増産体制

アメリカの片田舎に、一つの街があった。大きな工場の周りに、数百人が住んでいるその街には、ある特産品がある。

それは、オレンジジュース。街の工場から生産され、その街でしか売られないそのジュースは、アメリカ全土でも随一の美味しさで知られていた。しかし、不思議なことがあった。ジュース工場には、誰も勤務していないのだ。入っていくのも、出てくるのも、ジュースを積むためのトラックだけ。違いは、入っていくときは空き瓶だけが積まれたトラックが、出てくるときにはジュースの瓶で満杯になっていることだ。

トラックの運転席はよろい戸で中が見えず、そこに入るための扉すらない。商店の店主たちは、店の前に止まったトラックの中に代金を置いて自分の分のジュースを降ろし、トラックが出ていくのをただ見送るだけ。工場の従業員を見たものは、誰もいなかった。

夏の日に、それは起こった。

「ママー!ジュース一本飲むわよー!」

ブロンドヘアーの少女が、冷蔵庫にいっぱい入っているジュースの瓶から、一本を選んで取り出した。水よりも安いジュースは、住民の水分補給の基本手段だ。一つの家に数十本のジュースが保管されているのは、当然のことだった。

自分の部屋にジュースを持ち帰り、ゲームをしながらジュースを開けようとするその少女の名前はジェシー。高校生になり、次の秋からは隣町の高校に通うことになっていた。オレンジジュースで育った彼女の体は、出るところは出て、引っ込むところは引っ込んでいるメリハリのあるものだ。

「ん、ちょっと開けづらいわね……あれ?フタが金色だ」

ジュースの瓶は、普通は銀色のフタで栓をされている。それが、この一本だけは金色だった。これまでに飲んできた数百本のうち一本でも、金色のフタで閉められたジュースなど見たことがなかった。

「もしかして、これはとっても美味しいジュースなのかも!えいっ!」

親指でフタをグイッと押すと、フタは勢いよく飛んで行った。

「うわ、本当に美味しいわ!私ったらラッキーね!」

そのあまりの美味しさに、ジェシーは瓶一本分を一気に飲み干してしまった。他にも無いかと、冷蔵庫を開け放って、金色のフタを探す。だが、一本も金色のものはなかった。

「ほしい、ほしい、あのジュースがほしい……」

家から飛び出して、街中の店を探す。それでも、同じ金色のフタは見つけられない。

「な、なんで……?あ、そうだ、工場に行けばあるかも……」

もはやジェシーの体が、金色のフタのジュースを求めているようだった。足が勝手に動き、いつの間にか、固く閉ざされた工場の門の前まで来ていた。

「どうにかして工場に入る方法はないかしら?あれ?」

壁に大きな穴が空いている。車が突っ込んだあとのように、壁がボロボロになっていたのだ。ジェシーは、躊躇することなくその穴から工場の敷地に入り、目についた建物の扉を開けて中に入った。

「すごいオレンジジュースの匂い……」

中は狭い廊下になっていた。明かりが少ないため薄暗く、生産設備の音がゴウン、ゴウンと低く、周期的に響いている。ただ、人の姿はどこにも見られない。ジェシーを監視するようなカメラもない。あるのは無数の扉だけだ。

「どこにいけばジュースが……あれかな?」

一つの扉が、少しだけ開いていた。中から光が漏れている。ジェシーが扉を開けて中に入ると、2階の高さまで吹き抜けとなっている大きな部屋だった。壁や天井は真っ平らの鉄板でできていて、床は排水溝で囲われている。そして、その中央に、小さな机と、ジェシーがここに入ってきた理由である、金色のフタのジュースが置いてあった。

「やっぱりあった!私の勘、冴えてるわ!」

ジェシーはジュースに飛びつき、迷うことなくフタを開けて、中身を飲み干した。

「くーっ、全身に染み渡る!ん?」

ついさっき体験したような無上の快感とともに、違和感があった。ジュースが、本当に全身に染み渡っていくような、体が侵食されていくような感覚。そして、それとともにグジュグジュと液体の音が手足から聞こえてくる。

「ちょ、ちょっと、何よ、これ!」

そして、全身が絞られるような感覚と、何かが胸に集まる感覚。下を見ると、もともと大きく膨らんでいるジェシーのバストが、さらに成長していた。

「ひっ、に、逃げなきゃ……足が動かない!?」

絞られた足がペラペラの皮だけのような状態になり、力を入れても動かない。気づくと、手も、お腹もペラペラになり、ジェシーは床に倒れて動けなくなった。逆に胸は特大サイズに膨れ上がり、床の上でタプンタプンと揺れた。体の中身すべてが、胸に集められたかのようだった。

「あ、胸、なにか、でるぅっ」

その胸の先端から液体が出てくる。それは、オレンジ色の甘い液体、まさにオレンジジュースだった。液体の勢いは段々と増し、床がオレンジジュースまみれになった。そしてそのジュースの分、胸は縮んでいき、最後にはジェシーは空気の抜けた風船人形として床に横たわった。

「……!」

喋ることすらできず、ただ涙を流すだけだったジェシーの下半身を、何かが持ち上げた。その股間に、ゴム製の管が刺されると、何かの液体が流し込まれ始めた。

すると、ジェシーの体に厚みが戻り始める。ある程度戻ると、やっとのことで立ち上がり、声を発することができた。

「死んじゃうかと思ったわ……体も元に戻ってきたし、これを外して……」

股に刺さりっぱなしの管を引っ張りぬこうとする。だがそれは外れず、液体は流し込まれ続ける。

「え、えっ、ちょっと待ってよ!」

力いっぱいやっても、無駄だった。その間にも、液体はどんどんジェシーの体積を増やしていく。腹はフルフルと揺れながら、アドバルーンのように膨らみ、手足も中身を詰められるソーセージのように、パンパンに膨れ上がっていく。重くなりすぎた体を支えられず、ジェシーはまた動けなくなった。尻もムギュギュギュと大きくなり、ジェシーの頭の数十倍の体積まで成長していく。服はビリビリに破け、ほとんど裸同然となっていた。

「私が、なんで、こんなこと……」

腹の大きさが高い天井に届くほどに大きくなると、その天井がガコンと音をたてて下に動き出した。

「えっ!?」

容赦なく液体はジェシーを膨張させていたが、部屋の方はジェシーを潰しにかかっていた。ジュースを絞り出される果実のように。

「や、やだっ!ふがぁっ!」

部屋を埋め尽くすほどのおなかが潰されると同時に、胸がブクゥッと膨らんだ。腹部に入り切らなくなった何かが、乳房へ、その乳腺へと溜め込まれていく。そして、ジェシーの胸は残った空間を埋め尽くしていく。

「お、おっぱいが、でちゃうぅっ!」

そして、部屋がジェシーの体でいっぱいになったところで、胸の先端からブシュゥッ!!とオレンジジュースが飛び出してきた。天井の降りる速度が速くなり、その勢いが増していく。

「あああああっ!!潰される!絞られちゃうぅぅっ!!」

部屋はオレンジジュースの海となり、その一部はジェシーの口にも入ってきた。ジェシーは自分の体から出るジュースが、あの金色のフタのジュースと同じであることに気づいた。

「私のジュース、おいしい、おいしいぃぃっ!」

ごくごくと飲み始めるジェシーは、そのまま完全に潰されるまで自分のジュースに酔いしれた。

液体が止まり、部屋がもとの高さまで戻ると、部屋一面に、平面化し、伸び切ったジェシーだけが残った。

時間が立って、ジェシーの目が覚めると、彼女は元のサイズまで戻っていた。その股間に、またもや液体が流し込まれ始めるが、今度は喋れるほどに膨らみ直したところで、液体は止められた。

「もしかして、私、出してもらえるの……?」
「いや、それは無理ですね」
「ひっ!?」

そこには、外套を着た、初老の男性が立っていた。整えられたオレンジ色の髪と金色の瞳は、その男性が人ではないことを匂わせていた。

「だ、誰よアンタ!」
「おっと、これは失敬。私はこの工場を管理しているものです。名前はありません。工場長とでもお呼びを……」
「こ、工場長?名前がない?」

男性は深くお辞儀して、続けた。

「とにかく、ジェシー様はこの工場の増産計画に欠かせない存在なのです。試しに絞らせてもらいましたが、最高品質のジュースが出ますね。素晴らしい」
「す、すばらしいって……!んぁっ!」

