とある日の急成長~夜更け編~

ここはとある一軒家の子供部屋。二人の小学生の兄妹が寝るところだった。

「じゃあ電気消すね」
「うん、あ……ちょっと待って」

兄の和登(かずと)は、妹の果耶(かや)に、ビニールに包まれた飴玉を渡した。

「これ、近所のおばさんから貰ったの」
「へー」

果耶は、渡された飴を包み紙から出した。その飴は、虹色をした球の形をしていた。

「あ、分かった!近所のいっつも白衣着てるあのおばさんだよね」
「え、なんでわかったの!?」
「あのおばさん、いつも綺麗な色の瓶を持ってるから、そうかなって!」

実はこの「近所のおばさん」とは、自宅で化学薬品を調合して、家族やら娘の友達やらに飲ませたりしているマッドサイエンティストだった。「綺麗な色の瓶」は、その開発した薬だった。彼女は、それを使う機会を虎視眈々と狙っていた。そして、この飴玉も実は薬品の一つなのだが、無防備な兄妹はそれが怪しいものだとは考えなかった。

「でも、夜中にお菓子なんか食べたら、お母さんに怒られちゃうよぉ」果耶は不安げに言った。
「じゃあ、僕も食べるから!二つもらってたから大丈夫」脇からもう一つの飴を出す和登を見て、果耶は多少安心したのか、うなずいて飴を食べた。

「なーんちゃって」和登は美味しそうに飴をなめる妹をよそ目に、部屋の電気を消した。
「あーっ!お兄ちゃん私だけに食べさせるなんて!」

「こら!早く寝なさい!」
あまりにもうるさすぎたのか、母親が扉の外から怒鳴った。二人は、バッと布団にくるまった。

「んもー……お兄ちゃんひどい……」
「えへへ」

だが、和登の方も妹が寝息を立て始めたのを見て、黙って飴を食べた。飴はぶどう味で、舐めると口中に広がっていった。その感覚を感じつつ、和登は睡眠へと落ちていった。

午前3時を過ぎた頃、和登はトイレに目を覚ました。妹はぐっすり寝ているようで、起こさないようにトイレに行った。口の中には飴の味が残っていた。静まり返った家の中をそろそろと歩く和登だったが、トイレに入る直前、窓の外でコツンという音がしたのに気づいた。

「……?」窓を見てみたが、隣の家の壁が見えるだけだ。木の枝かなにか、小さいものが風で飛んできたのだろうと思って、寝ぼけたままの和登は用を済ませて、部屋に戻った。

「はぁ……はぁ……」
すると、寝ている果耶の様子がおかしい。明らかに荒い息になっている。すこし気になったが、和登は気のせいだろうと、自分の布団に戻り……

「ううっ、ああっ!」妹のうめき声に飛び起きた。見ると、果耶は掛け布団を蹴飛ばして、パジャマだけでベッドの上で身悶えしている。

「果耶っ!どうしたの!」和登は果耶に駆け寄って、肩を掴んだ。すると、果耶は急に目を開けて、和登を引き倒した。「うわぁっ!」
「お兄ちゃん、痛い、痛いよ!」果耶はそのまま、和登を抱きしめた。和登は、そこで信じられない事が起きているのがわかった。

果耶の髪が、寝たときよりも何倍も長くなっている。

「や、は、離れてっ!」果耶を無理やり引き剥がそうとするが、ここでも何かおかしい。一回り小さかったはずの体が、同じくらいの大きさになっている。よくみると、パジャマはサイズが合わなくなって、手足がむき出しになっている。
「んんっ……」果耶が喘ぐと、また一回り、ニョキッと手足が伸びた。パジャマが短くなった分、ヘソがさらけだされている。「だめっ、果耶を一人にしないでっ」

今度は先程よりも強い力で、和登は抱きしめられ、和登の頭が果耶の胸にぶち当てられた。
和登は多少のめまいを覚えつつ、自分の顔がなにか柔らかいものに当たっているのを感じた。

「んああっ……」果耶がまた声を上げると、その柔らかいものはさらに和登の頭を包み始めた。「んっ……んんっ……」その柔らかさは、どんどん大きくなっていく。和登を押さえる腕の力もさらに強くなり、段々息ができなくなったところで、果耶が体を転がし、和登はまた何とか体を離すことができた。

