同化 後編

「お兄ちゃん……❤」
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幼馴染はトロンとした目で少年を見つめながら、四つん這いになって近づいてくる。元の面影を残した童顔と、その下でたぷんたぷんと揺れる二つの豊満な果実は、少年の目覚めかけの男性としての性欲をかきたてた。だが、少年の理性はそれ以上に強く、恐怖で少年は後ろに逃げて行く。

「つ~かまえたっ」

しかし、体格の差に勝つことはできず、すぐに腕を押さえられ、少年は上から覆いかぶされ、地面に押し倒されてしまった。

「いつもみたいに、あそぼ~?」
「や、やめて……っ!」

幼馴染はその巨大な乳房を少年の胸板に押し付け、上体を前後左右に揺らして、むにゅむにゅと変形させる。少年は自分の胸を包み込む柔らかい感覚に、身を任せずにはいられなくなり、全身の力が抜けてしまった。ただでさえ体重も力も劣る肉感的な女性に完全に屈してしまったのだ。

幼馴染はその様子をみると少年の腕を放し、その下半身の上へと移動する。そして、未だ小さなペニスを挟むように、乳房を少年の上にタポンと落とした。

「うっ……」
「お兄ちゃん、やっぱりここがいいんだね……❤」

体を上下に動かし、性器にかかる乳圧を周期的に変化させる。腰にコリコリと当たってくる乳首の感覚も相まって少年は絶頂へと近づいて行く。

「だめ……こんなこと……しちゃ……」
「なんで~?とっても、気持ちいいでしょぉ?」

幼稚園児とは思えないテクニックと小悪魔の誘惑のような声で、服をいつの間にか全て脱がし、幼馴染はどんどん攻めたててくる。少年はつい昨日まで一緒に遊んでいた年下の女の子が、今のように至上の快楽を与える存在になっていることが受け入れられず、どうするべきか判断する間も与えられず、最後に残っていたわずかな理性も風前の灯火となっていた。そして……

ドピュゥ!

出してしまった。自分でも正体のわからない白濁液が少年から放たれ、幼馴染の顔にかかった。

「あ……あっ……」

少年の頭がパンクしたようだった。

「ふふっ……お兄ちゃんも、おっぱいほしい?」

姿勢を直した幼馴染が、胸をむぎゅっと掴み、少年の目の前で強調してくる。さっきまでなら目をつぶって意識することを避けられたが、今はそれをただ見つめ、意識してしまう。途端に、胸が熱くなってきた。

「えっ……」

胸板を見ると、少年の鼓動と同期して、乳首がムクッムクッと大きくなってきていた。手でそれを押さえつけ、その成長を抑えようとするが、逆に、触覚でもその成長を感じてしまい、余計に意識してしまう。

「んんっ……」

胸全体の熱がさらに強くなると、少年の手の下で乳腺が発達し始め、乳首の周りがムリッムリッと盛り上がっていく。

「いやだ、やめて……」
「お兄ちゃん❤️」
「えっ」

幼馴染の声に思わず上を向くとたわわな乳房がやはりそこにあって、緊急時にも関わらずドキッとしてしまう。その瞬間、少年自身の胸の膨らみが、一気にリンゴサイズになり、激しい鼓動に合わせて、ムギュムギュッと成長を止めなくなった。

「だめ、だめっ……!」

再び、両腕でその膨らみを押さえつけるが、その腕の上下から、肌色がはみ出し、段々抑えていられなくなってしまう。

「ねえねえ、私の体、どう?」
「……!」

幼馴染は、大きな体と、そのウエストからヒップにかけての曲線を強調する。少年は、それを意識せざるをえない。背骨や骨盤のあたりに痛みが走ると、腰が横に引っ張られるように広がり、上半身は縦に引き伸ばされ、同時にムチムチとした皮下脂肪がついて、尻がボンッと膨らんだ。そして、ついさっきの幼馴染と同じように、自分の手足では動くことができなくなっていた。

「少年、幼馴染の体はもういいから、鏡見てみなさい?」

人形のような少女が言うと、幼馴染はいきなり気絶した。その体から空気が抜けていくように、手足は細く短く、乳房は元の胸板に戻り、髪も肩まで戻った。その代わりという感じで、仰向けに倒れている少年の真上に、大きな鏡が出現した。

