感染エボリューション 9話

「んっ……朝か……」

美優は、窓の外から聞こえる小鳥のさえずり……ではなくカラスの鳴き声で、ベッドから身を起こした。拉致され、なんとか戻ってきた昨日までのことが、まるで夢であったかのように感じられた。それが現実であったということの証拠は、何一つ無かったのだ。

「朝ごはん食べて……学校いこ……」

しかし、その声にはいつもの元気らしさは無い。沢山の出来事に翻弄され、体力が回復しきっていなかった。重い足取りで、居間へと向かっていくのだった。

「おはよう……あれ?」

学校についた美優は、始業時間ぎりぎりであるのに、伍樹の姿がないのに気づいた。結子は、心配そうな目で空いた席を見つめている。それでも、美優が入ってきて教室がざわつくと、やっと美優の方に目を移し、ニコッと微笑んだ。美優も微笑み返すと、自分の席へと歩いて行く。

「おはよ……」
「おはよう。美優ちゃん、元に戻れたんだね……」
「あ、うん……」

美優は昨夜までに起こったことを打ち明けたかった。しかしそれは、結子を巻き込むことになるのではないかと、その時はためらってしまった。そうこうするうちに、担任の龍崎が教室に入ってきた。

「今日もいい朝だな!出席を取るぞ!」

龍崎の目が、小さな体に戻っている美優に向けられているのを、クラスの誰もが感じ取った。

「ふふふ、じゃあ行くぞ!!青……きぐぅっ……!!」
「僕の名前は青器具じゃないです……」

教室中から笑い声が起きるが、それを結子が制した。

「ちょっと待って、先生変じゃない!?」
「本当だ、何が起こってるの!?」
「悪いものでも食べて当たったのか!?」

龍崎は身を抱えてうずくまってしまった。が、次の瞬間、その頭を覆っている黒い髪の毛がバサァッっと伸びた。

「く、く……苦しいっ!!うがぁっ!!」

今度は逆に胸を前に突き出すようにして痛みを堪える教諭。来ていたジャージが破れ、たくましく鍛えられた胸筋が強調されたのもつかの間、その先にボロンっと突起が現れた。

「いや、やらしい……」
「じゃなくて、先生を保健室に連れて……」
「うああああ!!!」

教室どころか、廊下にまで響き渡る声を出すとともに、教諭の胸の筋肉はゴリッ、ゴリッという音とともに消え去ってしまった。一瞬間を置いて、別の何かが胸から飛び出してきた。

「まさか、あれって……」
「おっぱい、だよね……」

ゴリゴリと萎縮していく胴の上で、その膨らみはブルンブルンと揺れながら前に突き出ていく。そして、破れたジャージからは深い谷間が形成されていくのが見て取れた。何も変化は胸だけではない。ゴツゴツとした顔立ちは鳴りを潜め、面影は残しつつも龍崎の顔は女性そのもののものになっていた。尻は後ろにプリっとでて、体全体の萎縮でぶかぶかになってしまったジャージが引っかかり、ずり落ちないほどの大きさを持つほどだ。

「ちょ、ちょっと、先生が……」
「女の人になってる!」
「しかもかなりデカイぞ!ふがっ!」

デリカシーを知らない男子生徒が女子生徒に殴られる音がしたと同時に、龍崎の変身も終わった。

「せ、先生?大丈夫?」
「……大丈夫?何が?バカなこと言ってないで、座りなさい」
「「えっ!?」」

龍崎は、何もなかったかのようにケロッとした顔で、心配して近寄った生徒を諌めた。

「なになに、何なのよ。みんなしてどうしたの?」
「い、いえ……先生は、男……ですよね?」

同じ生徒が尋ねる。当然、肯定されるはずだった。しかし、

「……あなた、放課後職員室に来なさい。お灸をすえてあげる。分かったら、席に戻りなさい」
「は、はぁ……」

ドスの利いた声で、というより殺気じみた低い声で、叱咤されてしまう。何もかもわけが分からず、クラスにいたほぼ全員が、困惑の表情を浮かべていた。残りは居眠りか、ケータイをいじっているだけだ。

「ふふふふっ、いい表情ねぇ……八戸美優の、クラスメイトさん達……」

突然、唐突に廊下から入ってくるのは、豊満な体型の、キツキツの白衣を何とか羽織っている女性だった。美優には見覚えがあった。というより、忘れ用としても忘れられない顔。つい昨日逃げ出してきたばかりの研究所の所員、二本木頼子だった。体にはチューブが繋がれ、常に何かが吸いだされていた。

「だ、誰?あなたたち、勝手に……」
「寝てなさい」

自分を押し止めようとした龍崎に、二本木はスタンガンを容赦なくかました。そして、生徒の方に振り向くと、研究員らしい説明口調で語りだした。

「先生には、女性化する薬、いいえ。ウィルスを飲んでもらいました。効果こそ違いますが、そこにいる、八戸美優さんが体の中に持っているウィルスと基本的には同じです。そして、私達はウィルスを殺す抗体を持っています……」
「じゃあ、早く戻してあげてください!」
「……話は最後まで聞いてください。一度ウィルスに感染した人間は、研究所で手術を施さないと元には戻せません。先生はそれで直せますが、美優さんに限っては、私達でも手の施しようがありませんでした。もし身柄をお渡しいただけないと、このままウィルスは際限なく広がっていってしまいます」