また、ジェシーの胸が膨らんで、逆に全身がしぼみ始めた。

「そう、ジェシー様の体は、ジュース製造器となったのです。水を与えると、全身からオレンジの果汁が出て、胸で味付けをできるものですよ」

乳首から、オレンジジュースがしたたり始める。

「じょ、冗談じゃない……ん!」

今度は、股間に液体……水が供給され、全身へと分配されて、しぼみかけていたジェシーは元に戻った。

「さすがは我が工場のジュースを飲み続けて成長されただけはある。体がその味を覚えているのですよ。それに、その体はもう元には戻せない。工場に不法侵入した罰としても、ジュースの増産に尽力ください」
「ま、まって」

段々とムチムチとした体つきになり始めていたジェシーは、部屋から出ていこうとした工場長を引き止めた。

「ジュースの原料って、私のような人間なの……?」
「いいえ、これは工場の従業員から絞り出したものですよ。我々は、人間では到底想像が及ばない生物なのです」

段々と水の流量が増え、パンパンに膨らんだお腹に立ち上がれなくなったジェシーをみて、ふふっと笑う工場長。

「我々の食料は、人間の出す体液すべてと、それが蒸発したもの。ジュースは、人間をおびき寄せるための餌です。では、これで」
「え、な、置いてかないでよーっ!!」

少女は、力なく膨らんでいく。その悲鳴は工場の外へと漏れることはなかった。その街は発展を続け、大都市となり、ジュースは今だに名産品として売り続けられているという。

種族チェンジャー~序章~

『種族チェンジャー』なるアプリが僕のタブレットに現れたのは、ある日曜のことだった。動画アプリを開こうと、電源をつけた時、ゴシック体ででかでかと「異」の一文字だけが書かれたアイコンが、唐突に現れたのだ。

「なんだよこれ……」

ウィルスや迷惑アプリだと困る。すぐに削除しようとしたが、どうやってもアンインストール方法が見つからなかった。ネットで調べても、このアプリの情報は一切出てこない。興味本位で、アプリを開いてみることにした。

すると、またもデザイン性のかけらもない画面が出てきた。いろいろな選択項目と、ボタンの山。ただ、アプリの『種族チェンジャー』という名前の通り、種族を選択するところと、「変更」というボタンがある。その上には、「名前」の欄と「年齢」、「性別」の欄があった。ただ、どれもグレーアウト、つまり選択も入力もできない状態だった。

「……どういうことなんだ……」

更に良くみると、「対象を選ぶには、カメラで対象を捉えてください。写真は撮らなくても結構です」と小さく注意書きがあり、その下に「カメラ」のボタンがあった。ボタンを押して、カメラへのアクセスを許可すると、いつもどおりのカメラ画面が出てくる。試しに、自分を映してみることにした。

「おっ、本当に僕の情報がでてきた」

ピコンと音がして、画面はメニューに戻り、僕の名前、「野田 茂雄(のだ しげお)」と、年齢と、性別が出てきた。種族ももちろん「人間」と情報が出てきた。

「ん、全部選択できるようになった」

グレーアウトしていた選択欄が、操作できる。名前は何でも入れられる。年齢は、1から100を選べる。種族は「エルフ」「獣人(猫)」「ドワーフ」とか、ファンタジーに出てくる種族ばかりだ。どうやら、人型以外の種族はないらしい。

「性別は、と、あれ?」

アプリの設計ミスなのか、性別は「女性」しか選べないようだ。それに、他の欄を操作すると、強制的に選択が「女性」になる。最後に、アプリを閉じたり、「リセット」ボタンを押すと、情報がもとに戻る。

「こうなるとなにか試したくなるな……」

無論、僕自身の体ではない。本当に種族が変わったら、大変なことだ。それに、種族を変えるイコール僕が女になるということらしいから、ますます自分で試してはダメだ。

「うーん、何か試しやすい相手は……」

その時、窓の外を母と娘の親子連れが通った。とっさに、小学生くらいの娘の方をカメラで捉える。そして、「種族」を「エルフ」にして、「変更」ボタンを押した。

「しまった、勢いでやっちゃった……」

女の子が立ち止まり、母親はそれに気づいて声をかけている。窓の外なのであまり音は聞こえてこない。だが、女の子がだんだん小さくなっていくのが分かった。母親は腰を抜かして床に倒れ込んでしまった。その間にも、女の子は服の中に埋もれていった。

「どういうことなんだ……まさか」

年齢の欄を見ると、「8歳」となっていた。小学生の年齢としては妥当……だが、種族をエルフに変えたからか、年齢は0から500歳まで選べるようになっている。長寿の種族らしいエルフにとって、「8歳」は赤ん坊にほかならない。

僕は、年齢を「40歳」にあげて、もう一回変更ボタンを押した。すると、ブカブカになった服の中から、光り輝くような金髪の女の子が出てきた。すくすくと大きくなり、幼児体型だが、身長は前よりも高くなった、くらいのところで成長が止まった。

おどおどする「40歳」の娘を前に、30歳くらいであろう母親は気絶してしまっていた。僕は「リセット」ボタンで女の子を元に戻そうとした。

「あれ?」リセットボタンは、操作できなくなっていた。ただ、その他の選択項目は操作できる。僕は手動で、種族を「人間」に、年齢を「8歳」に設定して、「変更」ボタンを押した。女の子の髪は元の日本人らしい黒に、身長ももとに戻った。数分すれば意識を取り戻すだろう母親が、記憶を失っていることを願いつつ、カーテンを閉めた。

どうやら、このアプリは本物らしい。

とある世界~化学~

人の体が急成長するとか、巨大化するとか、そういうことは普通起こりえない。人間の体も化学物質でできている。細胞の分裂だってたくさんの複雑な化学反応の結果であって、37兆個の細胞を、綺麗な人体の形を、いや、生物の機能を保ったまま分裂させることは不可能だ。

そこで、この手の性癖では、最初に物理法則を否定しなければいけない。『こんなことはあり得ない』とか、『現実だったらこんなことにならない』とか、そういうツッコミは無粋なわけだ。

といっても、あまりにも現実味がないのも面白くない。そんなわけで、『どうして変身するのか』という理由は、それなりに重要になってくる。

まずは化学的な理由から行こう。ここからは、キーボードで作った世界の話だ。

ここは薄暗い地下室。真ん中に金属製の作業台のような机が置かれている。重そうな扉が開くと、大男が入ってきた。腕には、身寄りがないのだろう、ボロボロの服を着た痩せた小さな女の子が抱えられている。その後ろからは、意地悪そうな顔をした小男が続いてきた。
大男は、乱暴に女の子をおろした。

「何するんだよっ!いきなりこんな地下室に……」
「うるせえ!つべこべ言うと犬の餌にしてやるぞ!」

大男に女の子が気圧されている間に、小男は液体の薬が入った瓶を、いくつか机の上に並べた。
「旦那、準備ができましたぜ」

大男は、女の子を天井から吊るされた鎖につなぎ、逃げられないようにした。

「はなせ!はなせよ!」
「黙れ!うまく行けばお前はこれから俺たちの商品になるんだよ!サダル、さっさと薬をよこせ!」
「言われなくても、ほれ、ニデルの旦那」

サダルと呼ばれた小男は、大男、ニデルに赤い薬の瓶を渡した。
「なんだよそれ!」
「いいから、飲め!」

ニデルは女の子の鼻をつまむと、薬の瓶の口を、女の子の口に突っ込んで中身を流し入れた。
「よし、飲んだな」
「間違いがなければ、成長ホルモンが分泌され、体の成長が起こるはず!」
「な、なに言って……体が、熱いっ」

少女の体全体が、ゴキゴキ、グキグキと音を立てる。そして、皮膚が波が立ったように変形する。そして、サダルの言ったとおり、少女の手足はゆっくりと伸び始めた。
「おおっ!最初の実験は成功だ!」

