菊月妄想2-2

「新人ちゃん、お疲れ様!いつもより潜水艦の位置が分かりやすくてよかったにゃ!」
――帰ってそうそう、睦月がキクに抱きつくと、キクの巨大な乳房に顔が当たって、ボヨンと揺れる。
「あ、あっ……」
慣れない、柔らかい感触に、睦月は少し狼狽しているようだった。

「ごめんね、キクちゃん……でもっ!」
「ひゃぁっ!」
今度は如月が、キクの胸をガシッとつかんだ。

「おっきすぎよぉっ!キクちゃんのおっぱい!司令官をどうする気!?」
「や、やめっ……んぁっ!」
胸をもんでもんでもみまくる。如月らしくない行動にキクはどうすることもできず、ただ喘ぐだけだった。加えて、如月は司令官の身を案じて、怒っているわけではなかった。

「ねぇっ、教えてよっ!!」
その顔は、やましいことを考えて興奮しまくっている変態の顔であった。寒気を感じたキクは本能的に如月から離れた。
「な、なにもしないぞ!」

如月は胸を揉む姿勢のまま少し硬直していたが、すぐに落ち着いた。
「あっ、ごめんなさいね。キクちゃんが大きくなったのは、自分の意志じゃないものね」
だが、如月は懲りずにキクに近づいていっていた。それを止めたのは、キィだ。

「おいおい、キクも疲れてるだろうに……その辺にしておいてやれ」
ここまで静観していたキィが言うセリフでもないようにキクは思った……

――そして菊月部屋に戻る。

「まぁ、如月は睦月型の中で一番体のメリハリがあったからな」
「メリハリ……?」

ぽかーんとするキクに、キィは思わず苦笑いである。いまや睦月型どころか艦娘を全員集めてもキクに勝るダイナマイトボディなどいない。実際司令官も鼻の下を伸ばしていたのだ。

「如月も、それは怒るだろう」
「ん……?如月が怒っていた?」

――キィはあのニヤけた顔を見ていなかったのだろうか。キョトンとした顔をしあう二人。

「まさか、気づいていないと……?まあいい、キクは私のものだ。私が守ってやる」
「あぁ…………うむ」
キィの表情は私を頼っていいぞ!という頼もしいものだった。と同時に、ほめてほめて!とも訴えているようにみえた。試しに、キクはキィの頭をなでてみた。

すると、キィはニコッと笑顔になる。
――かわいい……と、目の前で喜んでいる小さい子に庇護欲が生まれ……

……段々と独占欲に変わっていく。

――私は、キィのもの……なら、キィも、私のもの……

キィが自分の感情が漏れていることに気づいて、凛とした表情に無理矢理戻したことで、キクの欲望は高まっていった。

「おい、撫でるのをやめ……っ!」

キィの目に映ったキクの表情は、ついさっきまでのオドオドしたものではない。それは、キクを支配したい、自分のものにしたいという歪んだ笑顔だった。

「ひっ……!」
「怯えるキィも、かわいい……」

キクは頭を撫でるのをやめないまま、キィを座らせ、仰向けに寝かせる。キィの方も無意識にキクに従ってしまう。朝とは完全に攻守逆転した二人。杏仁豆腐を食べた直後に出現した、性欲にまみれたキクが、再び現れたのだ。

「昨日の続きだ……」
「あ……あ……」

キィのスカートが脱がされ、上着も全部はがされる。キクも上の服を脱いだ、その時だった。扉が、ギィッと音を立てて開いた。

「み、三日月……?」
「ん……?また邪魔に来たのか……?」

外にいたのは、長く黒い髪、金色の瞳、大きくはねた一房の前髪。10番艦の三日月が、うつむいて立っていた。そして、その手には……

「まさか、それは!」
「そう、杏仁豆腐……ですよ」
そう言ってゆっくり顔を上げた三日月もまた、キクのように歪んだ微笑みを浮かべていた。その手で持つ小さめの小鉢に、どこで手に入れたのか、昨日の杏仁豆腐が入っている。

「ふふ、そうか……面白い……」
キクは不敵な笑みを浮かべ、必死に三日月を止めようとするキィを床に押さえつける。

「三日月に、キィはやらんぞ」
「大丈夫ですよ、キク姉さん……」
三日月は、小鉢の杏仁豆腐を、口に滑り込ませた。そして、ひと噛みもせずに飲み込む。

「……欲しいのは、キク姉さんの方ですから……」
キクたちの方に歩みだした三日月の足が、スカートから伸び、三日月の身長が伸びていく。スカーフを外し、上着を脱いだときには、彼女の胸が膨らみだし、ムクムクと大きくなって、キクのそれと同じか、少し小さいくらいに成長する。ぷにぷにしていた子供の短い腕は、皮下脂肪を適度に蓄えながら伸びる。

「どうしたんだ、三日月、お前らしくないぞ!」
「キィ姉さんは、黙っていてください、ね?」
三日月から感じるとは思っても見なかった圧倒的威圧感に、キィは動けなくなってしまった。その間にも、三日月の体の変化は続く。脚にもむっちりとした脂肪が付き、スカートはくびれたウエストに巻き付いて、膨らんだヒップを隠しきれない。三日月は、歩きながら、自分の体についたウエストラインをなで、胸や尻を触って、成長を確かめる。そして立ち止まって、キクに向かってニコッと、いや、ニヤッと、笑顔を向けた。

「私だって今なら……キク姉さんをイカせられるんです……」
そして、キィを拘束するために四つん這いになっているキクに後ろから抱きつき、首筋をペロッと舐めた。

「んんっ……!」
キクは予期しない快感に全身を震わせる。何とか耐えたが、キィの拘束は解けた……とはいえ、信じられないほどの変容を遂げた二人を前に、キィはただ打ち震えることしかできなかった。

「三日月、昨日の仕返しか……?」
「違いますよ……恩返し、です」

三日月はまた立ち上がって、一瞬にして成熟した体を二人に見せつけた。
「この快感に目覚めさせてくれた……だから、キク姉さんにも快感をあげます」

キクはキィの横に体を横たえ、キィを抱き寄せた。固まったままのキィに頬ずりをしたあと、三日月と同じように、体をくねらせ、ボディラインを見せつける。
「キィとの時間を邪魔しなければ、それでいいのだが……?」

「そうは行きませんよ、姉さん」
三日月はキクに胸を押し付けるように、自分も床に横たわる。
「私も、もっと楽しみたいんですから……」

投稿者: tefnen

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