美優は、二本木が事実と全く異なったことを言っているのに気づいた。昨日、二本木は美優を治療するどころか実験体にし、ウィルスの効果を測ったではないか。彼女は反論しようと席を立とうとした。その時だった。

(フエル……)
《ドクンッ!!》
「きゃあっ……!!!」
「おや、ウィルスの症状がどれだけ苦しいことなのか自分で見せてくれるらしいですよ」

あの衝撃が再び彼女を襲った。机に押し当てた小さな掌がグニグニと形を変え始めていた。

「み、みんな……っ!……うぐっ……!」

その一言ごとに、体の至る部分が成長し始め、服がギチギチと悲鳴を上げる。特に胸の部分はボタンをブチッと一気に吹き飛ばし、一気に爆乳のレベルに達していた。

「危ないから……!逃げてぇっ……!!」

服を破り成長し続ける美優をみて、他の生徒達は何かの化け物を想起したのだろう、悲鳴を上げパニックになりながら教室から出て行った。

「あらあら、感染しにくくなっちゃうじゃないの」
「あなた達は、何が望みなんですか!?」
「結子……っ」

元の体積の何倍にも成長する体全部からくる痛みに耐えながら、美優は結子が一人残ったことに涙を覚えた。結子もそれを見たのか、美優に頷いた。

「大丈夫、私がついてるから」
「結子……!ひゃ……っ」
「美優ちゃん!?」

美優の変身の様子がおかしかった。胸が大きくなるのはいつものことだが、今度は腹部が膨らみ始め、いつのまにか三つ子を孕んだ臨月の妊婦のようになっていた。しかも、まだ中から蹴られるようにボンッボンッと揺れながら膨らみ続けている。

「お、おなか……爆発……しちゃうっ!!」
「ふふっ、いいざまね……!」
「み、美優ちゃんに何を!!」
「私の研究所をオジャンにしてくれた報いよ。スポンサーが社会的地位を失って、なにもかもできなくなった。それで、何もかも、むちゃくちゃにしてやろうってわけ。危険な薬品もたくさん使ってね……でも、今の変身は私のせいでもなんでもない。中にいるウィルスが、暴走でもし始めたんでしょ」
「ぐっ……あ……うっ……!!」

際限なく膨らむ腹からでた球体は、教室の天井につくほどの大きさになり、張り詰めたその表面には血管が浮き出ている。巨大な乳房と合わせて、3つとなった球体は、ブブ……とゴム風船をこするときのような音を出しながら、今にも破裂しそうだ。

(変形……発射用意……)
「えっ……」

その膨らみの下でジタバタとしていた足が、ビシッと直径50cmほど円柱形に変わった。その真中には穴が繰り抜かれ、まるで大砲のようになった。そして。

(発射)
《ブシャァッ!!》

穴から、大量の水が吹き出た。その水圧は、水があたった壁をうがった。その水を蓄えていた美優の体はしぼみ、反動で逆方向に動いていく。

「な、なんなの!こんなこと、プログラムした覚えは……!」

その水流は、向きを変えて二本木に近づいた。

「こ、このままじゃ……見てなさいよ、これからどうなるか!」

たまらず、元研究員は逃げ出していった。しかしそれで水流は止まらず、美優は窓の方向に向かって急速に加速していった。

「ま、まって、このままじゃ!」

なすすべもなく、美優は窓の外に放り出されてしまった。

環境呼応症候群 月給の子

「はぁ……今週もバックダンサーしかやらせてもらえないなんて……それに、1回だけ……」

アイドル、月野興子(つきの おきこ)は、事務所のソファに座り、悩んでいた。それなりのプロポーションに、均整がとれているが、それなりの顔。人気がでるはずもなく、後輩に追い抜かされる日々。焦りを感じつつも何もできない彼女は、引退を考え始めていた。

「OLになった在香の方が給料高いって……こんなはずじゃなかったのに……」

電話のSNSアプリに映る友人の写真を見て溜め息をつく。その時だった。

《ピリッ!》

「ひゃっ!?」

興子は突然体に走った電撃に、飛び上がってしまった。

「な、なに?静電気?……冬は乾燥するもんね、お肌に気をつけないと……」

いつもクリームを塗って保湿している腕を見た興子の口が開いたまま閉じなくなった。なんとその腕は、急激に小さくなっていく。それは、腕だけではなかった。

「え……な……服が、大きく……周りが、大きくなってる!!」

確かに、興子に対して、周りの世界は拡大しているようにみえる。しかしそれは、興子自身が小さくなっているゆえだった。

「え、私、小人になっちゃうの!?」

その発言が間違いであることを、落ち着こうとして触った胸が告げた。Bカップほどあった膨らみが、跡形もなく消え去っていた。彼女は、10歳ほどの少女に若返ってしまったのだ。

「ど、どういうこと!?私……」

言葉を遮るように、急に扉が開いた。そして、興子のプロデューサー、明石が入ってきた。

「ひっ!?」

明石は、興子に気づくと、やれやれといった呆れ顔で話しかけてきた。

「あれ、どこの子かな?うちの事務所に何か用……って月野さん!?」
「あ、私そのその、信じてもらえないと思うんですけど……って、えっ!?」

なぜか自身を認識したプロデューサーに、驚いてしまう興子。

「な、何で私がわかったんですか!?」
「それは、ホクロとか……瞳の色とかかなぁ?それより、どうしたんですかその姿!」
「これは……」
「いや、待って!これは、行けるぞ!!月野さん、これならブレイク間違いなしですよ!!ちょっと歌ってみて!」

