白い惑星(天彦コテさんから白扇さんをお借りしました)

天彦コテさん(http://www.pixiv.net/member.php?id=2570859)に許可をいただきこの方のオリキャラである爆乳狐っ子の白扇さんを、私の書ける範囲まで巨大化させてみました。


日本のある日本家屋。そこに、二人の女性が住んでいた。

「そろそろお帰りかしら…」

時計を見ながら呟く、銀白色の長い髪を垂らしている、身長190cmほどの、背の高い女性は、白扇(びゃくせん)。女性といっても、その髪からはスッと一対の狐耳が立ち、腰からはふかふかした尻尾が生えている。白扇は狐の神なのだ。ただその彼女を狐たらしめている特徴の他にも、着ている振り袖の胸の部分を、大きく押し上げる乳房はそれ一つ一つがビーチボールが入りそうなほど大きい。

「とーさま遅い…」

白扇に寄り添う、小さな女の子は九音(ここね)。二人が待っている男性の人間、天彦と、白扇の間に生まれた人と神のハーフである。母親の外見とかなり似ているが、白扇の豊満で長身な体型は受け継がれていないのか、華奢だ。それに、白扇がアメジストの瞳と銀色の髪を持つのに比べると、九音は全体的に桜色が混じり、髪も肩までしかとどかない、フワフワとした内巻きのくせ毛だ。

そんな二人に、呼び鈴が父親の帰宅を知らせた。

「とーさま!」

九音はすぐに玄関に駆けていき、引き戸を開けた。

「とーさま!とーさまおかえり!」

白扇も微笑みをたたえながら九音に遅れて玄関に脚を運んだ。

「おかえりなさい」

九音に抱きつかれ、頭を撫でている天彦に、声をかける。

「白扇さん、ただいま帰りました」

その顔は、冬の冷気で熱を奪われたのか、すこし青ざめているようだった。白扇は、用意しておいた夕食を告げる。とっておきの、秘密の材料をふんだんに使ったものだ。

「お疲れでしょう。今日はお手製のクリームシチューですよ」
「そうですか!それは楽しみですね」
「さ、上がってください」

白扇は天彦の部屋についていき、服を着替えるのを手伝う。乳房がむにむにと当たり、天彦の耳が赤くなっているのをみて、白扇はクスッとしながら言った。

「今日も、お疲れ様です」
「いいえ、そんなことは…」

一連のことがすむと、二人は共に食卓についた。

「じゃ、いただきます!」
「どうぞ召し上がれ」

天彦は食器を手にとって、シチューをゆっくりと口に入れると、すぐに満足そうな表情になった。

「おいしい…」

彼の褒め言葉に、白扇の心は浮き上がった。

「あなたの言葉、嬉しいです……頑張って作った甲斐がありましたね、九音」
「とーさまの為に二人で作ったんだよねっ!」
「そうなんですか。じゃあちゃんと味を確かめて食べないと」

天彦はシチューを一口一口、ゆっくりと食べていく。そうするごとに、目を閉じ、味を確かめているようだ。食べ終わると、天彦は惜しそうに言った。

「ああ、もうなくなってしまった。美味しかったなあ、もっと食べたいですね…」
「あら、それではミルクをもっと沢山お作りしないと」

実は、シチューの秘密の材料とは、白扇自身からでた母乳だったのだ。

「えっ、白扇が作ったんですか…通りで」
「ええ…また、余計なことをしてしまいました?」
「いえいえ、これ以上の満足感はどうやっても得られませんよ…」

白扇の綺麗な尻尾がパタパタと勢い良く動く。よほど嬉しいらしい。

「では、今からでもお作りしますね!」
「え、ちょっと…」

自分の能力で乳房を膨らまし始める白扇。肌色の部分が振り袖からムクムクとその姿をのぞかせ始める。だが、天彦はそれを制した。

「なんですか?」
「今日は、大丈夫ですよ…」
「そ、そうですか…」

少しシュンとして、耳が垂れてしまう。天彦は申し訳無さそうな顔をしているが、それ以上なにか言う前に、白扇は異変に気づいた。

「あ、あれ?あ、あなた…ちょっと…」
「どうしたんで…あ!」
「母さま!」

膨らますのを止めようとしても、胸の双丘は隆起を止めない。

「ど、どうしましょ…止まらないわ!」

ムギュムギュと育っていくそれは、不思議な力で支えられているように垂れること無く、どんどん大きくなる。食卓の上を覆い尽くしてしまったそれを、身長が高く、豊満な体を持つ白扇も支えきれなくなっていく。

「白扇!」
「お、重いー!あ!」

ついに白扇がバランスを崩し前に倒れてしまった。食事用の机をぶち壊して、床にドタプーン!と胸の洪水が起こる。

「大丈夫ですか!」
「発情期でも無いのに、こんな、はしたない事を…でも胸に飛び込んでくる神通力が止まらないんです…それに、気持ちよくって、もう、なんて言ったらいいのか……」