短くなった服の下から、グッ、グッと足が飛び出し、色白な肌が露出される。20cmくらい身長が伸びたところで、薬の効果は終わる。

「サダル、お前と同じくらいの背まで成長したが……物足りねえなぁ」少女の体は、全体的にスラッと伸びたものの、痩せ気味なのは変わらなかった。胸の膨らみなどは少ししかない。

「心配なさらず。この薬を飲ませてみてくだせえ」
「おう」ニデルは、サダルから受け取った緑の薬を、少女に無理やり飲ませる。

「これは女性ホルモンの分泌を促す薬。つまり……」
「む、胸が痛いぃっ……!!」もがき苦しむ少女の胸が、風船に空気をいれるように、むく、むく、と膨らんだ。むき出しになった足も、ムギュッ、ムギュッと太くなる。
「ホルモンを受け取った乳腺や、皮下脂肪が発達して、女の体らしくなる……んですが……うむ、効果が薄い……」

まだ、学生のそれにも及ばないような痩せ型の少女。

「経口摂取ではだめか……ならば血管に直接……」サダルは、注射器を取り出して緑の薬を中に入れた。そして少女の腕を取ると、一気に注射した。

「やだぁぁっ!!!」途端に、少女の体が痙攣し始める。そして、今度は先程よりも確実に大きく、どくどくと脈を打つように、乳房が成長をしていく。一回り、また一回りと大きくなるそれは、服を引っ張り、元々あった裂け目から引き裂いていく。足の方もムチ、ムチと震えながら太さを増す。少し見えていたあばらも、皮下脂肪に覆われて見えづらくなっていく。

「おお、これは上物だぜ」ニデルが、ふるふると揺れる豊かな膨らみを揉む。柔らかい感触の奥に、心臓の鼓動がドクンドクンと伝わってくる。大男のニデルでも、両手で覆えなくなるほどの大きさになって、成長はやっと止んだ。
「この身長にしては少し、でかすぎるかもしれねえが……これはこれでいいものになりそうだな。どれ、最初に俺が使ってみるか……」
「すまねえ、旦那。副作用で、この薬を飲んだあと一時間は、ヤッた相手が女になるんだよ。ほら、新しい給仕の女がいただろ、あれがそうだ」
「なんだと、仕方ねえな……しかし、お前もすげえもの作るなぁ、この胸だけで連れ込んできたときのこいつの全身より重い感じがするぜ」

「へへ、ま、あとで楽しんでくだせえ。俺は片付けをしてくる」サデルは、部屋を出ていった。

「ご、ご主人様……そろそろ下ろしてください……」
「お、おう、そうだな……」口調が変わり、従順になった少女を見て、ニデルは鎖を解いた。「性格まで変わるたあ、とんでもねえな」

「ふふ、ニデルさま……」少女は降ろされると、ニデルにすり寄った。「私と遊びませんか……?」
「へへ、いいぜ……少しだけなら副作用とやらも大丈夫だよな」

ニデルは、少女を床に寝かせ、その上に覆いかぶさった。
「じゃあ、いくぞ……」
「ニデル……さま……」

だが、その行為に達した瞬間、少女の体がまたグキグキと言い始めた。
「まだ大きくなるのかよ……お、おい……うそだろ……」
ニデルの体も、同じように音を立て始めたのだった。そして、少女の体がさらに大きくなり始めたと同時に、ニデルの体は小さくなり始めた。

「あっははは、かかったな、マヌケ野郎!セーエキに触れると、また大きくなるとは思ってなかったけどな!」
「や、やめろぉっ!」

サデルが言っていた通り、ニデルは女になっていた。少女の身長はさらに伸び、胸も尻もググッと膨らむ。まるで、少女がニデルから力を吸い取るように、少女とニデルの力関係は逆転していった。

「この体があれば、この街、いや国一番の娼婦になれる……」
「なに、言って……」
「ニデル、だったよな……いや、だったかしら……?あなたは私の子分よ」

ニデルはもはや、多少胸が大きいくらいの若い女になっていた。少女は、緑の薬を注射器に入れると、ニヤッと笑って扉の前に行った。

「あのサデルとかいうのも、私の子分……それも、特大サイズの子にしてあげる……」

「おーい、戻ったぞ……」
扉が開いた瞬間、サデルの右腕に薬が注射された。

「うぎゃあああああ!!!」
夜の街に、男の叫び声が響いた。

……とばかりに、化学薬品を使うと、大体はホルモンとか、人体の仕組みを使うことになる。まあ、そんな説明抜きに薬を使ったから成長した、だけでもいいのだが。
成長や、変化が起こるタイミングは、薬を飲んだ直後として、分かりやすくなっていることもあれば、遅効性で、『今更になって、なんで……?』という風に、薬を飲むタイミングと無関係にもできる。
変身させたあとでもう一回飲ませることで、同じような効果がもう一回起きることを期待できたりもする。あと、『副作用』という言葉で何が起こるか予測不能にすることも、また可能だ。

とある世界~タイムスケール~

とあるキーボードがある。このキーボードは、打った文字を、専用の空間に具現化する機能がある。例えば、「雨が上がり、晴れになった」と打てば、本当に雨が上がって、晴天となる。
本当に何でもありだ。空間を限れば、宇宙や、神を作ることもできれば、消すこともできる。どこかの筆や、ペンにも同じ機能を持つものがあるらしいし、こんなキーボードも星の数ほどある。

まあ、難しい話はやめにして、私はこのキーボードで好きなことをできるわけだ。ならば、現実にありえない、私の性癖に従ったものもいくらでも作れる。
私の性癖は、動物、とくに人間の女性の質量が増える過程を楽しむことだ。例えば、胸を文字通り膨らませてみたり、人体の成長を急速に進めて子供を大人にしたり。人間のスケールを超えた大きさにしてみたり。

まず、私の空間に小さい子を作り上げてみよう。キーボードに、「女の子がいる」と打つと、女の子が出現した。この子はこの空間だけに存在して、現実世界にはいない。ただ、科学的な構造は本物の人間と全く一緒だ。

とりあえず、この子を大人にしてみる。私の一番興味のないパターンから。それは、『いつの間にか大人になっていた』パターンだ。漫画で言えば、『子供の頃の幼馴染に久しぶりに会ってみたら、スタイルが想像もしないほどいい女性になっていた』パターン。

「いつの間にか急成長していた」とキーボードに打つと、瞬き一回しただけで、女の子は面影を残した大人になる。これだと、単に人を入れ替えるだけで済ませてしまえる。女の子が、成長前と同一人物であるという感覚はあまりないし、変身過程はまったくないから私の心には全く響かない。このあとに本番シーンがあったとしても、元々子供であったという事実はいらない。『寝て起きたら成長していた』、『魔法をかけたらポンッと成長した』も、これに近い。

本番シーンを売りにしている商業漫画のほとんどはこのパターンだから、私はあまり商業誌に興味が無いわけだ。

キーボードで女の子を元に戻す。つぎのパターンは、『数秒で全身が成長する』パターン。体の一箇所か、全体にしか集中できないものだ。文章で書けば、「女の子はぐんぐん大きくなって、あっという間に大人になった」というところか。
漫画では数コマで済まされるが、変身過程があるだけ私のストライクゾーンに入ってくる。ただ、文字作品ではもう少し欲しいというところ。

次は、『数十秒で成長する』パターン。成長中に、色んな所に集中できる。文字に起こす一例としては、「胸が大きくなり、戸惑う女の子。だが、その他の部分も同じように大きく、長くなっていく。指は一本一本が長く、細く伸びていき、足はスラッと伸びると薄っすらと肉が乗ってくる。髪も腰まで伸びるとふわりと揺れた。母親と同じくらいの大きさになったところで、成長は終わった」。まあ、味気ないがタイムスケールとしてはこれくらいだ。
書きやすいし、理解しやすい。一番私が好きなパターンでもある。