明石は、興子を置きっぱなしのテンションだ。

「え、あ、はい。『せんのか~わ~に~、せんのか~わにな』……」
「小さくかわいい、歌がそれなりにいい!それでいて本当は大人!く~っ、これは最高だ!」
「歌はそれなり……」

興子の眉間にシワが寄った。

そして、明石の言ったとおり、その次の日からファンは激増した。『合法ロリアイドル現る!?』『新しいアイドルにアキバが踊る!』『歌の上手さなんて関係ない!』などなど、雑誌に取り上げられることも数えきれなくなった。ステージで歌う事や、握手会も日常的になり、これまでと比較にならないほど脚光を浴びる興子は、あっと言う間にトップアイドルの一人として名を連ねることになった。

「これよ、これが私の望んでたものなのよ……!!」
「どうです?私の言ったとおりでしょう?オファーが後を絶たないんで、管理するのに嬉しい悲鳴をあげてますよ」
「それは私も一緒ですよ……明日で、この姿になって一ヶ月になるかしら……?」
「そうです。その記念として、明日は特別なスケジュールを組んでおきましたよ」

その特別なスケジュールとは、高級フレンチレストランで、二人だけの貸し切りディナーというものだった。明石と興子は、特別にあつらえた衣装を着て、一ヶ月前は考えもしなかった二人での食事を楽しんだ。メインディッシュが終わり、あとはデザートだけというときだった。

「ふふ、美味しい料理でしたね!」
「あの、興子さん。実は、打ち明けたいことがありまして……」
「なんですか?なんでも聞いてあげますよ?」
「け、結婚を前提に、お付き合いしていただけませんか!?」
「えっ!!」

明石の言葉に、興子は胸を貫かれたかのようだった。心臓がドキドキ言って止まらなくなった。そのあまりの強さにうろたえる彼女。

「……無理、ですか……?」
「う、ううん……?そうじゃなくて……ドキドキしちゃって……」
「お答えを、いただけますか……」
「ちょっと待ってください……ね?……なんか、体が火照ってきちゃって……」

火照る、どころではない熱が、彼女の体に溜まってきていた。バクバク脈を打つ心臓から送り出された、熱い血液が全身を駆け巡っていた。

「汗、お拭きしましょうか……」
「そう、ですね……お願い、します……」
「あれ……月野さん……?」

耐えがたい熱をこらえて、興子は聞き返した。

「なん……です……か?」
「大きく、なってませんか……体が」
「えっ……!?」

興子は自分の腕を見た。それは、一ヶ月前とは逆に、風船にポンプで空気を入れているように、ググッと大きくなっていた。

「そ、そんな、元に、戻りたくない……!」

胸に大きな圧迫感を感じてさらに下を見ると、膨らみが形成されて、ムクムクと大きくなっている。興子の中に絶望感が広がっていった。

「いやぁぁあああ!!」
「月野さん!?」

変化を止めたい彼女の意思とは裏腹に、それは加速していく。グッグッと成長を続ける腕はテーブルの上にあった花瓶を突き飛ばし、服をビリビリと引き裂いて膨らみ続ける胸は、プルンプルンといやらしく揺れる。すぐに、興子は元の20代の姿に戻ってしまった。

「も、もう、おしまいだわ……私の……アイドル人生……」

すすり泣きを始める興子。しかし、それだけで終わらなかった。

「えっ……!?」

すでに服から出ていた胸がボワンッ!と一気にFカップほどになり、そこで小休止したあと、Jカップまでまた爆発的に成長した。

「こ、こんなの大きすぎっ……!!」

それを止めようとして腕でギュッと押さえる。乳房はそれを押しのけるようにドワンッ!!と爆発し、Zカップまで膨張して机の上にあるものを全て吹き飛ばしてしまった。

「や、やだぁ……!!」

最後の一押しとばかりに、ドォォォン!!ともう二回り大きくなり、重さに耐え切れなくなった机が足から潰れてしまった。

「こ、こんな体じゃもうお嫁にすら行けないじゃないの!!」
「い、いいぞ……」
「明石さん……?」

プロデューサーの恍惚の表情を見て、疑問を禁じ得ない興子。

「月野さん、立ってみてください」
「は、はい……え、こんなに背が高くなってる……」

彼女の体の他の部分も成長し、2.5m超えの巨体になっていた。一つがバランスボールほどの大きさの胸は大きかったが、足や腕のムチムチとした脂肪は男の性欲をそそるもので、プリっと大きくなった尻はむしゃぶりつきたいという本能を呼び起こすものだ。

「素晴らしいです……!!何で大きくなったのかは、この際どうでもいい!」
「いや、どうでもよくな……」
「豊満な体をしたグラビアアイドル!しかも昨日まで幼女だった!歌もそれなりに歌える!これは行けるぞ!!」
「だから、歌はそれなり……」
「明日からも、頑張りましょうね!一緒に!」