今や白扇の体は胸の上に乗っかっている。不定期に訪れる発情期にはこれくらいの大きさにして天彦を誘ってくることもあるのだが、今の彼女は涙顔で、とても恥ずかしそうだ。

「とーさま、母さまを励ましてあげて!」

九音がすがるように天彦の脚にくっつく。すると天彦は少し考え、決心したようにその柔らかい膨らみに抱きついた。

「ひゃうっ!?あ、あなた一体どこを……」
「俺の大好きな白扇……俺を包み込んでくれ!」
「九音も母さまのこと好き!」

それは部屋を満たしていく。

「ああ、それでも、止まりません……」
「いいさ、俺はついていくよ……」
「九音もついてく!」

白扇の膨らみ続ける乳房に、二人は掴まっていた。ついには、家をいっぱいにした2つの球体は、家の構造を歪ませていく。家中の柱や梁がギシギシときしみ、ベキッと折れたりバキッと破断する。

「もう、もう、わたしっ!」

家の木材を吹き飛ばすように、ドンッと大きくなった。建材が粉々に砕け散り、家は一瞬で瓦礫と化した。

「はぁっ……あ、あらあら……直すのが大変……あら?」
「どうしたんです……?あっ!」
「母さま、大きくなってる!」

今や大きさを増しているのは胸だけではない。白扇の豊満な体全体がムクムクと大きくなっていた。しかし、敷地を満たし始めた、直径が20mはある肌色の柔球に乗っている状態は、全く変わらない。

「確かに、全身が熱くなってる……どうしましょう……」

その落ち着いた声と裏腹に、乳房はドドドドと庭にある井戸や納屋、とにかく全部のものを押しのけ壊し、自分の存在する場所を増やしていく。

「これは、すぐには収まりそうにありませんね」

天彦も、もうどうにでもなれ、と言った感じに落ち着いている。白扇は神であるし、神通力が体の中に溜まっていっているなら全て元通りにできると踏んでいたのだ。

「そうですね……」

庭の塀と生け垣をバサッとなぎ倒し、道に溢れ出す乳房。天彦たちがいるところは、もはや10階建のビルより高い。それに、膨張のスピードは加速度的に上がって、直径が30mから50m、50mから100mとドンッドンッと毎回何かが爆発するかのように大きくなり、どんどん周りの土地をえぐり返し、吹き飛ばしながら侵食していく。隣の家などはもう潰されてしまった。そして、今は3階建てのマンションに圧力をかけ始めたと思ったら、次のボワンッとした胸の爆発で、倒壊するというより飲み込まれてしまった。

「わぁい、母さまのお胸ふかふかー!」
「こら、九音……」

肌色の文字通り丘の上ではしゃぐ娘を諌める白扇の声は、今は街中に響く。身長はもう10mを超え、小さな九音の声をどうやって聞いたのか、わからないほどだ。

「俺も気持ちいいですよ」
「あなたまで……」

街の明かりに照らしだされる2つの球体の上で、白扇は半ば困ったように微笑んだ。

「もう、しかたないですね…ひゃぅっ!?今何かピリッと……」

ついに近くの高圧電線に達した、東京ドームにも収まらないであろう乳房が、それをプチッと切ってしまったのだ。

「はうっ!……気持よかった……ハッ……」

その電撃が、白扇の体に伝わっていた。電源を失った街は、フッと暗くなった。暗い中で、ゴゴッゴゴゴゴッと膨張を続けるそれは、頑丈な鉄筋コンクリートで作られた町役場や学校をいともたやすく飲み込み、押しつぶしていく。

「わたしのお胸が……コリコリするっ……ひぃっ!?」

コンクリートが立てるゴロゴロという音が、雷嫌いの白扇の耳に伝わったようだ。何が起こっているか察しがついていた天彦は、そんな彼女をからかうように言った。

「雷神様を、怒らせてしまったかもしれないですね」
「えっ!お助けを!」
「くわばらくわばらー!」

白扇に加えて九音もそのピンっと立った耳を手で押さえて震える。その身長が1kmになっている、巨大な体の震えは10kmを超える乳房にも伝わり、大地震を巻き起こしていたが、そこまでは気づかない天彦だった。

「あはは、冗談ですよ。雷では、無いと思います」
「え?もう……あなたったら……」
「とーさまの意地悪!」
「あら……?」

白扇は遠くに見える港町の明かりを見て、目を輝かせた。

「綺麗……」
「そうですね……」
「ひゃっ!冷たい!」

30kmを超えるようになった乳房が海にも入り込み、冷たい水に浸かっているのだった。段階的にボワンッと大きくなる巨大な質量のせいで、船舶は転覆を免れず、津波が起きてしまうほどだった。