『数分で成長する』ところまでくると、時間が長くなり表現が難しい。ある程度途中の経過をスキップするか、段階的な成長にする必要がある。ただスキップしすぎると、タイムスケールに現実感がなくなる。ただ、ありえないスピードで成長していることは変わらないから、うまく表現できれば楽しめることにも変わりはない。

『数時間で成長する』ものは、ほぼ段階的な成長の表現のものになる。どこかのアニメ作品で、数時間かけて体が肥大化する女の子がいたが、途中の経過はやはり省かれている。表現試してみたいものではあるが。

まあ、今日は前座だ。明日からは具体的な変身過程で私の性癖を語るとしよう。

副作用2 (3/3)

数日後の夜、一台のパトカーがパトロールを行っていた。

「この道路にしては珍しく車がいませんね」
「そうだな……」

街の大通りには、パトカー以外、人っ子一人いない。24時間営業の店にすら客も、店員でさえもいないように思えた。

「不気味だなぁ……」

巡査二人、一人は男性で年上の三鷹、もう一人は女性の中野で、三鷹が運転をしていた。

「なんだか、俺たちがこの道路にいちゃいけないように思えてきた……」
「そ、そうですね……」

三鷹は、住宅街の中へとハンドルを切り、大通りから外れた。やはりそこにも誰一人として歩いていなかったのだが、数百メートル走ったところで突如として一人の上半身裸の少年が現れた。

「うおっと……びっくりした……」
「私もです……とにかく補導しないと……」
「そうだな、こんな夜に暗い道をあんな姿で一人で歩くなんて……このごろ失踪事件が多いんだから」

小学生らしきその少年の手前で、パトカーを停める。中野は、気に留めずに歩き続ける少年に声をかけた。

「きみ、大丈夫?一人でこんなところ歩いてちゃダメでしょ?なんで服を着てないの?」

それでも止まろうとしない少年。中野はその肩を持ち、引き止める。

「ちょっと、聞いてるの?」
「だ……め……一人に……して……」

たどたどしく、少年は言葉を紡いだ。もう、説得するだけではどうしようもないと考えた中野は、その体を抱き上げ、パトカーの後部座席に無理やり押し込んだ。

「こら、そんな乱暴にしちゃだめだろ……」
「いいんです、ほら、交番に行きましょう」

三鷹はため息を付き、サイドブレーキを緩めてアクセルを踏もうとした。その時だった。

「だめって、言ったわよねぇ……?」
「え?」

不意に、水商売のような口調の言葉が、しかし少年の声で発せられた。

「まぁ、また大きくなれるから、私はいいんだけど?」

三鷹は恐る恐る後ろを向いた。そこには、少年の泣き顔があった。その顔が、ゆっくりと持ち上がっていく。よく見ると、体が徐々に大きくなり、胸には乳房のような膨らみが付き始めていた。三鷹はぎょっとして、プルプル揺れながら膨らんでいく2つの膨らみを凝視した。

「男の子だと思った?残念……」

大粒の涙が出ているのに、その口からは余裕たっぷりの声が出てくる。まるで、口とそれ以外の体全体が違う人物のようだった。

「なんだ……おまえは……」

短めに切ってある髪が、一気に伸びていく。と同時に、胸の膨らみ方が速くなり、少年はそれを手で抑えようとする。

「こんなに大きなおっぱい、見たことないでしょ……?」

表情からは、『大きくならないで!』という叫びが伝わってきそうだが、その真逆の発言をしている。三鷹は、ただの子供だと思っていた子の急激な成長と、そのギャップに頭がおかしくなりそうだった。

「あら、ごめんなさいねぇ?この器の感情が、体の動きに出てるみたいね……?そろそろそれもなくなるわ」

三鷹の困惑に答えるその声とともに、髪と瞳が赤に染まっていく。表情が一瞬うつろになったと思うと、今度は歪んだ笑顔に変わった。これまでの発言とマッチするような、悪女の笑顔に。

「ふぅ、これで変身も済んだことだし……ねぇ、あなた?」
「ひぃっ!?」

放心状態になっていた中野に、少年……だった、女性が振り向いた。すっかり腰が抜けた中野は、悲鳴を上げた。

「あなたもみんなと同じにしてあげる……」
「い、いやぁっ……!」


時は戻って、少年が運び込まれた駅の事務室。体を完全に乗っ取られ、髪も瞳も紅に染まった少年は、ニヤァと口を歪ませ、女性駅員の方を向いた。

「もう遅かったわね……あなたの情報通り、薬を飲みすぎた奴は、4回目の変身で、私が表に出てくるのよ」
「あなた……」
「私は、人間界ではサキュバス……夢魔と呼ばれる悪魔よ。名前は……カトラスタ、でいいかしら」

明らかに本名を名乗っていないその『サキュバス』は、駅員を舌なめずりしながら見つめた。その動かない、赤い瞳に、駅員の心は揺れた。

「ふふ、いい顔ね……そこでかわいく見てなさい」

カトラスタは、呆気にとられている男性職員に近づいた。

「現実世界で見る男も、いいものね……私は、夢の中の悪魔。夢の中でしか男を見たことないもの」
「な、なにいって……悪魔、なんて……いるはずが……」
「あら、この子から変身したのを見てもそう言えるの?」
「う、うぅ……」