「なに、これ……」

少年が自分の体を見ると、胸には頭と同じくらいの乳房がつき、ウエストはくびれ、腰が大きく横に広げられ、胴体だけは豊満な女性になっている自分自身の姿が映った。逆に言えば、手足と頭が、元のままの女性に、少年はなっていたのだ。そして、股に付いている小さい男の象徴が、目につく。

「ねえ、気持ち悪いでしょ?女の人になっちゃえば、楽よ。意識するだけでいいから、ね?……って、あなたそれ最初に意識しちゃう?」
「うっ……」

その瞬間、少年のペニスが脈打ち始め、膨らみ始めるが、ある程度膨らむと、いきなり潰されるような痛みが生じた。

「あぐっ……くぅっ!!!」

筆舌に尽くしがたい痛みとともに、ソレは少年の腹部に向かって沈み込むように縮み始めたのだ。少年は必死になって耐えるが、数秒後にはソレはスッと入った溝に沈没してしまい、完全に姿を消してしまった。

「ふぅ……っ、おなか、中が、ぐるぐるする……」

かき回されるような感覚の原因は、少年には知るすべもないが、子宮ができあがっていくものだった。それに繋がる卵巣が、今まであった精巣を置き換え、女性としての生殖機能を与えていくものに他ならなかった。少年は不安な表情で下腹部がうごめいているのを鏡で見ていることしかできない。

「あなたも、これで立派な人間のメスね」

うごめきが止まると、少女が満足そうな声で変身の成果を確認した。

「な、なんでこんなことするの」

素朴な疑問だった。こんなに大掛かりな魔法じみたことで自分が苦しめられるのには、何か理由があるはずだと思うのは、当然だ。

「そうね……あなた、ちやほやされるの、好きよね。人に褒められるのとか、撫でられるのとか」
「えっ……?」
「あら?小さい子は全員そうって思ってたけど、そうじゃないのかしら?とにかく、私はその目的のために生まれてきたんだけどね、あなたにもそれを体験してもらおうと思って」

大人の女性になれば、ちやほやされるのだろうか?少年は、テレビで綺麗な女性が褒められたり、羨ましがられていたりしていたのを思い出した。すらっと伸びた脚のこととか……

「あら、意識したわね」
「ふぎゅっ……!」

少年の足が、胴体から何かが送り込まれるかのように、膨らんでいく。ももにはムッチリとした肉がつき、二倍の太さに膨れ上がる。長さの方も、ググッググッと大きくなり、思い浮かべた女性ーーグラビアアイドルだったのだがーーと同じような、健康的な女性の足に育った。

「ボーイッシュもいいけれど、今のあなたの顔じゃ、ただの子供ね」
「僕は女の人になんか……!」

鏡の中の自分は、容赦なくその意思を潰してきた。むしろ、頭と手だけが少年のままとなった体は、全て女性であるべきであるもののようにも見えてしまう。

「(腕が、ほそい、ちっちゃい……)」
「はぁい、意識したー」
「うぐぁっ!」

腕はニョキニョキと伸び、女性になった体に合わせるように、適度に脂肪を蓄え、筋肉は控えめについたものになった。

「さあ、どうするの?女の人になるの、ならないの?」
「ぼ、僕は……」

少年は抗おうとするが、「女性になった状態」と「元に戻った状態」を、両方とも思い浮かべてしまった。選択を迫られた時には、人間はそのあとの結末を想像してしまうものである。そう、少年は想像したのだ。

「はい、時間切れっと。あなた、ちょろいわね」
「う、うわぁあああっ!!」

叫んだときにはもう遅く、少年の顔は少し童顔ではあるが色気のある女性のものに変わり、髪もサラサラと伸びて背中にかかるほどまでになった。

「僕は、これで、もう……」
「なっちゃったわね、完全に、女の人に。だけど……」
「今度は何?もう終わったでしょ?」

少女は、ニンマリとした。

「これからが、本番よ」

少年の掌から、ベキッという音がした。

「えっ」

少年が目を動かして手を見ると、そこには人間の肌ではなく、ゴムやプラスチックのようなもので覆われた掌があった。指を動かそうとすると、ギシギシと言うだけで、あまり自由がきかない。もっと注意深く見ると、指の関節の周りに色々な割れ目が付き、フィギュアの可動関節のようになっていた。