興子は、ハイテンションなプロデューサーに呆れると同時に、笑いがこみ上げてくるのを感じた。

「ふふっ。ええ、頑張りましょう!一緒に……!」

マスターアサシン

ここは中世、ゴーロッパ大陸の南の半島に位置するミランツェ公国。ある銀行家の邸宅で、ひとつの命が生まれようとしていた。看護婦が妊婦を元気づけている。

「ふんばって、あともうちょっと!」
「んぐっ……ううああああっ!!」

そして、元気な産声が部屋中に響いた。その部屋にいた医師と、夫が近づく。看護婦は赤子を取り上げ、その股間に付いているものを見た。

「元気な男の子ですよ!カトローナ!」
「おとこ……のこ……よかった、元気なのね」
「ええ!それはもう……えっ?そんな、バカな!?」
「息子がどうかしたのか!」

看護婦が奇声を発した。それに驚いた夫がほとんど飛びかかるようにして赤子をふんだくった。すぐに顔から血の気が引いていく。

「い、いやそんな……ありえない!」
「何が、起きてるの?モンテローニ!」

モンテローニと呼ばれた夫は、その赤子の股の部分を妻に見せた。

「おちんちんが、縮んで……あ、なくなった……」

大声を上げている子の、その股間からちょこんと飛び出ていた突起が、中に埋もれていってしまったのだ。

「この子は……男の子なの?」
「分からないが……生まれた時男であったのなら、そうしよう……エレンツォ、この子の名前はエレンツォだ!」

モンテローニは、我が子を宙高く持ち上げた。その股間に、喜ぶかのようにボロンっと竿が生えた。

18年後。先の場面と同じ、ミランツェ公国の首都、ミランツェ。交易が盛んである街の街道は、多くの荷馬車や、商人、住民で溢れかえっていた。その中を、他の人を押しのけ早足で歩く、背の高く筋肉質な体つきの仮面を付けた青年がいた。小物入れの多い服を着て、腰には剣を付けている。そして、彼の視線の先には、豪華絢爛な服や装飾品を身にまとった商人がいた。

「こんなところに身を晒すなんて、アホなやつだ」

独り言を呟いたすぐ後に、青年は商人に辿り着き、間髪入れずに服から取り出したナイフを商人の胸に突き立て、叫び声を隠すために口を押さえた。

「ぐああああ!」
「辞世の句を言ったほうがいいぞ、この世の悪、ナンプラ騎士団の手先よ」
「やはり……きたか……アサシンめ!!この国の平和を……乱しおって……からに……!ぐっ……ふぅ……」

商人は捨て台詞を吐くと、そのまま息を引き取った。

「乱していたのはお前だ。ミランツェの交易を牛耳ろうとして、障害となる無実の者を抹殺していたのだから……さてと、そろそろ逃げないと」

この暗殺を見た通行人はパニックを起こし、街道は悲鳴が雨あられのように飛び交っていた。衛兵は何事かと原因を探ろうとして四苦八苦している。青年は、衛兵が状況を把握する前に、パニックに乗じてその場から逃げ去った。

数分後。誰も来ないような建物の屋上に先ほどの青年が立っている。仮面を取り外し、服を脱ぎ去ると、彼の鍛えあげられた体が惜しげも無くさらされた。

「今日はもうひとつ仕事を……こなさなけれ……ば!!うっ……!!」

彼は突然、毒を盛られたかのように、悶え始めた。すると彼の体が、メキメキと音を立てて、縮み始めた。筋肉はグッグッと萎縮し、骨は短く、細くなる。逆に、男としては多少長めである髪の毛はバサッと伸びた。

「なんで……いつもこう……違った、痛みがぁぁ……!!」

声の方は、男の低くよく通るものから、女の高く透き通ったものへと変わる。と同時に、喉仏が誰かに首を絞められたかのように潰れていく。胸には筋肉の代わりに脂肪が過剰に付き、乳房のように膨らみがつく。その大きさは脈拍と同期するようにムクッムクッと成長し、その国の一番の娼婦ですらかなわない大きさまで膨張する。尻も同様だった。

「ああっ……あああああっ!!!」

彼の股間でグチュグチュと嫌な音がして、息子が消えていくことを物語った。ムッチリとした足が内股になり、完全に女となった所で、彼の体が変わる音が止んだ。

「ふぅ……少しの休みくらいほしいものだ……」

彼、いや彼女は、先ほど着ていた服を、豊満な体が大きく露出されるように着直し、仮面を付けて建物から降りる。そしてそのまま、近くの酒場まで歩いて行った。

中には、沢山の衛兵と、ひときわ目立つ装備を付けた隊長がいた。彼女が入ると、隊長の近衛兵が身元を確認しに近づいてきた。

「お前、何者だ。名を名乗れ」
「そんなこと、どうだっていいじゃないのよ……」

彼女は、艷を惜しみなく入れた甘い声、身振りと、美しい顔と、露出した体つきで近衛兵を誘惑した。

「し、しかしだな……」
「あなたのものに、なってあげてもいいわよ……?」
「へ、へへ……いいねぇ……」

計算しつくされた誘惑で、あっと言う間に近衛兵は懐柔されてしまった。そのまま、彼女は近衛兵のおつきとして、好奇心と性欲が旺盛な衛兵の間をすり抜け、隊長のすぐ近くまで彼女は連れられていった。これが彼女の狙いだった。隊長は、彼女を見てヒューッっと口笛を吹いた。