悪魔の正論に、駅員は口を閉じてしまう。

「あの薬は、私が薬剤師を誘惑して作らせた私の一部が入った薬。10錠でも飲めば体の中に『私』が溜まって、そのまま乗っ取っちゃう薬なのよ。それをこの子は……」

大きく実った乳房を吟味するように、揉みしだく。

「あぁっ……いい感じ……さて、と……ねぇ、この体、堪能してみたい……?」

ゴクリとつばを飲み込む駅員。眼の前の女性が悪魔と知らなければ、迷わず自分から近づいていっただろう。そして、知った今でも、無意識に手が伸びてしまっていた。

「でも、残念。私にはそんなことする意味がないわ。あいにく、今は急いでるしね?そのかわり……」

カトラスタは、男性駅員の腕をぎゅっと握った。

「すぐにあなたのパワーを吸い出してあげる」

ニコッと微笑むと、赤い瞳が強く光りだし、同時に男性駅員の体が干からびはじめた。

「な、やめ……ろ……」
「あぁん、あなたのパワーって思ったよりすごいのね……?」

逆に、カトラスタの体はムチムチと大きくなっていき、胸も尻も腿も、さらに肉感を増していく。腕を通じて、駅員の『パワー』を吸い上げているのだった。

「に……げ……、」

男性駅員は最後の力を振り絞って、女性駅員に逃げるよう促そうとしたが、無駄だ。彼女はカトラスタに幻惑を受け動けなくなっていたのだ。

「ごちそうさま、と。じゃあ、次はあなたね」

骨と皮ばかりになってしまった駅員の腕を放し、女性駅員に振り返るカトラスタ。先ほどよりもサイズアップした胸の膨らみを持ち上げ、満足げな顔で近づいていく。

「あなたには、私と同じ力をあげる。その代わり、私の眷属になってもらうわよ」
「けん……、ぞく……」

カトラスタは一歩、また一歩と近づいていくが、女性駅員は、やはり動けない。

「そ、私のしもべ、奴隷ってことよ。じゃあ、いくわよ」
「ん……」

そして夢魔は、不意に口づけをした。その瞳がまた光り始める。

「ん、んっ!!?」

ようやく幻惑が解けた女性駅員だが、時すでに遅し。無理やりねじ込まれてくる舌から、カトラスタの力が流し込まれる。

「ん〜っ!!!」

最近気になり始めていた小じわが全て消え、残業で傷んでいた髪は潤いを取り戻す。肌のくすみが消えると、全体的に色白となって……

《ギチギチギチッ!!》

急に制服が悲鳴を上げ始めた。特に旨の部分は大きく押し上げられているが、彼女の体全体が大きくなっていた。

「んふふっ……」

カトラスタは、駅員の変貌を見ながら、口づけを続ける。彼女自身の体は元に戻りつつあった。といっても元の少年のものではなく、変身後の彼の体に戻っていたのだった。

変身が終わると、女性駅員の体は一回り大きくなり、それ以上に胸が巨大化していた。

「さ、この男を収容してちょうだい。場所はわかるはずよ。あと、あの『薬』も作れるようになってるはずだから、大量にばらまいてちょうだいね?」
「はい、ご主人様……」

女性駅員だったカトラスタの眷属は、男性駅員を腕に抱えると、虚空へと消え去った。

「さて、私は新しい獲物でも見つけましょうね」

カトラスタがそう言うと、彼女の体はシュルシュルと元に戻った。

「男の……人、探さ……なきゃ……」

駅員とは別の形で眷属となった少年は、ふらふらと部屋を出ていった。


「あ、悪魔め……!」

三鷹は、カトラスタと、なすすべもなくカトラスタの眷属になった中野を睨んだ。

「俺は、何をされようとも屈しないぞ!!」

ホルスターから拳銃を取り出してみせるが、すかさず銃口が眷属の手で塞がれる。

「先輩、まさか私のこと撃てるはずないですよね?」
「ざーんねんでした、あとは任せたわ、かわいい眷属ちゃん」

パトカーの扉を開け、カトラスタは暗闇の中へと消えていった。

「まてぇっ!!」

シートベルトを外そうとする手を、だが、眷属の手が抑えた。

「せんぱぁい、いいことしましょうよぉ!」
「邪魔だ、どけ!」

何とかベルトを外し、パトカーの外に飛び出す。悪魔の姿は遠くに、だが確実に見えた。

「元陸上部の俺から逃げられると思うなよ!」

そして駆け出した彼の進路は、一瞬で何かに阻まれた。

「先輩、後輩をおいてどこに行くんですかぁ?」
「……っ、中野ォッ!目を覚ませぇっ!」

それが中野だとわかると、平手打ちで正気を取り戻そうとした。

「やっとご自分から手を差し伸べてくれましたね!」
「なっ……!?」

頬を打つはずのその手は、巨大化した眷属の胸をもんでいた。一瞬の戸惑った三鷹の視界は、次の瞬間あられもない方向を向いていた。

「先輩も一緒に楽しみましょ?」

三鷹は、路面に押し倒されていたのだった。女性であるはずの中野の力に、なぜかどうしてもかなわない。

「くっ……俺にはどうすることもできないってのか……!いっそのこと、もう殺してくれ!」

中野はその言葉に……満面の笑みを浮かべた。

「はい!人間の人生は終わらせて、一緒に悪魔になりましょう!」
「んっ……!?」

中野は、三鷹に口づけをした。そして、何かを三鷹の中に流し入れた。

「ふぅっ、先輩とこんなところでキスするなんて、思っても見ませんでした!」

中野は立ち上がり、 パトカーの中からカメラを取り出した。三鷹は、流し込まれた何かが、自分の全身を食い殺していくかのような痛みを感じていた。

「せんぱぁい、体の具合はどうですか?」
「全身が……痛い……!」

それは、悪魔の力が人間の構造を破壊していく痛みだった。三鷹の骨格、筋肉、そして脳を含めた神経全てが、別のものに書き換えられていく。

《グギギッ!!》

軋むような音がすると、腰がグイッと太くなり、逆に手足や身長は縮んだ。

《グチュッ!グジュッ!》

心臓が血液を送り出すたび、筋肉が脂肪に置き換えられ、その位置を徐々に変えていき、三鷹のシルエットが女性のものになっていく。

《メキメキ……》

顔は魅惑的な女性のものに変形し、髪が伸びる。

「あはっ!先輩が眷属になってく!!」
「そんな!俺は……!」

その声も、女性のハスキーボイスに変わる。

大きくせり出した胸がボタンをぶち破り、それが女性の象徴であることを主張するようにブルンブルンと揺れた。痛みはそこで収まり、変身が終わった。

「先輩、眷属になった気分はどうですか?」

中野はパシャッと写真をとり、三鷹に再生画面を見せた。

「お、俺は……ぁ……」

三鷹は戸惑いの表情を見せたが、口を歪ませ「最高の気分ね……」と笑い始めた。

「先輩!もっと私達と遊べる人たちを増やしに行きましょ!」
「『人』って、私達は『眷属』よ、間違えちゃ、だめっ!」

二人は、少しの間笑いあったあとフッと姿を消し、そこにはライトとエンジンがついたままのパトカーだけが、帰ることのない運転手を待ち続けていた。

あぶない司令官

綾墨ふらったぁさん(pixiv.me/azflutter)のオリキャラ科奈子さんのSSを許可を得て書かせていただきました。膨乳話です。

ここは、とある艦艇。周辺海域を哨戒するために建造された、半ば基地のような大きな艦で、多数の艦娘が配備されている。

「んー、これと、文月ちゃんのアレを混ぜれば……!」

しかし、前線から遠く離れた海域に留め置かれたこの艦では、敵艦が捕捉されることすら稀だった。配備されているのも、旧型の駆逐艦である睦月型や、神風型くらいのもので、毎日安穏とした時が流れていた。

「よーし、完成ね!これでまた長月ちゃんたちにいたずらできるわ!」

司令室で多数のビーカーやフラスコに入った、怪しげな液体を見つめてニコニコしている女性。長い銀髪をポニーテールにまとめ、大きな眼鏡の奥に見える瞳は大きく紅い。スタイルは良く、ワイシャツやスカートを着込んでいるがそれでも胸や尻の膨らみは明らかに分かるほどだ。ほんわかとした雰囲気からは想像できないが、この女性、その名も科奈子(かなこ)こそが艦隊の司令官であった。

「またか、司令官。懲りないな」
「あら、長月ちゃん。いつの間に入ってきてたの?」
「ノックはしたが?」

すこしムスッとした顔をした緑の長髪の艦娘、長月は、睦月型の八番艦。黒セーラーに身を包んだその体は小柄、というより小学生くらいの子供そのものだが、この艦隊の秘書艦を務めている。

「ちゃんと司令官の勤めは果たしているんだろうな?」
「はいはい、報告はちゃんとしてるわよ。これは余った時間でやってるのよ」
「そうか、ならいいが。遠征任務、完了の報告だ。輸送艦隊は無事に佐世保の鎮守府に到着したよ」
「りょーかい。ねえねえ長月ちゃん、そんなことより、私の……」

科奈子の言葉を、長月は顔色を少しも変えずに大声で遮った。

「あー!補給の確認をしてほしいから少し一緒に来てくれ!」
「わかったわ。長月ちゃんと一緒ならどこだって……」
「さあ行くぞ!」

科奈子も、長月に発言を中断させられるのには慣れているようで、互いに深い信頼関係を築いた二人だからこそのやり取りとも言えるものだった。

「あ、ちょっとだけ待ってくれる?5分くらいかしら」
「そうか。まあ、それくらいなら問題ないぞ」
「終わったらすぐ戻るから!」

長月は少し嫌な予感がしたが、司令室で大人しく待っていた。これまで科奈子が致命的な問題を犯したことはなかったからだ。5分後、言った時間通りに科奈子は戻ってきた。

「じゃ、行きましょ」
「あぁ」

二人は、艦娘が補給を行う部屋に向かって、並んで歩いていた。科奈子の方が幾分背が高く、歩幅も大きいので長月が少し早歩きになるのがいつもの事だった。

「あの……なぁ、司令官。なぜそのフラスコを持ってきたんだ」
「フラスコ?あぁ、置いてくるの忘れちゃっただけよ」

科奈子の左手には、三角フラスコが握られていた。中には茶色の液体がたっぷり入っていた。

「フタもしてないじゃないか。落として中のモノをかぶりでもしたら……」
「大丈夫よ、人体に危険はないから」
「まあ、たしかにな。この前私に、その日の間、私の声が文月のものになるとかいうキテレツなモノを飲ませてくれたが、副作用は全く無かった」
「でしょ?あ、菊月ちゃん。久しぶりね?どうしたのその格好?」

長月と同じ長髪、だが色は銀、睦月型九番艦の菊月が、前の方からすれ違うように近づいてきていた。セーラー服がぼろぼろに破けていて、胸から上などは肌がさらけ出されていた。

