「だめっ、こんなところでっ」
それは小学校への登校中。少年には、秘められた力……そして、少年にはコントロールの効かない力があった。
「薬が、きれちゃ……んんっ……!!」
突如として、彼の服を突き破らんばかりに、胸がぶくっと膨れ上がった。それは筋肉ではなく、脂肪と乳腺のかたまり、乳房だった。小学校の男子生徒には似つかわしくない、頭ほどの爆乳が、できあがり……そして消えていく。
同じ登校班の生徒、すなわち近所の小学校生徒の前で、少年の体から、液体がぐちゃぐちゃ言う音が聞こえる。それは、彼の細胞が爆発的に増殖したり、脂肪細胞ができあがったり、逆に壊れていく音だった。
「ん、んあっっ!!」
脚や手が、バラバラに太くなったり、細くなる。尻が爆発的に膨張し、ズボンを引っ張ったと思うと、さっきの胸と同じようにしぼんでいく。
「ど、どうしたんだよっ」
周りの生徒は、人間からするものとは思えない、少年の体が作り変えられていく激しい音に腰を抜かしつつ、声をかける。だが、その音に、今度は骨がゴキゴキと作られ、壊されていく軋むような音が加わる。
「う、うでがぁっ」
少年の左腕がガクガクと震え始めると、ブクブクと膨らむ。震えが最高潮になると、ギュインッっと二倍ほどの長さに伸びた。右腕もそれに続く。
「ぐ、ぐぅっ!!」
次に左足、右足と少年の体は長くなる。そして、5倍ほどの太さにムチッと肉がついて、ズボンを突き破ったと思うと、元の太さに戻る。その太さが少年の腹にグギュギュと溜め込まれ、臨月くらいに膨らんだお腹は、そのきめ細やかな皮膚を空中にさらけ出した。
大きく、グキグキと音がすると、少年の背骨が伸び、手足の長さに合わせて上半身が伸びた。髪が肩まで伸び、顔も小学生男子から大人の女性へと変貌を遂げた。腹部の膨らみは、何かに絞られるようにグチュグチュといびつにしぼんでいく。ウエストは過剰なまでにくびれ、長くなった腕も先端から絞られガリガリになる。
「ひゃぁっ!!」
その分が、胸に押し込まれ、それを受けた乳房が再度、左、右とボワンッ!ボインッ!と前に飛び出るように形成された。水風船をふくらませるような音がすると、腕はもとに戻り、腹がまた膨らんでいく。
「うああっ!!」
その腕が、またギュイッと絞られ、腹部も一気にしぼんで、また胸に脂肪を押し込んだ。乳房はシャツをビリビリとやぶき、ムチィッ!!と球体状に成長する。と、今度は乳房がギュイッと体の中に飛び込むようにしぼみ、脚がムチッと膨らんだ。そのまま肉付きがどんどん良くなる脚を、彼は不安の表情で凝視する。
「く、くる、きちゃうぅっ!」
少年の声と同時に、信じられないほどに太くなった脚がブシュッと音を立てて細くなった。
「ああんっ!!」
ヒップがとんでもない大きさになり、またしぼむ。
「どんどんのぼってくるぅっ!!」
ウエストがボコッと膨らんで、それもまた絞られる。
「おっぱいがっ!」
平らに戻っていた胸板に、巨大な乳房が形成される。一つ一つが頭が入るくらいの爆乳サイズになったと思うと、少し大きめな巨乳サイズに戻っていく。
最後に、骨と皮だけの細さになっていた腕にムチッと肉がついた。
「みんなの前では成長したくなかったのにぃっ!!」
タプタプと揺れる胸を、度し難いほどの激しい音と、体の変形で呆けてしまった周りの生徒からなんとか隠して、泣き出してしまう少年だった。