そこには、和登の知っている果耶はもういなかった。身長は自分よりも20cmほど大きく、胸には母親と同じくらいの膨らみが付いている。パジャマから覗くヘソは縦に伸び、腰にはクビレができている。妹だったはずの果耶は、いつの間にか姉と呼んでも差し支えない、いや逆にそうでなければおかしいほどの色気をまとった少女となっていた。

「おにいちゃ……んっ……」和登の見ている間にも、さらに果耶は大きくなる。骨盤が広がり、パジャマをブチブチと破りながらみずみずしい太ももが現れる。服をいっぱいにしている胸も、襟からこぼれ、縫い目がぼろぼろになっている。「あんっ……!」次に喘ぐとついに服が破れ、ブルンッと中身が飛び出してきた。子供には刺激の強すぎるほど大きいそれは、果耶の荒い息とともにたゆんたゆんと揺れ続けている。

今や自分よりかなり小さくなった兄を、助けを求めるようにじっと見つめる果耶は、自分の変化にはあまり気がついていないようだ。「果耶、どうなっちゃってるの……?」
あまりのショックに茫然自失としていた和登は、妹の言葉をよそにそのまま目の前にある二つの膨らみに手を伸ばす。「おっぱい……」そして、母乳を求めるようにそれを揉んだ。

「ひゃんっ……」慣れない感触に小さい悲鳴を上げる果耶。
「あ、あれ?」和登は、果耶の胸が揉まれるごとに大きくなっていることに気づいた。指に力を入れると、それを押し戻そうとする力が加わる。それが、揉むたびに大きくなっているのだ。

「だ、だめっ、胸がおかしくなっちゃうぅ」そういう割には、果耶は自分をかばうこともなく、和登に揉まれるままになっていた。そのうちに、つい数分前まで真っ平らだった果耶の胸には、頭と同じくらいの大きさの膨らみが二つ豊かに育ってしまった。

「きもちい……」和登は、その柔らかさを手で感じつつ……

「こらっ!そこまでにしておきなさいっ!!」
「あいたっ!!」急に後ろから頭をぶっ叩かれた。和登はベッドから飛び起きた。

「面白そうだからって眺めてたけど、あなたすごいわねぇ……」
「だ、誰……?」声の主は、飴を和登に渡した張本人、街のマッドサイエンティストだった。「あ、おば……おねえさん」『おばさん』と呼ぼうとして殺気を感じた和登は、とっさに呼び直した。

「あら、ちゃんとしつけられてるのね、いい子いい子」
「そ、それで……なんで家の中に……」「私の体ぁ……」『じゃれ合っていた』二人は、突如現れた白衣の女性に戸惑っている。

「私のあげた飴、夜中に食べちゃうから徹夜で監視してたのよ?あなたたちって悪い子ね」
「じゃあやっぱり、果耶がこうなったのって……」
「正解、そして和登くん、キミも飴食べたよね。自分の体、見てみ?」

「えっ?」和登は、自分の体を見下ろした。そこには、ささやかな膨らみがあり……

ボンッ!!

程なくして手で収まらないくらい大きな膨らみに変わった。髪を触ってみると、これも長くなっている。

「な、なななな、なんでっ!」その声も、子供のものから大人の女のものに変わっていた。「僕、男だよ!?」
「男性ホルモンを抑えて女性ホルモンを無理やり出す薬だもの、当然でしょ……って言って、分かるわけないか……」女性は、キョトンとしている果耶と、服から飛び出してきた自分の胸を無意識に揉んでいる和登を見て、ため息を付いた。

「ま、いいわ。72時間もすればもとに戻るから。それまでは……」急に和登の尻をモギュッと揉む女性。それに呼応するように、和登のヒップがボムッと大きくなる。「こんな風に、胸とか尻とか……『女性的』な部分を揉むとホルモンが出て大きくなるから、気をつけてね!じゃっ」

ポカーンとする兄妹を置いて、白衣の女性は窓から飛び出していってしまった。

投稿者: tefnen

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