「司令官……それに長月。……漁船と衝突した……」
「あら?いつもおとなしい菊月ちゃんがぶつかっちゃったの?」
「ああ、その時は少し天気が怪しくてな、菊月は雷に気を取られていたんだ」
「うぅ……すぐに着替えてくる。補給はその後」
「はーい」

菊月はスルスルと静かに更衣室の方に角を曲がって向かっていった。この時、菊月を見送る科奈子の顔が不気味なほどにこやかなのに、長月が気づいた。

「お、おい……さっき5分待てと言ったのはまさか……」
「わぉ、さすが長月ちゃんね」
「はぁ……」

長月は大きく溜め息をついた。少しの間待っていると、更衣室の方からドタドタと走ってくる音が聞こえてきた。

「お、戻ってきたか……な、何だ、あれは」
「ふふっ」

走って二人の方に駆け寄ってくる菊月のはだけた胸に、ゆっさゆっさと揺れる何かが付いている。それが菊月の乳房であることに気づくのに、少しも時間はかからなかった。

「き、菊月……」

数分前にはまっ平らに近かった菊月の胸についた、たぷんたぷんとゆれるおっぱいに目を丸くする長月。菊月は、科奈子をキッと睨んだ。

「司令官……!貴様、何か、アレに入れたな……?」
「菊月ちゃんも、女の子ね。甘いものに目がないんだから」
「くっ……遠征疲れのせいだ」
「まあ、そうね。それに杏仁豆腐なんてこの艦じゃ珍しい物だし、あんな所にあったら私でも食べちゃいそうだわ」

長月は、少し面食らっていたが、大体のことが飲み込めたようだ。

「……つまり、司令官は更衣室にあの薬品を混ぜた杏仁豆腐を置いておいたと。それで、菊月は誘惑に勝てずにそれを口にしたわけだな?」
「そうだ……そうしたらこんなことに」
「まあまあ、二時間すれば元に戻るから、その間は休んできたらどう?」

菊月は、元に戻るという言葉を聞いて、少しほっとしたようだ。

「……不本意だが」

そして、すごすごと浴場へと向かっていった。それを見送った科奈子と長月は、他の艦娘が待つ補給部屋へと足を進めた。

「ほんと、あの手のいたずらが好きだな、司令官は」
「だって、みんな食べちゃいたいくらいかわいいんだもの」
「ま、なんでもいいさ。だが、そのフラスコの中身だけは落とすな……うわぁっ!」
「きゃっ!」

突然、艦が大きく揺れ、二人はバランスを崩してその場で倒れてしまった。

「いったたた……。大波か……司令官、大丈夫か?」
「あー、怪我はないけどね、お薬が……」

科奈子が持っていたフラスコが、床に転がっていた。そしてその中身は……

「私にかかっちゃった」
「はぁ……こうなる予感はしてなかったわけでもないが」

科奈子のワイシャツはびっしょりと濡れている。

「だが、口から入れなければ効果はないんだろう?」
「そう思うでしょ?実はちょっと皮膚に付くだけでもいいのよ……だから……」

科奈子が自分の胸の膨らみを「ほら」という感じに見ると、それは、ギュッと一回り大きくなった。

「おっぱいが熱くなってきちゃった……こんな発熱作用、ないはずなんだけど」
「おいおい……」

さらにギュッギュッと大きくなる胸は、次第にワイシャツの中を満たした。下着のホックがビチッと壊れる音がすると、シャツの縫い目がプツプツとほつれていく。

「んんっ……ちょっと、強く作りすぎちゃった、かしらっ!」

見る見るうちに、ワイシャツのボタンの合間から肌色の塊が溢れだし、ボタンが左右に引っ張られていく。長月はこの状況を何もすることもできず、というか何かしようともせず、蔑むような視線を向けるだけだった。

「んあっ!」

ついに、ブチブチィッ!とシャツのボタンが吹き飛ばされ、バインッ!と科奈子の肥大化した乳房が飛び出した。

「重たっ!でも、もっと大きくなっちゃうっ」
「ふっ、自業自得だな」

ムクムクーッと膨れていく二つの柔球は、もはや科奈子の頭と同じくらいになっていたが、その膨張の勢いは止まるところを知らないようだった。

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「もったいないわ、長月ちゃんたちにいっぱいいたずらできたのに……」
「私はそんないたずらはお断りだ」

自分の胸の重みで、立ち上がることすら難しそうな科奈子を、腕を組んで見下ろす長月。だが、科奈子がニコッと長月に笑みを見せると、ビクッとたじろいだ。

「な、何だ……」
「長月ちゃん、あなたの靴下、ちょっと濡れてると思わない?」
「それがどうした……あっ」

長月が自分も薬品をかぶったという事実に気づくと同時に、その小さな胸が、グググ……と大きくなり始めた。膨らみかけだったそれは、ぐんぐんと脂肪を蓄え、服の中でフルンフルンと震えながら成長していく。

「ちょ、ちょっと司令官……!私の胸、おっきくっ……!」
「いたずら大成功ね!」

もはや赤ん坊が入っていてもおかしくないような大きさの乳房にのっかかりながら、科奈子はガッツポーズを決めた。

「ふ、ふざけるんじゃないぞぉっ!!」

艦全体に、セーラー服の中がおっぱいで一杯になった、長月の怒声が響き渡った。

一方その頃、補給部屋では睦月、如月、皐月、三日月の4人が机に座って、補給を待っていた。

「長月ちゃんも菊月ちゃんも、遅いにゃあ……」
「そうねぇ、この杏仁豆腐、ちゃんと人数分あるのにね」

その机には6つ、杏仁豆腐が入った器が並べられていた。

「妖精さんたちが持ってきてくれたデザート、美味しそうだよね!」
「うーん、何か怪しい気もするけど」

4人は杏仁豆腐をじーっと見つめていたが、ついに一番艦の睦月が、杏仁豆腐に添えられていたスプーンを手にとった。

「もう我慢出来ない!いっただきまーす!」
「ちょ、ちょっと睦月ちゃん?」
「もう1時間は待ってるし、先に食べたくらいで長月ちゃんや菊月ちゃんは怒ったりしないって!」
「まあ、それもそうね……よし、先に頂いちゃいましょう」

4人は手を合わせ、「いただきます」と言ってからスプーンを取った。そして、久しぶりのおいしいデザートを思う存分味わって食べ、あっと言う間に皿を空にしてしまった。と、その時だった。補給部屋の扉が、バァンと音を立てて勢い良く開いたのは。

「待たせたな!」
「な、長月?」

皐月が目にしたのは、たぷんたぷんと揺れる肌色。持ち主である長月の幼い体に不釣り合いな大きなおっぱいだった。

「ど、どど、どうしたの?そ、その、おっぱい!」

三日月があたふたしながら聞いたが、長月は、姉妹たちが座っていた机に置いてある皿にぎょっとしたようだった。

「睦月たち、杏仁豆腐、食べたのか……?」
「あ、ごめんね、でも長月ちゃんの分もあるから……」
「そういうことじゃなくて、胸、なんともないか!?」
「え、胸……?何も起きてないよ……?にゃっ!!??」

睦月が自分の胸を見ると、ぺったんこだったはずのそこには、水風船が二つ入っているかのような大きな膨らみがあった。しかも、それはだんだんとさらに大きくなっている。

「む、むむむむ、睦月、ちゃんっ!!??」
「如月ちゃん、これ、どうしよ……き、如月ちゃん!如月ちゃんも!」
「そ、そういえばブラが段々きつくなってる……っ!」
「ボクも、おっぱいがおかしいよ……」
「私もっ!」

全員が全員、セーラーを大きく押し上げる膨らみに右往左往した。睦月は大きくなった胸を腕で押し戻そうとし、如月は大急ぎでブラのホックを外そうと焦り、皐月は好奇心からか襟から自分の胸を見ようとし、三日月はバルンバルンと揺れる胸にパニックになってそこら中を走り回った。

「あぁー……これは補給どころじゃないな……」

長月は、自分の体にくっついた、巨大なおっぱいを恨めしそうに見た。

「早く元に戻ってくれよな……」

知ってる パート1

私の目の前に、信じられない光景が広がっている。巨人に、いろいろな人が食べられてる。顔は見えないけど、とっても恐ろしい。……いや、実際、なぜか恐怖は感じていなかった。