「ね、ねえあなた、あなたったら!」

白扇が天彦を見ると、なんと凍りついていた。高度はもう対流圏から抜け、成層圏の真ん中。気温は今は上がっているものの、マイナス40℃で、人体が耐えられるわけがなかった。

「とーさま、大丈夫!?」
「わたしとしたことが、今治してあげますからね」

白扇は天彦にふーっと息を吹きかける。すると氷はすぐに溶け、天彦は元に戻った。

「結構、高くまで来ましたね……富士山もあんなに下に……って、どうしたんです?」

凍っていた時の記憶がないようだ。心配そうに見つめる巨大な白扇の顔――今はそれだけで1kmくらいの大きさがあるが――を見て、きょとんとする。気が緩んだのか、白扇は吹き出してしまう。

「だ、だからなんですかって!」
「いいんです、それに、いい景色ですよ」

高度は200kmに達していて、雲の上から日本列島の形がくっきり見えていた。同時に、地表では肌色の巨大な何かに飛行機は衝突し(というより飛び込んで包み込まれ)、地面はえぐられ、山は削られ、街は潰されて、とどめを刺すように、それがゴゴゴッと大きくなる度に衝撃波が生まれて、何もかも破壊されつくされていた。

「んっ……!ちょ、ちょっと冷たいですけどっ!それに、またピリピリっ!」

ほぼ真空で凍りつかないほうがおかしい高度にある体の方は耐えられているのに、胸の方は感度が高いらしく、太平洋の冷水で白扇は刺激を受け続けているようだ。それに今度は本物の雷が繊細な肌に襲いかかっていた。白扇は少し顔を赤らめている。

「段々、収まっては来ていますけどね……!」
「あはは、そうですか……」

それも白扇の体熱が海水に移るのに加え、地上にあるもの全部を足しあわせても追いつかないほどの大きさの胸が、爆発的に膨張する衝撃で、海水が撹拌されて温まっていたのだ。もうその大きさを図れるものといえばどこかの小惑星程度だろう。それでも、止まること無く成長していく。

「あら、月が……気持ちいい……」

白扇の体に、沈んでいた月の月光が当たり始めていた。すると、成長の度合いがこれでもかというくらいに高まり、白扇の乳房は一気に日本列島と日本海を覆い尽くし、大陸プレートが、偏って掛かった重さに耐え切れず折れてしまった。

「ひゃっ、あついっ!」

その下から出てきたマントルが白扇に仕返しするように刺激する。返しうちするように白扇の球体はユーラシア大陸と太平洋をあっと言う間に覆い、地球の形が歪んでいく。

「今度は、太陽が……あら……」

当たり始めた太陽光に呼応するように先端からピューッと白い液体が出始める。しかしピューッというのは白扇から見た母乳の出方の例えであって、地表では地殻を削り取るドリルのようにゴゴゴゴッッッ!!!という音を出して地面に当たっているのだった。あっと言う間に地表は白い液体で満たされ、地球の裏側まで、真っ白に染まってしまった。今や地球は白い惑星だ。

「ちょ、あ……!」

乳房の巨大化も衰えを知らず、地球を3分の2は覆っている。もはや地球にそれを支える力はなかった。グシャッという音を立てて、地球は白扇の乳房に潰された。

「あらあら……」

今となっては地球は乳房が発する重力に引きつけられる、白扇の母乳に混じったただのケイ素の塊だ。

「どうしましょうかね……」

天彦の声が乳房の上から聞こえてくる。体の大きさは何億倍も違うが、白扇はその声が聞こえてきた方にニコッと笑って言った。

「もとに戻すのは簡単ですよ、でも、今は3人だけの時間を楽しみましょ……」
「ふふ、そうしましょうか」

白扇と、彼女の力で大きくなった天彦と九音は、太陽の光を浴びながら、しばらく宇宙を舞うことにした。地球の10倍、100倍、1000倍とますます拡張していく白扇の乳房は、その大きさに対して石粒程度しかない月を、さも液体であったかのようにクシャッと潰してしまう。

「かーさま、お月様が!」
「まあ……どうしましょ……」

太陽系の中で一番大きな惑星である木星のサイズまで膨らみ、今なお膨らむことを止めない乳房は、火星を吸い寄せて飲み込み、ついに太陽に近づいた。

「すごい力を感じます……!……んあっ!」

太陽の何万倍にも膨張した肌色の双球は、いとも簡単に太陽を破壊し、吸収した。それに呼応するように白扇の体がほのかに光りだした。

「おっぱいからすごい力が……これは……わたしが太陽に取って代わってしまったんですね!」
「さすが白扇です」
「うふふ」

太陽系の真ん中を埋め尽くす白扇の乳房は、他の星系に近づくまで大きくなった彼女が、さすがに辟易して全て元に戻すまで、周りの星々に淡い光を放っていた。

投稿者: tefnen

pixiv上にAPまたはTSFの小説をアップロードしている者です。