「お、こいつはなかなかいい女だな、カルロ」
「でしょう。こいつを上に献上すれば、昇進間違いなしですよ」
「その時はお前も……ガハハハ!!」

下品に笑う隊長に、彼女はゴブレットに入ったワインを差し出した。

「隊長さま、これでもいかが……?」
「お、気が利く女だな。ちょうどのどが渇いていたのだ」

隊長は何の躊躇もなくそれを飲み干す。赤い液体が、体の中に滑りこんでいく。

「隊長さま、少しお色直しをしてきますわ……よろしくて?」
「ああ、その代わり後でたっぷりと楽しませてくれよ」
「もちろんですわ」

彼女は、扉を抜け、酒場の中庭に出た。その瞬間、フッと鼻で笑う。

「毒入りのワインが連れて行ってくれる、あの世でタップリと楽しむがいい。さてと、帰るかね」

中庭の門の錠をいとも簡単にピッキングして、彼女は悲鳴が上がり始めた酒場を後にした。

「ただいま、父さん。今日も成功だ」
「お、エレンツォ……それとも、今はエレンツィアかな……?」

銀行家は今は娘になっている、息子を品定めするように見た。

「素晴らしい体だ」
「ああ、神様からもらった賜物だよ。ただ、後一秒でも見つめ続けたら息の根を止めるからな?」
「ふふ、やってみるがいい」

二人は少しの間互いに笑いあった後、話を続けた。

「だけど、あの歴史の教科書にしか載っていないナンプラ騎士団が実在するなんて、思っても見なかったよ」
「ああ、あいつらはいつも統治者や、権力者の仮面をかぶって活動をするからな。誰も騎士団の存在には気づかない。ただ……」
「俺達を除いて、ということか」

父親はエレンツォに頷いてみせた。

「そう。我々と騎士団は歴史が始まる以前から今まで、絶えず戦いを繰り返してきたのだ」
「しかしなぜ、俺達家族にも秘密に行動していたんだ?」
「それはだな……」

その父親の言葉を、遠くから聞こえてきた女中の呼び声が遮った。

「夕食の支度が出来ましたよ!食堂へお上がりくださいな!」
「ああ、今行くよ!エレンツォ、話の続きはまた明日だ」

エレンツォとモンテローニは、部屋を出て行った。

翌日も、エレンツォは男の姿で街にくりだしていた。今日は任務もなくただの買い物であったが、ナンパ癖が出て、途中の酒場で油を売っていた。

「お嬢さん方、俺と一杯飲まないか……?」
「あら、逞しい体」
「素敵な方ね……、仮面を外して、お顔を見せてくださいな」
「男には、秘密が多いほうが魅力があるんだよ……」
「それもそうね……うふふ」

それはどちらかと言えばいつもの事で、もちろん父親にも母親にも公然の秘密となっていた。

「ねえ、私とも付き合ってくださいません?」
「お、どなたかな……?おお……」

エレンツォと数人の輪に、一人の女が入り込んできた。その容姿は女好きのエレンツォでさえこれまで見たことのないほどの美貌をまとっていた。なめらかな曲線を描く髪、あまり大きすぎない胸、魅惑的な体つき。それでいて、娼婦とは一味違った、上品な気質を感じさせる身のこなし。まるで、女となったエレンツォを思いおこさせるような女性だった。エレンツォは、思わず深々と礼をした。

「あなたとお話しできるなど、この上ない光栄」
「まあまあ、そこまでおっしゃらないで、恥ずかしいわ」
「私の名前はニロ。あなたは……」

もちろん偽名だ。仮面をかぶっている間は、エレンツォであることを知られてはならない。

「そんなことより、一杯乾杯しましょ?」
「……そうですね」

エレンツォは、無視されたことで一瞬うろたえたが、すぐに気を取り直して、女性から渡された杯を手にとった。

「乾杯!」「乾杯!」

そして、ワインを一気に飲み干す。アルコールが入った飲み物を飲むことで、体の中がじんわりと暖まって行くのを感じた。

「こんな美しいレディの前だと、格別な味がしますね……」
「うふふ、そのはずですわ……」

しかし、そこで終わらなかった。

《ドクンッ!》
「げほぉっ!!」

体の中の熱が急に強くなると同時に、心臓の脈が急激に強くなったのだ。

「な、ど、どういうことだ……!ぐぅっっ!!」
「うふ……あはは、やはり、君か、エレンツォ。こんなに簡単に任務が成功するとはね」

女性の口調が急に変わったことで、やっとエレンツォは自分が罠にはまったことを自覚した。

「き……きさまは……!!」
「おっと、女の子がそんな汚い口をきいちゃいけないよ?」
「ぐふぅっ!!」

エレンツォは、胸に自分の意志によらずに脂肪が発達し、服に圧迫される感覚を受けた。

――ま、まずい、変わるのを見られては……

急なことで、完全に浮足立ってしまった。

「トイレはあっちだよ、エレンツォ」

そこに出された助け舟に、言われるがままに周りの人間から逃げるエレンツォ。トイレに駆け込み、扉をバァンと閉めると、変身は続いた。

「ど……どうしたんだ、俺の……体はぁっ!!?」

足の筋肉が無くなり、骨格が変わってグキッと内股になる。筋肉の代わりに、脂肪がブワッと付き、ムチムチとした太腿が形成される。この光景を、エレンツォは幾度と無く見てきた。しかしそれは、自分がそうするように念じた結果であるのが全てで、今のように、止めようとしても止まらないのは初めてだった。

強く太い胸筋より、女性となった時に形成される巨大な乳房のほうが体積が大きい。胸は服の生地を無理やり引っ張り、所々でプツプツと糸がほつれる音が聞こえる。これを防ぐのに、毎回服を脱いでいたのだ。

「んぐっ……ぐぅっ!!」

顔が絞られるように変形して、髪が伸びた。それで、ついに変身は終わったが、エレンツォの動悸は収まらなかった。

――まさか、俺の体質がナンプラ騎士団の連中にバレたのか……!?いや、そうでないと説明がつかないぞ!とりあえず男に……なにっ!?