私は知ってる。

このままだと、私以外の全員が食べられちゃう。でも、私は何もしようとしなかった。気づくと、轟音が後ろから近づいてきた。戦車みたいな、軍隊の車。その車は、巨人に大砲を向けて、撃った。


そこで、目が覚めた。私、梨乃(りの)は、地元の学校に通う女子中学生。
中学に入れば毎日が楽しいなんて思っていた日々はとっくのとうに過ぎた。今日はなにか起きないかな……

この一向に成長しないからだも、いつも通り。……そして、昼休み一人になるのも。

「はぁ……」

お母さんが作ってくれたお弁当を黙々と食べる。ごはん、ひじき、にんじん。周りではみんな楽しそうに話しているんだろうけど、私にとっては全部雑音にすぎない。食事を進めることだけが、昼休みにやることの全て。それよりも、いつもならお弁当を半分くらい食べれば満たされるおなかが、全く満たされないことが気になる。食べても食べても、満腹感が得られるどころか、空腹感が強くなっていく。

「おなか……すいた」

会話が終わったのか人が歩いてきた。女の子で、私よりも、とっても肉がついてる。胸や、尻や、脚。私にない何か。飢えを満たしてくれる何か。

《グゥゥーッ》

私のおなかが、まるでその子を求める野獣のように鳴いた。その音が大きかったのか、その子はこっちに意識を向けた。私は、無意識に立ち上がってシャツをたくしあげ、その手をさらけだされたお腹に引っ張りこんだ。すると、おへそが異常に広がって、手をグボッと飲み込んだ。

「えっ……」

その子は、驚きのあまり声も出ないみたい。でも、私にとっては、とても当然のことのように思えた。

《グチュチュ……》

私のおなかは、まるで生き物のように動き出し、腕をゴクンゴクンと飲み込んでいくと同時に前に突き出ていく。

「……っ!」

おなかの中で、手が動くと、これまで感じたことのない強い感覚、それも痛みというより快感が襲った。それは強烈過ぎて、最初は受け入れられなかった。

《グパッ……チュッ……》

腕がどんどん飲み込まれ、ついに肩に達してしまった。視界の下では、腕の形をした、いびつに膨れたおなかに、女の子がくっついている状態。その子はこっちを見て、懇願するように涙を流している。私に、とてつもない優越感が走る。今、この子の命は私にかかっているんだ。

「ふふ……あなたの体、頂戴❤」

おなかが、急激に膨らむ。いや、女の子が、飲み込まれていく。へその奥に、肩から、顔、もう片方の腕が飲み込まれ、腰から上が完全に入ってしまった。その時になってやっと逃げようとする意識が芽生えたらしく、おなかの中で暴れ、脚をジタバタさせる。おなかに伝わる振動、内臓が暴力的に殴られる感触が、さっきから続いている快感を増大させる。もっと、もっと食べたくなる。

《グチュルグチュル……》

体のバランスが崩れて、倒れてしまった。おへそに腰が引っかかって、入っていかない。力を入れると、おへそが信じられないほどに広がって、グニュグニュとうごめいて、脚をのみ込み始めた。飲み込まれるのにあがいている脚が、おへそを無理やり引っ張り広げたり、おなかに当たる。

「いやん……❤激しいんだから……」

膝まで入ると、おなかの中の動きが一層激しくなる。快感が激しすぎて、力が入れられなくなって、意識がもうろうとしてくる。

「はぁ……はぁ……❤あともうちょっと……!」

私の体より大きくなったおなかは、あの子の顔の形が出たり、暴れまわる手が皮にあたってバコッと飛び出たりしている。

でも、私は知ってる。

私は、何人でも飲み込める。いま出てる脚の下半分だって、ちょっと力を入れれば……

《ズルッ……プフ……》

脚も入ってしまい、おなかの中に巻き込まれていた空気が出てきた。

「うん……でも、本番はこれから……」
《グジュジュ……》

おなかが重くなって、人の形が出ていたのが、まんまるとなってきた。消化液が出てきたんだ。私はこれから、この子を吸収するんだ。

だんだん、おなかを蹴っていた力が弱くなっていく。それと一緒に、おなかから私の体に何かが染みこんでくる感じがし始める。その何かは、私の皮膚を下から押し広げるようにして、全身に広がっていく。

《ペキッ……ミチッ……グチュ……》

体のいたるところで、変な音がする。見てみると、その音のした所が、ムクッと膨らんだり、ニョキッと伸びている。何もなかった胸も、ギュッ、ギュギュッと盛り上がって、いつしか、縮んでいくおなかを追い越して大きくなっていき、メロンが入りそうなサイズまで膨れ上がっていく。

手足も、バラバラに大きくなっていくけど、私と、食べた子を足したほどの長さに成長していっているのがわかる。そして、おなかの方は、何もなかったかのようにすっきりするどころか、元々なかったくびれまでできてしまった。

「美味しかった……だけど……」

私は知ってる。まだまだ、私の体は求めている。

空腹感は全く消えてないし、むしろ強くなった気がする。まわりにいる人全員、おいしそうにみえてたまらないんだ。どうしてだろう、こんな感覚初めて。

「なあお前、床に座ってどうしたんだ?」

気づかないうちに、前に男子生徒が立っている。さっき倒れたままだった私が、通路に居座っていて邪魔なのだろう。

「ちょっとおなかがすいて、倒れちゃったの」
「……さっさと座ったらどうだ?それに、服も脱げてるし……」

でも、私にはそんなの関係ない。この男子も、私の食べ物。

「あ、このおっぱい、気になる?」

できたてほやほやのおっぱいを、持ち上げて見せつける。男子は、これにはかないっこない。

「そ、そうじゃなくて……」

そういう顔は、鼻の下が伸びている。狙い通りだ。そのまま、おっぱいの谷間に男子の顔を突っ込んだ。

「じゃ、あなたも私のおっぱいにしてあげるね❤」
「っ!!!!」

声にならない叫びを上げる男子の顔は、ズブリ、ズブリと谷間の奥底へ引きずられ始めた。それと同時に、胸の間がものすごく熱くなっていく。

「んっ……あっつい……」

今度は、私が言ったとおり、胸に直接養分が行ってるみたいで、おっぱいだけがムクムクと大きくなっていく。でも、大きくなるだけじゃなくて、なぜか自分で揺れ始めた。

「あんっ、きっと、あなたの、んあっ、え、エネルギーが胸に行ってるせいねっ」

おっぱいは、前にバイン!横にボワン!と揺れるというより暴れている。

「は、激しすぎっ……!」

男の子の体はというと、ぴくりとも動いてない。胸からの力で、揺さぶられてるだけだ。スイカ二個分のおっぱいになっても、まだ脚は吸収されてなかった。おっぱいは、バルンッ!ボワン!と飛び跳ね、私も体勢を保つのが大変なくらい活発に動いた。

「まだ入ってくるの?やだぁ、これ以上大きくしないでぇ❤」

飲み込んでるのは私だし、バランスボールくらいになったおっぱいが、ここで止まるのも不満があった。私は、今この男の子を食べてることを楽しみたかったのだった。その間にも、おっぱいの狭間にどんどん埋もれていく男の子の脚。ついに、かかとがスポッと谷間の中に消え、男の子は完全に私の一部になった。その瞬間、胸の動きも止まった。

「ごちそうさま❤あとは……」

「うわ、なんだこのおっぱい」
「こんな人、うちのクラスにいたっけ!?」

私の美貌に引きつけられてか、クラスのみんなが集まってくる。そして、私が食べやすい距離まで、近寄ってきた。

壁ドンしてみた2

「ね、ほんとにやるの?また?」
「こ、この前のは場所が悪かったんだよ…」

理科準備室の壁のそばで話す俺と菜美。あのあと俺達は夜が明けるまでイチャイチャしあった…というより、俺がいじられあそばれ、はたまた奴隷のような存在に成り下がって体も性格も大きくなった菜美に好き放題されていた。少なくとも菜美が言うにはそうらしい。俺にはその時の記憶は一切残っていない。というわけで、今回は仕切り直しだ。

「じゃあ、行くぞ」

ドンッ!

