知ってる パート1

私の目の前に、信じられない光景が広がっている。巨人に、いろいろな人が食べられてる。顔は見えないけど、とっても恐ろしい。……いや、実際、なぜか恐怖は感じていなかった。

私は知ってる。

このままだと、私以外の全員が食べられちゃう。でも、私は何もしようとしなかった。気づくと、轟音が後ろから近づいてきた。戦車みたいな、軍隊の車。その車は、巨人に大砲を向けて、撃った。


そこで、目が覚めた。私、梨乃(りの)は、地元の学校に通う女子中学生。
中学に入れば毎日が楽しいなんて思っていた日々はとっくのとうに過ぎた。今日はなにか起きないかな……

この一向に成長しないからだも、いつも通り。……そして、昼休み一人になるのも。

「はぁ……」

お母さんが作ってくれたお弁当を黙々と食べる。ごはん、ひじき、にんじん。周りではみんな楽しそうに話しているんだろうけど、私にとっては全部雑音にすぎない。食事を進めることだけが、昼休みにやることの全て。それよりも、いつもならお弁当を半分くらい食べれば満たされるおなかが、全く満たされないことが気になる。食べても食べても、満腹感が得られるどころか、空腹感が強くなっていく。

「おなか……すいた」

会話が終わったのか人が歩いてきた。女の子で、私よりも、とっても肉がついてる。胸や、尻や、脚。私にない何か。飢えを満たしてくれる何か。

《グゥゥーッ》

私のおなかが、まるでその子を求める野獣のように鳴いた。その音が大きかったのか、その子はこっちに意識を向けた。私は、無意識に立ち上がってシャツをたくしあげ、その手をさらけだされたお腹に引っ張りこんだ。すると、おへそが異常に広がって、手をグボッと飲み込んだ。

「えっ……」

その子は、驚きのあまり声も出ないみたい。でも、私にとっては、とても当然のことのように思えた。

《グチュチュ……》

私のおなかは、まるで生き物のように動き出し、腕をゴクンゴクンと飲み込んでいくと同時に前に突き出ていく。

「……っ!」

おなかの中で、手が動くと、これまで感じたことのない強い感覚、それも痛みというより快感が襲った。それは強烈過ぎて、最初は受け入れられなかった。

《グパッ……チュッ……》

腕がどんどん飲み込まれ、ついに肩に達してしまった。視界の下では、腕の形をした、いびつに膨れたおなかに、女の子がくっついている状態。その子はこっちを見て、懇願するように涙を流している。私に、とてつもない優越感が走る。今、この子の命は私にかかっているんだ。

「ふふ……あなたの体、頂戴❤」

おなかが、急激に膨らむ。いや、女の子が、飲み込まれていく。へその奥に、肩から、顔、もう片方の腕が飲み込まれ、腰から上が完全に入ってしまった。その時になってやっと逃げようとする意識が芽生えたらしく、おなかの中で暴れ、脚をジタバタさせる。おなかに伝わる振動、内臓が暴力的に殴られる感触が、さっきから続いている快感を増大させる。もっと、もっと食べたくなる。

《グチュルグチュル……》

体のバランスが崩れて、倒れてしまった。おへそに腰が引っかかって、入っていかない。力を入れると、おへそが信じられないほどに広がって、グニュグニュとうごめいて、脚をのみ込み始めた。飲み込まれるのにあがいている脚が、おへそを無理やり引っ張り広げたり、おなかに当たる。

