「いってきまーす!」
元気のいい少女の声が、空の朝に響いた。ランドセルを背負った小学1年生くらいの少女が、玄関から飛び出してくる。
彼女の名前は優美、実は小学5年生だ。
「あ、優美ちゃんおはよー!」
「おはよ!英梨ちゃん!」
その玄関先で、待っている中学生くらいの背丈を持つ少女、英梨。だが、彼女も小学5年生。
優美のクラスメートだ。
「忘れ物してない?」
「うん、宿題も、教科書も、筆箱も入れたよ」
「よし、じゃ、学校いこっか!」
「うん!」
そうして、一緒に登校を始めた二人。その道中、いつもの話題が持ち上がる。
「英梨ちゃん、大きくていいなー」
「またー?おっきいのも大変だよ?」
「でも、羨ましいよ!私、いっつも列の一番最初で、しかも2番目の美矢ちゃんよりもずっと背が低いの」
「あはは、でも、優美ちゃんも、きっと大きくなるよ!だって、優美ちゃんのお母さん、
すっごい背が高くて、おっぱいもものすごく大きいじゃん」
「でも、お父さんはそうでもないよ。きっと、私、お父さんに似たんだ」
優美のコンプレックスは、スタイルが抜群で、身長が中肉中背の父親よりもかなり高い母親のせいでもあった。
優美の身長からだと、母親が屈んでくれないと乳房に隠れて顔が見えない。それを体験するたび、
コンプレックスが深まっていくのだった。
「それでも、これから成長するって!」
「そうかな~」
そんな会話をしつつ、二人は歩み続ける。
「あ、裕也君だ!」
「えっ!?」
前に男子生徒の2人組が見える。
「優美ちゃん、裕也君のこと好きなんだよね」
「えっ、何言ってるの…」
図星だった。優美の心臓がバクバク言っている。
「あはは、顔真っ赤になってる!」
「英梨ちゃんのいじわる!」
だが、動悸が止まらない。優美は目をきつく閉じて、気持ちを落ち着けようとする。しかし、逆に脈は強くなる。
《ドキ…ドキ…ドキンッ!》
「ひゃうっ!」
「え、どうしたの、優美ちゃん!?」
「な、何でもないよ…」
一回異常に強い脈が打たれ、小さな叫び声を上げてしまった。だが、
《ドキ…ドキンッ!…ドクンッ!ドクンッ!》
「あっ…ひゃっ!きゃぁっ!」
「何かおかしいよ、優美ちゃんっ!」
脈拍は次第に全身への衝撃に変わっていく。優美が自分の小さな手のひらを見ると、
《ムギュ…ムギュ…》
「(え、何これっ!)」
その手のひらが、波を打つように膨らんだり縮んだりを繰り返している。
《ドクンッ!ドクッドクッドクドクドク…》
衝撃はその周期を縮めていく。胸に違和感を感じ、両手を、胸元に当てる優美。
《ピクッ…ピクッ…》
優美は、その胸のうえで、豆粒のように小さかった乳首が、大きくなったと思えば、
また小さくなるのを、手と同じように繰り返すのを感じた。
「優美ちゃん、大丈夫…?」
「だ…だ…だいじょう…ぶ…だ…よ…」
お尻がブルンッブルンッと揺れ始め、優美が手を当てると、その中で、激しい血流が起きているかのように、
トクトクトクトクと何かが揺れていた。
「優美ちゃん…足が…」
「え…?」
優美が下を見ると、自分の足が、手と同じように、何かに揉まれているかのように、グニュグニュと歪んでいた。
「優美ちゃん、お医者さん行ったほうが…」
《ドクンッ!!》
「きゃああっ!」
「ひっ!」
それまで全身に伝わっていたものよりも際立って大きい衝撃が加わった。英梨は、腰を抜かして、
動けなくなってしまう。優美の全身の蠢きは、先程よりも大きくなっていた。そして、それは始まった。
《ピクピクピク…ビクビク…ビクンッ》
「ひゃっ!」
数十秒前から、伸縮を高速に繰り返していた優美の乳首が、その振動を続けながら、巨大になり始めた。
それは、小学生のそれとは思えない、いや、高校生のそれをも通り越していく。
「(は、はずかしい…よ…っ)」
服にくっきりと突き立てられていた2つのテントは、日本人女性の平均を優に超える大きさまで育つと、その動きを止めた。