俺は壁を叩いた。そして、すぐに俺は後悔した。俺の体は見えない力で前にギュッと引っ張られ、菜美にピッタリとくっついてしまった。

「いたい!ねえ、どうしたの!」
「わ、わからない、けど…」

それだけではなかった。俺の体の中に、菜美の体から何かが移ってきていた。俺の皮膚が何かを吸い込む強い感覚が伝わってきているのだ。空いている片方の手をそこにあてると、信じられないことが起きていた。

「俺達、くっついてる……?」
「そんなの、言われなくてもわかるよっ!」
「いや、本当にくっついてるんだって!!」

俺の腹と菜美の腹の皮膚がつながり、境界線がなくなっていた。そして、俺の腹が膨らんでいるのがわかった。菜美は、俺に吸収されようとしていた。それに、胸の部分がきつくなっているような気がする。

「これって、まさか……」
「孝康、胸が膨らんでるよ……!?」
「そんな、ばかな」

俺の胸の筋肉が成長しているとでも言うのだろうか。服を脱いでみると、それは全くの見当違いだということに気付かされた。成長しているのは筋肉ではなく、脂肪と肉のかたまり。ほとんど機能を失っているはずの授乳器官。それが、ムクムクと俺の胸の上で盛り上がってきていたのだ。

その胸は、すぐ前にあった菜美の顔を覆い隠してしまった。離そうとして引っ張るも、すぐに胸と顔が融合を始めたようで、そこから吸い込むような感覚と同時に、自分の体が押し広げられていく感触も感じられ始める。そして、菜美の頭が占有していた空間は、急激に巨大化した乳房に取って代わられ、髪すらも吸い尽くされてしまった。

「な、菜美……!」

俺は、自分の声がこの前のように変わっていくのを聞いた。段々と高くなっていくそれは、前回とは違って、子供のようではなく大人の女性のものである。菜美の体と足もズブズブと俺の体の中に入ってくる。時を同じくしてズボンが小さくなっていき、かなりの圧迫感を感じたが、すぐにビリビリという音がして、その圧迫感はなくなった。

吸い込む感覚が消えたとき、俺は壁に一人手を突いてたたずむ俺であって俺でない何かになっていることを実感した。頭が重く、胸が重く、とにかく全身が重い。服が破れてしまったことで全身が肌寒い。腕を見てみると、ムダ毛は全くなくなっていて、すべすべした肌になっていた。乳房もこれまでみたことのないほどのものだが、この前子供になったときにみた、大人の菜美のものよりはインパクトが薄い。手を伸ばして尻を触ると、もちもちとした柔らかく、それでいて弾力のある触感が伝わってくる。

それに、周りのものが小さい。菜美を吸い込んだ分身長も大きくなったということだろうか。

「これからどうしよう……」

呆然とする俺。おっぱいが大きい女性は好きなことは好きだが、自分がなった所で……

「今日の帰りゲーセンいかねー?」

ドクンッ!

外からオトコの声が聞こえてきて、おれの中に衝撃が走った。なんだろう、このキモチ……

「あー、今日カネないんだよなー」

ドクンッ!

……ピチピチで美味しそうなオトコ……いけない、何を考えて……わたし……おれ……あれ、なんなの……これ……

「んなケチなこと言わなくてもいいだろー減るもんじゃなし」

……うふ、もう……耐えられないぃ……

ドアを開けると、そこには思った通り若くて未熟な男の子たちがいた。ワタシの大好物……!

「えっ、お姉さん、誰です……」
「そんなこと、どうでもいいじゃないの……」

一人に不意打ちの口づけをすると、バタンと倒れちゃった。ワタシの色気にヤラレちゃったのかなっ?股がすごく盛り上がって、ジッパーが悲鳴を上げてる。ほとんど本能でそれを開けると、ビンっと立った肉棒が飛び出てきた。

「あらあら、童貞さんなのね」

ワタシのおっぱいで、挟んで揉みほぐしてあげると、中に溜まっていたモノがピュッと飛び出してきた。あつくて、おいしいモノ。横で呆然としてる子は、後のお楽しみにしておこうかな。あはっ、楽しい夜になりそう……

質問バトン

1.アイデアとかどうやって出してますか?

ツイッターをボーっと眺めたりするときに、目に止まったシチュに変身描写を入れるにはどうしたらいいかなとか考えて、それが良かったらSS化します。逆に変身描写を先に決めておいてシチュを後から考えるときもあったり。つまりテキトーです。

2.アイデアが出やすい場所は?

ベッドの上。目を閉じて寝っ転がってる時が一番出やすいです。でも電車の中で思いつく時もあります。他の場所でも多々。

3.作品を仕上げるのにどれくらいかかる?

書き始めたら3時間以内に終わらせます。ネタが腐る前に。

4.今までで一番嬉しかった感想は?

「捗る」ですかね。結局そっち方面の欲求を満たすために書いてるので。。

5.尊敬する人は?

尊敬というより興味の対象になる人が多いのです。本当に尊敬している人はここでは名前出せないです。偉人も知らないので。

6.目標とかありますか?

変身描写をイラストでも映像でも、視覚化する技術がほしいです……は、願望、なので、とりあえず作品数100とでも言っておきます。

7.描きたいジャンルは?

体型変化ならなんでも書きたい~!けど、やっぱり急成長モノの長編……あ、頭が痛くなってきた。

書き終えてないのがいっぱいなのでまずそこからですね。

8.回してくれた人の作品をどう思う?

TSFをほぼエロ無しで書いて・描いている人で、その感性には少し憧れています。方向性は違いますが、TSF創作では大先輩です。

9.お疲れ様でした。

うわぁ何も答えられてないって感じがします。考えをまとめるのにも一苦労するくらいいつもテキトーに生きてることがわかりました。

変身描写だけ描きたい(TF1)

「魚……さかな……さかなさかな!!」
「どうしたんだ根古(ねこ)!」

根古に流れる化け猫の血が、彼女の体を作り替え始めていた。

グキュッ……!
「ああっ!」

その変化は足から現れた。少し細めの、さらけ出された足が、内側に萎んでいくように細くなり、短くなっていく。筋肉も萎縮してしまい、足だけでは体重を支えられなくなってしまった。結果、根古は前に倒れてしまい、四つん這いになった。異様に細くなった足は、下に行くほど更に細くなっていて、その代わりのように体毛が太く長くなり綺麗だった肌を覆い隠していく。

グキキキ!!
「ふにゃっ!」

彼女の体とは不釣り合いに小さくなった足から、変化が伝わっていくように、真っ直ぐな背骨が前に湾曲していく。そして、元々高校生としてよく発達していた乳房が縮み、入れ替わりに、6つの斑点が腹に見え始めた。ぷっくりと盛り上がっていくそれは、乳房の先端についていた器官と全く変わらない。乳首が、2つから8つに増えたのだ。

その変化が住む頃になって、体が尻の方から何かに絞られるようにグギュギュギュと細くなり、足と同じようにブワッと毛が生えて、体を覆い尽くした。時を同じくして、小さくなった尻からパキパキと音を立てて、尻尾が飛び出す。いつの間にか細くなって、毛に覆われた腕も合わせて、根古の体はまさに黒猫。そこにこれも体毛に覆われているにしろ、人間の顔が付いている。

パリッ!メキッ!
「にゃ、にゃああ!」

人間では考えられないほど高い声で叫ぶ根古。その顔は小さく圧縮され、上顎が割れ、鼻が潰れていく。目の瞳孔は丸い形だったのが、一回のまたたきで縦に割れているような物に変化した。耳は見えない力にに引っ張りあげられるように、ビリビリと痛々しい音を発しながら頭の上の方に動いていき、ぴんと三角形に立った。中からは白い毛がふわっと生えて、耳の穴をふさぐようになった。

「ね、根古……」
「にゃん!」

変身の発端になった魚を口に咥えて、根古だったネコはクラスメイトを置き去りにして、その場を立ち去ったのだった。