「……?」
「やっと目が覚めたんだね」
そこは、中学の保健室。美緒はベッドの上に横たえられ、掛け布団をかけられていた。三浦は、美緒を背負ってなんとかここまで運んできた。小さいとはいえ、ここまで急いで運んでくるのは三浦にも荷が重かった。
美緒も美緒の方で、激しい成長の疲れからか、体を動かす力が湧いてこない。
「……それでさ、君のことなんだけど……君が倒れたあと……」
「私、倒れてたんだ……」
三浦は、美緒の体を乗っ取っていた何かの話をしようとしていた。だが、何かが彼を引き止めた。
「保健室まで運んできたんだ、でも先生いなくてさ、鍵も開いてなかったから、外から何とか鍵を開けて君を放り込んだんだ」
「えっ!?」
「すまない、女の子にひどいことをした」
美緒は一瞬考えたが、すぐにニコッと微笑んだ。
「でも、先輩は私のことを考えてくれたんですよね!問題ないですよ」
「そうか、それはよかった。……君は、僕のこと、よく思ってくれてるみたいだね、ありがとう」
三浦は淡々と続ける。
「ううん、先輩なら当然です、あんなにかっこよくて、守られたくなるような先輩と話してるだけで、私は……って、私何言ってるんだろ……!」
顔を赤くする美緒に、三浦は少し微笑んだ。
「そうか、そう思ってくれてたんだね……ごめん」
「え……?何謝ってるんですか……?」
急に出た謝罪の言葉に、美緒はキョトンとする。
「結局のところ、僕も一人の男なんだよ」
「だ、だから何を言って……」
三浦は、ズボンの左ポケットから、一つの瓶を取り出した。
「そ、その瓶は……!」
「そう、『オトナになる薬』だよ」
三浦は、瓶の蓋をゆっくり開ける。その目は、美緒の方を、美緒の体をじっと見つめていた。
「だめ、ですよ?また、私、あんなことに、なっちゃう……!」
「でも、僕にはアレを見せたかったんだよね……?」
「い、いやっ……!」
美緒は、たまらずベッドの上から逃げようと、布団をどかした。だが、体の自由は聞かない。それもそのはず、その手首、足首には紐のようなものが巻かれ、ベッドにゆるく固定されていた。しかも、美緒は一切の服を脱がされていた。
「せ、先輩、なんで、こんなこと……!!」
「君があと2回成長すれば、僕は君の、いやあの人のものになれるんだ、だから……」
三浦は、瓶からたくさんの薬を手の上に出した。
「や、やめ……て……っ」
「また、オトナに、なれ!!」
そして美緒の鼻をつまんで無理やり口を開かせると、そのなかに薬を押し込み、口を塞いだ。
「んんぅ!」
薬が、自分から美緒の中に入り込むように喉をくぐり抜けると、すぐに変化が始まった。
「んぅぅうううっ!!!」
成長はこれまでにないスピードで進んだ。手足がビクビクと震えながらぎゅいぎゅいと伸びていく。そして、体も同じように伸びる。次に左脚にボンッと肉が付き、右脚が続く。腕にも少し皮下脂肪が付くと、乳首はそのままに、胸が水風船に水が入れられるような音を出しながら膨らんでいく。爆乳のレベルまで大きくなると、やっとその先端が大きくなった。髪がバサッと伸び、顔が別人のものに作り変えられていく。人並みの女性の大きさになったところで、一旦それは落ち着いた。
「はぁっ、はぁっ……うぐっ!!」
美緒は、成長からの疲れで荒い息をたてた。だが、その目線が三浦にあうと、体をのけぞらせた。そして、さらなる成長が始まる。ベッドの上で悶えながら、美緒はさらに大きくなる。脚にはミチミチと肉が付き、すっと縦に線が入った胴は大きくなって、質量が増していく。胸はプルンプルンと揺れ、膨らんでいくが、その張りは保たれ、肌色の膨らみは空中にそびえ立っていく。三浦は、その小さかった体が、思惑通りに自分より大きな女性のものに変わっていくのを見て、興奮を抑えきれない。
