変身描写だけ描きたい(TF1)

「魚……さかな……さかなさかな!!」
「どうしたんだ根古(ねこ)!」

根古に流れる化け猫の血が、彼女の体を作り替え始めていた。

グキュッ……!
「ああっ!」

その変化は足から現れた。少し細めの、さらけ出された足が、内側に萎んでいくように細くなり、短くなっていく。筋肉も萎縮してしまい、足だけでは体重を支えられなくなってしまった。結果、根古は前に倒れてしまい、四つん這いになった。異様に細くなった足は、下に行くほど更に細くなっていて、その代わりのように体毛が太く長くなり綺麗だった肌を覆い隠していく。

グキキキ!!
「ふにゃっ!」

彼女の体とは不釣り合いに小さくなった足から、変化が伝わっていくように、真っ直ぐな背骨が前に湾曲していく。そして、元々高校生としてよく発達していた乳房が縮み、入れ替わりに、6つの斑点が腹に見え始めた。ぷっくりと盛り上がっていくそれは、乳房の先端についていた器官と全く変わらない。乳首が、2つから8つに増えたのだ。

その変化が住む頃になって、体が尻の方から何かに絞られるようにグギュギュギュと細くなり、足と同じようにブワッと毛が生えて、体を覆い尽くした。時を同じくして、小さくなった尻からパキパキと音を立てて、尻尾が飛び出す。いつの間にか細くなって、毛に覆われた腕も合わせて、根古の体はまさに黒猫。そこにこれも体毛に覆われているにしろ、人間の顔が付いている。

パリッ!メキッ!
「にゃ、にゃああ!」

人間では考えられないほど高い声で叫ぶ根古。その顔は小さく圧縮され、上顎が割れ、鼻が潰れていく。目の瞳孔は丸い形だったのが、一回のまたたきで縦に割れているような物に変化した。耳は見えない力にに引っ張りあげられるように、ビリビリと痛々しい音を発しながら頭の上の方に動いていき、ぴんと三角形に立った。中からは白い毛がふわっと生えて、耳の穴をふさぐようになった。

「ね、根古……」
「にゃん!」

変身の発端になった魚を口に咥えて、根古だったネコはクラスメイトを置き去りにして、その場を立ち去ったのだった。

投稿者: tefnen

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