「あらあら?見るのは、おててだけでいいのかしら?」

少年が肘に目をやると、指と同じような溝が彫り込まれていくところだった。それはまるで皮膚が沈みこんでいくようで、中にある骨や血管は無視したような動きだ。そして、数秒後には、その現象は肩に伝わり、球体関節が、体の中でベキベキと形作られていく。これだけの変化が起きているのに、少年には全く痛みが伝わってこない。

「ぼく、どうなって……」
「いったでしょ?ちやほやされるようにしてあげるって。フィギュアとしてだけどね」

少年は、少女、いや、周りの風景全てが巨大化しているのに気づいた。フィギュアになっていくとともに、サイズが縮んでいるのだった。

「やだ、やめて!!こんなとこで死にたくないよぉ!!」
「死ぬ?失礼ね。全ての人形には魂が宿っているのよ?この私にだって、魂があるんだからね」
「わけわかんないよ!お姉さんも……人間……でしょ!?」
「私?私はたくさん、すごくたくさんの人形の魂のかたまりよ。あなたたち人間に愛してもらえなかった人形たちのね」
「なに……いってる……の……?」

少年の言葉の自由が奪われていく。足や、腰の中にも溝が彫られ、人形としての関節が出来上がっていく。そして、少し前は動かせた指や腕が全く動かなくなってしまった。

「そろそろ完成ね」
「や……だ……」

口もただの顔の表面に彫られた浅い穴となり、その瞳を残して、少年は完全に豊満美少女フィギュアとなってしまったのだった。少女は、変化が終わり、路上に倒れたまま動かなくなったフィギュアを拾い、まじまじと見つめる。

「ふふん、私のコレクションが、また一つ増えたわね。それにしても、人間から作る人形って最高!私みたいなつくりものじゃ、勝てないわ」

しかし、柔らかいゴムでできた胸をプニプニと触ると、多少不満そうになった。

「もうちょっと大きくしておけばよかった?まあいいわ、あとで付け足してあげれば。さぁて、どんなお服を着せてあげようかしら?」

少女はニコッと笑うと、フィギュアもろとも消え去った。

同化 前編

少年の目の前に、ケーキが置かれている。イチゴの乗った、1ピースのショートケーキだ。普通のケーキに見えるが、その場所が問題だった。

ケーキは、住宅街の道路のど真ん中に不自然に置かれた、一本足の机の上に置かれているのだ。

「おいしそ~」

普通の大人なら、不信がって、それを食べようとは微塵も思わないのだが、小学生低学年の彼は違った。ケーキに近づくと、誰も見ていないのを確認して、ケーキの脇に置いてあったフォークで、半分くらい一気に口に突っ込んだのだ。

「ん、んっ!?」

しかし、舌に伝わってきたのは、少しのにがみと、包み込んでくるようなゲル状の物体の感覚だけ。そして本来するはずの味が全くしないケーキは、生きているかのように、のどの奥に滑り込んでいってしまった。

「や、やだっ……」

物体は、食道をむりやり下に向かう。そして、胃にたどり着くと胃壁から少年の身体に侵入し、全身にじわじわと広がっていく。

「か、体が熱いよぉ……」
「まんまと引っかかったわね、あなた」

いきなり、少年と同年代の少女の声がして振り向くと、ケーキと机があったところに、フリフリのついた、人形のような子が立っている。金髪で、金色の瞳のその子は、状況が状況でなければ一目惚れしてしまうような可愛らしい笑顔をたたえていた。