エレンツォはいくら念じても男に戻れない事に気づいた。

――い、いかん。今の姿で外に出れば、騎士団だけでなく庶民にまで俺の体質が……!とにかく、脈が落ち着いてから試すか……!

そして、数十分が経った。といっても、その間ずっとトイレを占領していれば怪しまれる。エレンツォは、力を振り絞って天井裏に隠れていた。そして、数回試した後、やっとのことで男に戻ったのだった。

エレンツォは父親に報告するためにすぐに家に帰り、玄関の扉を叩いた。

「い、今帰ったぞ!」
「……」

だが、中からは誰も出てこない。女中すら、その姿を見せなかった。

「お、おい、俺だ!」
「おかえり、エレンツォ。その家は空っぽだ」

今さっき聞いたばかりの声が、エレンツォの背後から掛けられた。

「お前は、さっきの……」
「そう。アサシン、お前の家族の安否が知りたいか?」

エレンツォは女性の胸ぐらを掴んで、大きな声で脅した。

「今すぐ言え!さもないとお前の首を……!!」
「おっと、こんなところでか弱い女性に暴力をふるうのかな?銀行家のお坊ちゃん」
「ぐっ……」

街道を行き交う全ての人が足を止めて、二人の方に目を向けていた。

「頼む、教えてくれ」
「街の一番大きい教会の大聖堂に囚われているはずだよ」
「なに?そんな公共の場で……」
「今日は聖なる儀式が行われるから、聖職者以外誰も入れないんだよ」
「そいつらが、……」
「そう、我々の同志。はは、せいぜいあがくんだね!」

エレンツォは女性が言葉を出し終える前に走り去っていた。

いつもより乱暴に人を押しのけ、教会を目指す。家族が騎士団にどういう仕打ちを受けるか、想像を絶している。教会に着くと、少しの間も置かずに扉に体当りした。中には、数えきれないほどの衛兵の向こう、祭壇の前に家族が縛り付けられ、その手前に枢機卿が立っていた。

「やはり来たか!双性のアサシン、エレンツォ!」

枢機卿はエレンツォに向かって大声を上げた。

「俺の家族を返せ!」
「返してもらいたくば、おのれの力を使って取り返しに来い!」
「望む所!うおお!!」

エレンツォは雄叫びを上げると同時に突撃を始めた。立ちはだかる衛兵をひとりひとりなぎ倒す。一人を斬りつけ、もう一人を突き刺し、その剣を奪い取ってもう一人の頭をかち割る。持てる力を全て使い、馬ほどの速度で走り抜ける。

「枢機卿!覚悟っ!!」
「ふふっ……!これでも、喰らえ……!」

エレンツォと枢機卿の間に障害が無くなった所で、枢機卿は懐から小瓶を取り出し、エレンツォに投げつけた。小瓶は絵レンツォにぶつかると、粉々に砕け散り、中身がアサシンにバシャッとかかった。

《ドクンッ!》
「うぐっ……!!また……これか……!!」
「おお、これぞ絶世の美女ともいうべきか……」

全身を駆け巡る痛みとともに、あっと言う間にエレンツォは女性と化していた。

「……これで、俺を止めた気になってないだろうな……?」
「まさか」
《ドクンッ!》
「ひゃっ……!?まだ……なにか起こって……な!?」

完全に女性となったエレンツォの豊満な胸が、ムクムクとさらに大きくなっていた。まるで、エレンツォの体から何かが溶け出すように大きくなるそれは、2m、3mと大きくなり、あっと言う間に教会の鐘の大きさほどになってしまった。

「おも……い!!これでは、身動きが……!!」
「ふふ、調べたとおりだ」
「調べた……?俺の体の何を!!」
「男性と女性の間を行き来する体の持ち主が、お前だけだと思ったのか?ミランダ、こちらに来い」
「はい、グランドマスター」

まったく動くことができなくなったエレンツォの後ろから、彼に嫌というほど聞き覚えのある声が聞こえた。

「お……まえは!」
「おやおや、まったくだらし無い乳房だね……人間の一部ではないみたいだ……よっ……!!」

エレンツォにワインを飲ませた女だった。しかし、エレンツォの視界に入ると同時に、その姿は急激に変わっていった。

「ミランダは、我々の理念に共感し、人体実験を引き受けてくれたのだ。代わりに、女性の時はエレンツォ、お前を超える美女に、いわばチューニングを施した」

ミランダの体は更に小さくなり、小さな男の子になってしまった。

「こんな子供に、なんてことを……」
「お前には、アサシンとして鍛錬された暗殺の能力が備わっている。騎士団は、お前のような人材をいつでも……」
「は!?俺に加われと!!バカなことを言うな」
「では、私と交わって子供を残せ。そして死ね」
「な、なにを!!」

