発作

「きょ、今日はだいじょうぶだよね……?」

カレンダーを見ながら不安そうに見つめる小柄な少女は、中学生の襟居 ミカ(えりい みか)。今日は初恋の相手、クラスメートの港 健(みなと たける)とテーマパークにデートの日。彼女は流行のスタイルで身を固め、薄めの化粧をしてハンドバッグを手にし、出かける準備万端である。テーマパーク向けではないかもしれないが。

「あら、まだいたの?」
「あ、ママ」

洗濯物をしているらしい母親は、不安げな娘の表情を見て察した。

「アレのことで悩んでるんでしょ?大丈夫、きっと神様はミカの味方よ」
「うん、そうだよね……きっと大丈夫」
「ほら、行ってらっしゃい」
「うん!行ってきます……ってこんな時間!?うわああ!!」
「気をつけてね!!」

玄関から飛び出していくミカを見届けると、母親の表情は一気にミカと同じような不安に変わった。彼女には、ある秘密があったのだ。

「うー、電車思ったより混んでる……」
「土日でもこんなに混んでるんだね……」

すんでの所で集合時間に間に合ったミカは、健と一緒に上り列車に乗り込んだのだが、土日とはいえラッシュ帯の時間で、電車には人が詰め込まれ、平日のラッシュとそれほど変わらない混み具合になっていたのだ。

「(でも、健くんとくっついていられるのは嬉しいな……)」

顔を見合わせるように立っていたおかげで、ミカと健は恥ずかしくなるほどに相手の顔を見ることができた。それに、背の低いミカは、つり革に掴まった尊に抱きつくようにして立っていた。ミカのボルテージも上がっているようで、鼓動が強く感じられるようになっていた。

「(これが、恋のドキドキなのかな……)」
「今日は何に乗ろうかな?ジェットコースターとか?」
「あ!う、うん……身長制限に引っかからなきゃいいね」
「あ、そうだね……」

ミカは、小学生にも劣る背丈のせいでこれまで何度も憂き目にあっていたのだった。

「(なんだろう、緊張してきたのかな、この、ドキドキ……ち、違う!)」

そこで彼女は思い出した。「その」発作のことを。

「(だ、ダメ……今はダメ……!)」
「ミカちゃん、大丈夫?」
「え?うん!大丈夫だよ!!気にしないで!(杞憂でありますように!)」
「そう?」
「う、うん!」

しかし、その予感は段々現実のものとなっていた。心臓の鼓動は強くなる一方で、ミカは自分の体の中を、熱い血液が駆け巡っている感触を確実に感じていた。

『まもなく東山村……』
「(も、もうちょっとだから……とにかく健くんの前じゃダメ……!)」
「すごく、苦しそうだよ!?」
「そ、そんなこと……ない……よ!でも、次の駅でちょっとおりないと……!んっっ!!」

脳から全身へと大量のホルモンが行き渡り始めた。体はそれに呼応して、ビクンビクンっと痙攣を始めていた。

「そんなに、苦しいの!?」
「ん、んんっ……だ、だいじょうぶ……ぅっ!!」

全身の細胞が激しく活動し始め、もはや暴走の域に入った彼女の体は、グニグニと形を変える。その動きは、ミカの体に接触していた健にも確かに伝わった。

「ミカ……ちゃん?」
「も、もう……抑え……られない……ぃぃっ!!!」

そして、「それ」は始まった。健の前で、ミカのシルエットが大きくなり始めた。最初に目についたのは、その身長だ。足がグキッ!バキッ!と言いながら大きくなり、上半身も同じように伸びていくせいで、抱きついている腕の位置がグイグイと上に上がり、目線の高さもあっと言う間に健を追い越していく。

「ま、また大きくなっちゃう……!やだ……!やだぁっ!!」

服の丈が合わなくなり、手足がその袖口からニョキニョキと生えてくるようにも見える。その太さも、着実に太くなっていく。

「あ、服、きつ、……やぶれ、ちゃうっ!!」

上に着ていたシャツの、広めの襟がさらに広くなり、ついには生地にビリッ、ビリッと穴が開いていく。その下で、プクッと突起が膨れ上がり、破れかけの三角形のテントが出来上がった。

「お、おっぱいが……あついよぉ……!!」

他の部分と比べて遅れてホルモンが分泌された胸は、血液が送り込まれるごとに成長し、ムクッ……ムギュッ!ムギュギュッ!!と段階的に、膨張する。もともと弱くなっていた服はビリビリと破かれ、今は完全に逆転した身長差のせいで、健のまさに目の前で、バインッ!!と成熟した爆乳が飛び出し、彼の顔を直撃してしまった。しかも、それは膨らむことをやめてはいなかった。

「んっ……あっ……!!」

ミカが喘ぎ声を上げるごとに、2つの果実はボワンッ!と大きくなり、健の顔はムギュッと包まれていってしまった。

「も……もう……あぅっ……!いやぁ……」

泣きだしてしまったミカだったが、他の乗客との隙間が肌色の柔らかい物質でいっぱいになるまで、成長は終わらなかったのだった。

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投稿者: tefnen

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