俺はしがないサラリーマン。今日も朝から出勤だ。
「よし、ここなら誰にも発見されるおそれはないな」
ぼーっと歩いていると、路地裏から女の子の声が聞こえてくる。
見てみると、小学生くらいの小さな女の子が、こっちから見て、横を向いて突っ立っていた。
こんな朝から、何やってるんだ?ちょっと見ていくか。
「プロトコル1091045-1000、開始」
何だ、宇宙人ごっこかな?それにしちゃ気合入ってるな。あの子、目を閉じたし、もうちょっと近づいてみよう。
《ググッ…》
な、何だ…?女の子の背が、伸びている気がする。俺、まだ寝ぼけてるのか?いや、服とズボンの間にへそが見え始めてる。
確実に伸びている。足も、ズボンから段々、その素肌をのぞかせ始めている。
《ビリッ…ビリッ…》
服が、破け始めてる。女の子の体が、大きくなって、耐え切れなくなったみたいだ。
腰が大きくなって、何もなかったはずの胸にも、膨らみがついてる…これって…ただ大きくなってるんじゃなくて…成長してる…?
《ビリッ…ビリーッ!》
胸がムクーッと大きくなって、その拍子に服の破れ方が大きくなった。ズボンの方も、縫い目が段々ほころんで、中の肌が見えてきた。
でも、結構苦しいはずなのに、その子の、ちびっ子のようだった、今は思春期の顔は冷静そのものだ。
膨らんでいる胸は、周期的に空気が入れられるようにムクッ、ムクッと大きくなって、そのたびに揺れる。その揺れも、段々増長されて…
いかん…こんな朝から…勃ってきた…
足も、筋肉や脂肪が発達しているのか、すっと下まで伸びていたのが、次第に凹凸が付いてきた。ズボンの縫い目に掛かっていた糸が、切れ始めて…
《プツプツッ…プツッ…パンッ》
ズボンが彼女の体から落ち、パンツが丸見えになった。そして、その途端に、束縛から解放されたかのようにお尻がボンッと大きくなる。
パンツは悲鳴を上げながらも何とか耐え切った。
俺が胸に視線を戻すと、その大きさは、グラビアアイドル並みになって、ブルンブルンと揺れていた。服もほとんどが破れ落ち、
多少筋肉質なその胴体はキュッとくびれている。身長も、俺より少し低いくらいになった。先程の少女からは想像もできないほどに、
色気が漂ってくる。顔も、スッキリとした大人のそれになっていた。…待てよ、あの顔、どこかで見たことが…
「プロトコル完了。継続して、プロトコル1091045-10を開始」
また何かを口走った。さっきの幼い声とは違う、魅惑的な、どこか、聞き覚えのある声だ。
地面に落ちていた服が、解けてドロッと水銀のような銀色の液体金属になり、融合している。そして、ベチャッと、豊満な体を銀色に包み込んだ。
大きなおっぱいは、ギュッと持ち上げられ、伸びた髪が、纏められ、結い上げられている。体に付いていた銀色は、黒に染まり始め、
スーツの形になって、固まった…間違いない、あの人は…
「プロトコル、完了。出勤開始…ん?」
しまった、気づかれた!
「お前、見たな…?」
「な、何も見てません!」
一環のオシマイだ!光線銃でも出てきて、消し炭にされるんだろう、俺…
ん?その人は、首を傾げて、考えるような表情でこっちを見ている。
「…人体情報特定…人格構成開始…完了…あ!あなた!うちの会社の、春日部くんじゃない!」
「は、はい!」
やっぱり、会社でよく見るあの人だ!あんまりおっぱいが大きいから気になってたけど。でも、何で、俺の名前を知ってるんだ…?
「私、益戸って言います!近くに住んでたんだ!」
「え、えぇ…奇遇、ですね…」
あれ、ひょっとして、この人、変身を見られたの、誤魔化そうとしてる…?
「あの…何で、俺の名前を?」
「私、ずっとあなたの事が気になってて…これから、よろしくね!」
「あ、よろしく…」
とりあえず、今殺されることはなさそうだ。