枢機卿はエレンツォの後ろに回り込み、そして何の前置きも躊躇もなく突っ込んだ。エレンツォは思わず嬌声を上げてしまった。

「ひゃぅぅうう!!小男のくせして、そこだけはでかいのかよ!!」
「余計なお世話だっ!!……お前、本当に女になっているのだな……!」

何回も打ち付けられる二人の腰。その頻度は段々と上がっていく。

「あんっ……!ち、ちくしょう!……ひっ!……こんな、憂き目に……!!」
「素晴らしい感触だ……!ただ……そろそろ……出る!!」
「やっ、やめろ!!やめないと、後で痛い目を見るぞ!!」
「おおっ……怖いな……あとで好きにするがいいさっ……!!本当にそうできるのならばな!」

そこで、エレンツォの声は冷静そのものに戻った。

「ああ、そうさせてもらうよ。今すぐに」
「なっ!?うぎゃあああ!!!」

枢機卿の股間から、大量の血液が飛び出した。そして、床に何かがポトリと落ちた。エレンツォの手には、収納式の刃が握られていた。

「き、きさま、どこにそんな刃物を!!」
「足にベルトを巻いて、それに付けておいたのだ。そんなことはどうでもいい。どうだ、お前もう自分が男だと証明できないんだぞ」
「ぐ、ぐう……」
「お前自身にも人体実験しないとなぁ?」
「く、くそ!!今すぐこの手で殺してくれるわ!!」
「できるもんならやってみるがいい」
「おのれぇぇえええ!!」

エレンツォの煽りにまんまと乗っかった枢機卿はどこからか取り出したナイフを手に取り、エレンツォの背中に刺そうとした。しかし、エレンツォはそのナイフが空気を切る音を感じ、刃でナイフを弾いた。次の瞬間、エレンツォの刃は向きを変え、エレンツォ自身の力と、枢機卿の走ってきた勢いで、枢機卿の胸に深々と突き立てられた。

「聖職の肩書きを踏み台に人間の体をもてあそぶ悪魔よ、地獄に落ちたまえ」
「ぐあああっ!!!ぐ、ぐふふっ……お前も道連れにしてやる……!」
「なんだとっ!?」

枢機卿はイタチの最後っ屁とばかりに、小瓶を取り出しエレンツォに中身をぶちまけた。

《ドクンッ!》
「んああっ!!」
「体の制御を外す薬だ。暴走したお前の体は、すぐに破裂してしまうだろう……!うは、うはははっ……ははっ…………」

枢機卿の言ったとおり、すでに巨大化していたエレンツォの胸も、尻も、枢機卿の体を押しのけて、全ての部位の脂肪細胞が無限に増殖し、風船に空気を入れられるように膨らみ始めた。エレンツォは、心臓から全身にポンプのように送り出される何かで、皮膚が引き伸ばされる感覚を感じた。教会の床の上で、エレンツォはバルンッバルンッと揺れながら、巨大な球体に膨れ上がっていく。そして所々で、皮膚が限界を迎え始め、千切れそうになっていた。

――万事休すか!!いや……俺の体だ、俺が制御してやる!!
「ぐあああっ!!うおおおおっ!!」

エレンツォは大声を上げた。直径10mほどにもなっていた乳房が膨らむのをやめたが、他の部分は止まらない。

――ちくしょう、ちくしょう!!
「エレンツォ、お前の能力はここでおしまいじゃないはずだぞ!!」
「父さん!……」

父親の声に、痛みを堪え、冷静さを取り戻す。そして、ゆっくりと念じた。

――もとに、もどれ。

それだけ念じると、彼の体はプシューッと空気が抜けるようにして男の体に戻っていった。ミランダは一瞬呆気にとられたようだが、倒れている枢機卿を見て我を取り戻し、女性の体に戻って駆け寄った。

「グランドマスター!グランドマスター!誰か、医者を!!」

泣きじゃくるミランダをよそに、エレンツォは家族を解放した。

「ありがとう、父さん。おかげで助かった」
「違う。今のはお前が自分で成し遂げたことだ」
「アサシンのことを俺に隠してた理由って、そういうことだったのか?」
「ああ、このような事態に陥っても、自分で何とか出来るまで、待っていたのだ。さあ、帰ろうか」

エレンツォと家族は、ぼーっと立ち尽くしたままになった衛兵の中を歩き、教会を出て行った。

その後も、エレンツォはアサシンとしての活躍を続けた。決まった姿だけでなく、変幻自在に体の形を変えられるようになった彼は、時には老婆、時には幼い男児に変身して、暗殺をこなしていった。ゴーロッパ大陸に巣食うナンプラ騎士団をほぼ壊滅においやった彼は、伝説のマスターアサシンとして、その名を歴史に刻むことになるのだった。

豊胸剤(若返る女・成長する少女8掲載)

僕、茂山 美樹(しげやま みき)は、中学3年生の男子だ。名前のせいで女の子によく間違えられるけど、
れっきとした男の子だ。兄弟は上に高校1年の美里、下に小学4年の美香がいる。でも、美里姉さんは幼児体型で、
おっぱいも殆ど無くて、背も低いから、美香と大差がない。まるで、二人の妹がいるみたい。性格は全然違うけど。

