分の後ろにあらわれ、心臓が飛び出そうなほど驚かされる芳雄。
「お、お前ら、廃屋は行ったのかよ!まさか、ビビって途中で帰ってきたわけじゃねーだろうな!」
光っているようにも見える望の青い瞳と、何の感情も示さないで、望の後ろに立っている健二の姿にたじろぎながら、芳雄は叫んだ。その声は、恐怖で裏返っている。
「まさかぁ。ボクたちに教えてくれたのに、行かないわけないじゃないか。ねぇ、健二」
「あ……ぁ……」
芳雄が知っている明朗なものとは違う、ねっとりとした語調で望は言葉を発し、魂の抜けたような声で健二が応える。
「な、なんなんだよお前ら……っ、なにか、なにかおかしい!」
「なにか……って?例えば……」
恐怖に震える芳雄の前で、望の姿が変わり始めた。手足がメキメキと伸び、身長が同じはずだった芳雄を見下ろすくらいに背が伸びる。
「ボクがこんなに背が高かったりとか?」
「な、なななっ!!!???」
芳雄は、急に大きくなった望を前に、腰を抜かしてその場で倒れてしまう。
「こんなに、髪が長かったり、……声が、大人っぽかったり……?」
ざわざわと伸びる髪。そして、子供のものから女性の大人のものに変わる声。芳雄の理解を超えた現象が、現実となって彼に襲いかかる。
「お、おまえ、まるで、女じゃ……」
「え?これくらい健二でもできるよ……?でしょ?健二?」
「はい、マスター……」
望の後ろで、健二も姿を変えていく。髪が長くなり、体格が華奢になって、あっという間に三人と同世代の少女に変身した。
「け、健二!?」
「……なぁに?……芳雄くん?」
透き通った声にも、誘惑的なしゃべり方にも、健二の面影はない。逃げ場を完全に失った芳雄の前で、望の胸がむくむくと膨らんでいき、ものの数秒で芳雄が見たことのないほどの大きさまでに成長する。
「の、望……そ、それは、お、女の、おっぱい、なのか……?」
「他に、何があるの?」
ゆさゆさと揺れる巨大な乳房と、大きく押し上げられたプリントシャツに浮き上がる突起に、思わず興奮してしまう芳雄。それに気を取られている隙に、芳雄は望に取り押さえられた。そして少女に姿を変えた健二が、芳雄に襲いかかろうとしていた。
「さぁ、芳雄。存分に、精をちょうだいね」
「や、やめろ!健二、お願いだから!」
「……いただき……まぁす」
健二の虚ろな目は、芳雄にロックオンしていた。
「うぎゃああああっ!!!」
救いようのない芳雄の絶叫が、街にこだました。