前回のサイズまで成長したところで、それは終わった。だが、その胸の先端は大きく、乳房の巨大化は止まっていなかった。
「な、なんか、おっぱいの中がおかしいよぉ……!」
三浦は、美緒の上になんとかまたがった。中学生の体では、股をいっぱいに広げないとベッドに脚がつかないほど美緒は大きく成長していた。
「すごい張りだ……」
「ひゃっ!?やめて、さわらないでぇっ」
今度も、美緒の体は持ち主の意思に従わなかった。三浦の手から逃げようとしても、うんともすんとも動かない。そしてその胸の中が、どんどん液体で詰まっていく。乳腺が、どんどん母乳を生産していたのだ。
「おっぱい出そうだね……僕が吸ってあげるよ」
「先輩っ……恥ずかしいっ……!!」
三浦は、その張り詰めた乳房を、手でギュッとおさえた。すると、ついにその先端から、白い液体がプシュッと飛び出した。それをみて、三浦は口を美緒の胸に付けた。
「ん、んぁっ……」
美緒の母乳は、作られると同時に乳首から出て、三浦の口の中に送り込まれていく。三浦は、甘くて濃厚なそれを、ゴクリ、ゴクリと飲んでいく。飲むたびに、体に熱が溜まっていくようだった。
(おいしい……)
胃の中だけでなく、鍛え上げられた筋肉、頭の中にも、それは染み渡っていくようだった。全身の筋肉は体積を増し、その身長も伸びているように思えた。
(もっと、もっとだ……)
徐々に勢いを減らし始めた母乳を、余すことなく飲み干そうと、もう一個の乳房にも口をかぶせ、中の液体を絞り出す。その乳房が、小さくなっていくような感じがして、三浦はやっと身を起こした。
「これで、全部かな……あれ?」
視線が、異様に高い。体を見ると、全身にさらに筋肉がつき、長さも伸びて大人の体になっていた。飲みながら感じていた感覚は、本当のものだったことに気づいた三浦は、笑い声を上げた。
「ははっ、すごいな!君の母乳は!」
眼下で涙を流す美緒に、勝ち誇ったような声を上げる三浦。しかし、次の異変が起きようとしていた。
「う、なんだっ!?」
成長した筋肉全てが、痙攣を始めたのだ。割れた腹筋も、強固な上腕筋も、横隔膜すらも。薬を大量に飲むことで美緒が出した母乳は、その薬と同じように三浦の体も変えようとしていたのだ。
「うぎゅっ!?」
それまでの成長が、一気に逆行した。それどころか、三浦がもともと鍛えていた筋肉も、その姿を消し、ほっそりとした体になってしまう。
「え、えっ?俺の体、どうしたんだ……?」
声も、もともとより高くなり、まるで少女のもののようだった。それもつかの間、さらなる変化が起きた。ぶかぶかになった服の下で、胸が膨れ上がっていくのだ。同時に皮膚の下に空気を入れられているかのごとき痛みが、三浦を襲った。つぎには手足が太さを取り戻していくが、それは美緒と同じ、皮下脂肪によるものだった。全体的に小柄になっているはずなのに、ズボンがパンパンになるほどに膨らむ。
「まさか、俺、女にっ!?いや、そんなばかなっ!」
三浦は、左右に引っ張られているズボンのジッパーをなんとか下ろし、中身を確認しようとする。
「な、ない……俺の!ちんちんがないっ!あ、あははっ!俺が、俺が女!?あっっははははっああっ!!!」
ついに三浦の理性は非現実に耐えきれなくなり、手足を縛られたままの美緒を残して、三浦は保健室から走り去っていった。
「せ、せんぱいぃ……」
体力が切れた美緒は、そのまま眠りについた。