だが、すぐに、次の変化が優美を襲った。
《ムク…ブルンッ!》
「きゃぁっ!」
左胸が膨らみ始めたかと思うと、爆発するように前に飛び出した。
「な、なに…これっ!」
《ムク…》
「やっ…」
右胸もそれに続こうとするように、盛り上がる。
「膨らまないでっ!」
優美はそれに強く手を押し当てて抑えようとする。だが、
《ムギュ…ボンッ!》
「きゃっ!」
その手を押しのけ、さらに少し膨らんだ右乳房は、爆ぜるように大きくなり、右手をはねのけた。
その反動で、小さな体の優美は、後ろに手をついて倒れてしまった。耐えられない服に、襟から裂け目が入る。
《ズッ…ズッ…》
「今度は、なにっ…」
優美が音の方を見ると、自分の手のひらがアスファルトの上で伸縮を繰り返しつつ、
ゆっくりと、しかし確実にその面積を広げていた。
「や、やだ…」
優美は再び立ち上がって、大きくなっていく自分の手のひらを見つめた。
指は細く長くなり、自分のまだ短い腕との釣り合いが、失われていく。
《グッ…》
「うわぁっ!」
優美の目線が、急に高くなった。他の体の部分と同じように、足が伸縮を繰り返しつつ伸びはじめたのだった。
たまらず、優美は前に手をついて倒れる。その瞬間、腕の長さもグッと伸びたが、それでも、垂れる乳房の長さより、
腕のほうが短く、乳房は地面にピトッと付いていた。
「冷たい…」
足が伸びるにつれて、腰の位置が上がっていく。
《ビクッ…》
「ひゃ…」
尻に衝撃が走る。
「もう、膨らまないで…おしり大きいのはいや…」
体重を顔と乳房に任せ、両手を臀部に伸ばす優美。だが、先に伸び始めた胴体のせいで、なかなか腕が届かない。
「やだ、止めさせて、お願いっ!」
思い切って腕を後ろに伸ばすと、やっと尻に手が届いた。しかし、
《ムク…ムク…》
その手は次第に膨らむ尻に押し上げられていく。そして、
《ムククッ…ボンッ!》
「きゃぅっ!」
結局、尻の膨張は止められなかった。しかも、その膨張は続いているようだった。足の成長が終わり、優美はようやっと立つことが出来た。
そして、隣に立っている英梨を見ると、自分のキュッと締まった腰くらいの高さになっていた。
「えっ…そんなに、私の背、高くなったの…?」
だが、目線の下でブルッと揺れた乳房に、優美は注意を奪われた。
《ムギュッ…》
「ま、まさか、まだ大きくなるのっ!?」
優美は無意識のうちに、その長くなった腕で、乳房を抑えようとした。
だが、長さが足りず、多少潰さないと抱きかかえることができなかった。
だが、それでも足りないというふうに、乳房は膨張を続け、腕を包み込んでいった。そして、優美に最後の衝撃が走った。
《ドクンッ!》
「きゃっ!」
その衝撃とともに、乳房がもう一回り大きくなり、優美の腕をはねのけた。
襟から入っていた裂け目が、ビリッと大きくなり、乳房の大部分が露出されて、その変化が終わった。
「なにが、どうして…」
英梨がぼそっと呟いた。完全に放心状態だ。
「あ…あ…いやぁーっ!」
優美の方はパニックに陥り、元きた道を、その豊満な肢体を懸命に動かし、駆け戻っていった。
そして、家に戻り、玄関から、母親に助けを求める。
「お母さぁん!私…おかしくなっちゃったよぉ…」
それを聞きつけた母親が台所から駆け出てくる。そして、娘の体を見て、言った。
「あら…あなたはこんなに早く、それを体験したのね…ずいぶんと大きくなって…」
「え…どういうこと?」
「私の家系はね、ある年齢を超えると、体がそういう風に大きくなって、一生そのままになっちゃうの。
あなたにも、それが遺伝したってことね」
「いでん…?」
「とにかく、練習すれば元の体に戻れるようになるから、ね?」
「練習?」
「でも、気を抜いたらすぐにボンッ!って体が膨らんじゃうの…」
「そんなぁ…」
かくして、優美は自分の体の秘密を、トラウマになるような方法で知ったのだった。