「いやん……❤激しいんだから……」

膝まで入ると、おなかの中の動きが一層激しくなる。快感が激しすぎて、力が入れられなくなって、意識がもうろうとしてくる。

「はぁ……はぁ……❤あともうちょっと……!」

私の体より大きくなったおなかは、あの子の顔の形が出たり、暴れまわる手が皮にあたってバコッと飛び出たりしている。

でも、私は知ってる。

私は、何人でも飲み込める。いま出てる脚の下半分だって、ちょっと力を入れれば……

《ズルッ……プフ……》

脚も入ってしまい、おなかの中に巻き込まれていた空気が出てきた。

「うん……でも、本番はこれから……」
《グジュジュ……》

おなかが重くなって、人の形が出ていたのが、まんまるとなってきた。消化液が出てきたんだ。私はこれから、この子を吸収するんだ。

だんだん、おなかを蹴っていた力が弱くなっていく。それと一緒に、おなかから私の体に何かが染みこんでくる感じがし始める。その何かは、私の皮膚を下から押し広げるようにして、全身に広がっていく。

《ペキッ……ミチッ……グチュ……》

体のいたるところで、変な音がする。見てみると、その音のした所が、ムクッと膨らんだり、ニョキッと伸びている。何もなかった胸も、ギュッ、ギュギュッと盛り上がって、いつしか、縮んでいくおなかを追い越して大きくなっていき、メロンが入りそうなサイズまで膨れ上がっていく。

手足も、バラバラに大きくなっていくけど、私と、食べた子を足したほどの長さに成長していっているのがわかる。そして、おなかの方は、何もなかったかのようにすっきりするどころか、元々なかったくびれまでできてしまった。

「美味しかった……だけど……」

私は知ってる。まだまだ、私の体は求めている。

空腹感は全く消えてないし、むしろ強くなった気がする。まわりにいる人全員、おいしそうにみえてたまらないんだ。どうしてだろう、こんな感覚初めて。

「なあお前、床に座ってどうしたんだ?」

気づかないうちに、前に男子生徒が立っている。さっき倒れたままだった私が、通路に居座っていて邪魔なのだろう。

「ちょっとおなかがすいて、倒れちゃったの」
「……さっさと座ったらどうだ?それに、服も脱げてるし……」

でも、私にはそんなの関係ない。この男子も、私の食べ物。

「あ、このおっぱい、気になる?」

できたてほやほやのおっぱいを、持ち上げて見せつける。男子は、これにはかないっこない。

「そ、そうじゃなくて……」

そういう顔は、鼻の下が伸びている。狙い通りだ。そのまま、おっぱいの谷間に男子の顔を突っ込んだ。

「じゃ、あなたも私のおっぱいにしてあげるね❤」
「っ!!!!」

声にならない叫びを上げる男子の顔は、ズブリ、ズブリと谷間の奥底へ引きずられ始めた。それと同時に、胸の間がものすごく熱くなっていく。

「んっ……あっつい……」

今度は、私が言ったとおり、胸に直接養分が行ってるみたいで、おっぱいだけがムクムクと大きくなっていく。でも、大きくなるだけじゃなくて、なぜか自分で揺れ始めた。

「あんっ、きっと、あなたの、んあっ、え、エネルギーが胸に行ってるせいねっ」

おっぱいは、前にバイン!横にボワン!と揺れるというより暴れている。

「は、激しすぎっ……!」

男の子の体はというと、ぴくりとも動いてない。胸からの力で、揺さぶられてるだけだ。スイカ二個分のおっぱいになっても、まだ脚は吸収されてなかった。おっぱいは、バルンッ!ボワン!と飛び跳ね、私も体勢を保つのが大変なくらい活発に動いた。

「まだ入ってくるの?やだぁ、これ以上大きくしないでぇ❤」

飲み込んでるのは私だし、バランスボールくらいになったおっぱいが、ここで止まるのも不満があった。私は、今この男の子を食べてることを楽しみたかったのだった。その間にも、おっぱいの狭間にどんどん埋もれていく男の子の脚。ついに、かかとがスポッと谷間の中に消え、男の子は完全に私の一部になった。その瞬間、胸の動きも止まった。

「ごちそうさま❤あとは……」

「うわ、なんだこのおっぱい」
「こんな人、うちのクラスにいたっけ!?」

私の美貌に引きつけられてか、クラスのみんなが集まってくる。そして、私が食べやすい距離まで、近寄ってきた。

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投稿者: tefnen

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