「誰?僕のこと、知ってるの?」

少年が尋ねると、少女は笑顔を崩さないまま、ソプラノの声で答えた。

「いいえ、今初めてあったばかり。それにしても……」

少女は、少年の体つきを頭から足まで吟味するように見た。

「いい素体ね。男性器もあまり成長してないようだし……」
「だんせいき?」

キョトンとする少年に、やれやれといった感じで肩をすくめる少女。

「それの、ことよ」
「う、ぐっ……!」

股間に痛みを感じた少年が、手で痛みの元を抑えようとすると、まだ剥けてもいないそれが、バナナのサイズまで膨れ上がり、短パンの上からはみ出して赤黒く脈動した。

「ふっ、くぅ……!」

慣れない感覚に、その場で崩れ落ちてしまう少年。少女はなおも輝くような笑顔で言う。

「あら?少しやり過ぎちゃった?ごめんごめん」

その言葉と共に、今の現象が幻だったかのように元の大きさに戻るソレ。

「なんで……おおきく……」
「あなたが食べたケーキ。あれは、私の一部なの。食べられることで食べた人間と一体化し、その体型をある程度操れるのよ」
「……?」

少年はイマイチ少女の言葉の意味がわからないようだが、少女は構わず続けた。

「でもね、それには条件があって、宿主、いまはあなたのことだけどね、その人間が意識したり言葉にした部分だけしか変えられないのよ。さっきだったら、あなたが男性器って言ったから私はその大きさを変えられたわけ。分かった?」

頭がパンクしたようなポカンとした少年の表情をみて、少女はうなずく。

「ま、わかんないよね。いいわ、これから分からせてあげるから」

少年は、少女から突如放たれた邪悪な気配に身震いし、きびすを返して逃げ出そうとした。しかし、少女はそれが行動に移される前に気づいた。

「あら?私から逃げられると思ってるの?」

少年はその言葉と同時に逃亡を始めようとした。が、彼の足が、体が、急に重くなり、その場から動けなくなった。

「うふふ、言い忘れてたけど、体を小さくするのは私が全部勝手にできるのよ」

少女の視線は少年の足に向けられている。それに従うように自分の足を見ると、信じられないほどに瘦せこけ、ピクピクと震えている。少女は、少年の足から筋肉のほとんどを奪ってしまったのだ。

「胎児にされたくなかったら私に従いなさい?あ、誰か来たわ」

少年は、遠くから拍子のいい足音が聞こえてくるのに気づいた。そちらを見ると、地元の幼なじみの女の子、といっても年下の幼稚園児で、いつも少年が兄であるかのように遊んでやっている子が、走ってきた。

「あ、お兄ちゃん!どうしたの!?」

地べたに座っている少年に気づくと、そのままのペースで駆け寄ってくる幼なじみ。少年は、逃げろ、と叫びたかったが、なぜかそれが許されないことのように感じて、何もできない。自分の足の異常さから、危険を察してもらおうとしたが、いつの間にか足は元に戻っている。少年が横を見ると、少女の姿はなく、少年がさきほど口にしたケーキと同じように、幼なじみに合わせてあつらえられたかのようなかなり低いテーブルに、コーラのような茶色のジュースがコップ一杯に注がれ、置かれていた。

「あれ?なんだろ、これ?おいしそう!お兄ちゃん、これ飲んでいいかな!」

少年は、幼なじみが少女の支配下に入ってしまうのを止めるため、首を横に振った……はずだったが、なぜかうなずいていた。

「ほんと!?じゃあ、いただきます!」

幼なじみは、ぐいっと一口、液体を飲み込んだが、目を見開いて、すぐにコップを戻した。

「ふぇ、な、なにこれ、気持ち悪いよぉ……」
「はぁい、少年よくやった!」

青ざめた顔になっている幼馴染をよそに、飲み物とテーブルは、さっきの少女に形を戻し、パチパチと拍手した。少年は罪悪感から、なにも言うことができない。気分が悪そうな顔をしながら、幼なじみは突然現れた少女に驚いた。

「お姉ちゃん、だれ?」
「私?そうね……いたずら好きのモンスターっていうところかしら?あなた、よっぽどその小さな体にコンプレックスがあるみたいね」
「こんぶ?」

まだ語彙が足りない幼稚園児に、少女は手を近づけた。少女の顔は、先ほどの笑顔のままだ。

「だから、大きくしてあげる。まずはその『おっぱい』から」
「おっぱい……?」
「うふ……」

4,5歳なのだからおっぱいと呼べるようなものは何もない。これはもちろん、幼馴染にそれを意識させるために言ったことだった。少女の手が小さな胸に達すると、幼馴染の「んぅっ!」という喘ぎに近い叫びとともに、乳首がビクンビクンッ!と左右バラバラにTシャツを突き上げた。
そして、体から何かが送り出されるように、ムギュ、ムギュと、胸が盛り上がり、小さな体に不釣り合いな乳房へと成長していく。

「わたしに、おっぱいがぁ……!重いよぉ……」

Tシャツは左右に引っ張られ、印刷してある文字が横に伸びていく。いまやリンゴ、いや、また膨らんで幼馴染の顔くらいになった「おっぱい」は、体重バランスを大幅に崩し、ついには幼馴染は地面に手をついて倒れてしまった。襟からは、膨れ上がった胸の肉が溢れ、下からは柔らかい肌色の塊がプルプル揺れるのが見える。それでも、まだ成長は止まらず、Tシャツはさらに引き伸ばされて、ところどころがビリビリ言い始めた。

少年はというと、それをじっと見つめ、鼻の下を伸ばしていた。と同時に、はずかしめられている幼馴染を助けられず不甲斐なさを感じ、複雑な感情になにもできなくなっていた。

「うーん、胸だけ大きくしすぎたかなー」

幼馴染の胸は、元々の体の半分くらいの質量になり、幼馴染の動きを封じていた。

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「ねーねー、手とか足とかも大きくしたいんでしょ」
「えっ、そんなこと」

半泣きになっている幼馴染に、またも笑顔で尋ねる少女。

「だって、動きづらそうじゃないの」
「……それは……。ふぐぅっ!」

何とか動こうとじたばたさせていた腕が、肩と一緒に、メキメキと大きくなり、パンパンになっていたTシャツをさらに引っ張る。そして、耐えきれなくなったシャツの生地にところどころで穴が開き始め、幼馴染の露出がさらに上がっていく。掌も大きく成長し、指も親指から、人差し指、中指と、子供の小さいものから大人のものへと、ピキッと音を立てて無理やり押し広げられるように大きくなっていく。

足も、骨盤がグキグキと大きくなったとおもうと、腰の方から骨が太く、長くなり、それを包んでいたスカートがビリビリと破ける。成長が足の先に達すると靴下がちぎれ、靴も爆発するように破壊されてしまった。何とか意識を保っていた幼なじみは、体勢を直して、地面に座った。

「はぁ……はぁ……」
「私好みに育ったじゃないの。髪がちょっと短めだけど」

バサァッ!と、肩にかかるほどだった髪が一気に腰まで伸びた。ついに、幼なじみは意識を失ってしまい、地面に仰向けになって倒れた。

「あらら、ちょっとやりすぎたかしら?」

服で何とかデリケートな部分が隠れている幼なじみ。ほとんどはだけている自分の頭より一回り大きい肌色の果実は、呼吸とともにゆっくり振動し、健康的に育った体は傷一つ付いていない。丸見えになったウエストはくびれ、足はムチムチとした脂肪に覆われている。少年より小さかったその体は、今は大学生くらいの身長と、それにしてもメリハリのついた、グラビアアイドルのような体型を手に入れていた。

それを見た少女は少し満足気な表情になっている。

「上出来ね。さぁ、起きなさい。私の眷属ちゃん。一緒に遊びましょ」

その言葉を聞いた幼なじみはパッと起き上がった。その黒かった瞳は、少女と同じ金色に染まり、虚ろになっている。

「はい、マスター」

感情が抜けた声で喋るその女性は、もはやそれまでの幼稚園児の面影を残していない。少女が何かつぶやくと、破れていた衣服が幼なじみにまとわり付き、一瞬光ったと思うと赤いビキニに変わった。

「これで、準備完了ね。それで、どう、少年?私の力、分かったでしょ?」
「えっ」

終始放心状態だった少年は、最初の笑顔に戻った少女に話しかけられ我に返った。金色の瞳に見つめられた少年の本能は、逃げろと叫んだ。

「(に、逃げないと……で、でも……)」
「逃げさせなんてしない。次は、あなたの番よ」
「(なにも、何も考えちゃダメだ!)」

少年の元に、大人の女性になった幼なじみが近づいてきた。