僕が学校から帰ってくると、リビングでお母さんと姉さんが話をしているのが聞こえた。扉から覗いてみると、
なんだか、お母さんがものすごく楽しそうだ。

「ねえ、美里、おっぱいが小さいのがコンプレックスって言ってなかったっけ?」
「そうだけど、なに?」

姉さんは嫌がっている。お母さんがエネルギードリンクみたいな小さいビンを出した。

「豊胸剤、買ってみたのよ。試してみない?」
「えー?いいよ、そういうのには頼りたくない」
「騙されたと思って、飲んでみてよ」
「ちょっとだけだよ…?」

姉さんがビンを受け取って、蓋を開けてちょぴっと飲んだ。

「はい、飲んだ」
「そんなちょっとじゃ、意味ないわよー」

《ガチャッ》

「だ、だれ?」

あ、扉を間違って開けちゃった…姉さんが慌ててビンを机に置いて、聞いてきた。

「美樹、いつから…」
「えへへ、ちょっと前から」

姉さんの顔が真っ赤になった。怒らせちゃった!?

「こ…の…っ!」

なんか、おかしい…美里姉さん、苦しそう…!?

「大丈夫!?」
「なんか…胸が…苦しいっ!」

姉さんは腕で体を抱えてしまった。

「お母さん!何とかしないと!」
「あらら、こんなにちょっとで効果が出るなんて、驚きね…」

お母さんの方はちょっとびっくりした顔をしている。そういう状況じゃないと思うんだけど…

「ひゃっ!」

姉さんが変な声を出した。そしたら、抱えている腕の下で、ボンッとおっぱいが大きくなった。
お母さんのよりも大きいかも?

「ひっ!」
《ボンッ!》

また、大きくなった。姉さんの短い腕が、完全に包まれちゃってる。服もビリビリに破けちゃった。
おしりも、なんだか大きくなっている気がする。姉さんは荒い息をハァハァ立てている。

「きゃぅっ!」
《グッ!》

今度は身長が高くなった。僕の身長を一気に超えて、お母さんの身長までひとっ飛びした。

「はぁ…はぁ…何だったの…」

姉さんは状況があまりつかめてないみたいだ。自分の体をキョロキョロしながら見ている。

「私…体が大きくなったの…?」
「そうみたいね。良かったじゃない。おっぱいも誰にも負けないわよ」
「う、うんっ!お母さん、ありがとう!」

姉さんは本当に嬉しそうだ。こんなに嬉しそうな姉さんを見るのは久しぶりだった。僕も釣られて笑顔になる。

「はいはい。私も、飲んでみようかしら…って、あれ?どこにビンを置いたの?」
「え?ここだけど…」

ビンが無くなっている。どこに行ったんだろう…?

「お母さん、このジュース美味しいね!」

僕の横から、妹の声がする。

「美香ちゃん!?」

いつの間にか、美香が部屋に入ってきていた。しかも、その手には…

「美香、それ…飲んだの?」
「え?いけなかったの?それに、お姉さん誰?美里お姉ちゃんは?」
「あらあら…」

豊胸剤のビンが握られていた。

「美香、私、美里よ。大きくなったけど、あなたのお姉ちゃんよ。なんともない?」
「え、そうなの?えっと…なんかお腹が熱いような…あっ!」

美香の体がブクゥッと太くなった。小さいお相撲さんみたいだ。

「あ…あっはは、何その格好!おかしいっ!」
「え?」

美香はキョトンとして自分の体を見た。そして、すぐに顔を真っ赤にした。

「お姉ちゃん、ひどいよっ!」
「美香はまだ小学生だから、どこを大きくしていいかわからなかったのかもね!」
「むぅ…私も、美里お姉ちゃんみたいに、大きくなるもんっ!」
「はいはい…っ!?」
「きゃあっ!」

悲鳴と共に、美香のブクブクだった足が、グイーッと伸びる。そのせいで、まだそれ以外が長くなってないのに、
姉さんの身長を超えてしまった。

「ま、まさか…美香…」
「こんなに、大きくなるの…?いや、いやだよっ!」
「あらあら…」

そうこうしているうちに、腕も伸びて、キュッと引き締まった。姉さんのよりも長い。

「気持ち悪いよぉ…」

美香は泣きそうになっている。その顔も、さっきまで僕よりも低いところにあったのに、
今はずっと上にある。僕だけ、背が低いままだ。それに、美香の体が伸び始めて、身長は止まるところを知らないみたい。
考えてみたら、お父さんよりもずっと高くなってる。

「高いの、怖いよ…ひゃぅっ!」

長くはなっていたけれど、ペッタンコだった美香の胸板が、ボコンッ!と何かが爆発したみたいに膨らんだ。
それだけで、もう姉さんより大きいのに…

《ボンッ!バインッ!》
「はぅっ!」

どんどん、おっぱいは膨らむ。姉さんのおっぱいなんか目じゃない。スイカ2個分はありそう。
服はもうお腹の部分だけ残して、全部破れちゃった。

「美香ぁ…」

姉さんはとっても悔しそうだ。そりゃ、今まで同じ体型だった美香にやっと差をつけられたと思ったら、
それを飛び越して美香が大きくなっているんだもの。仕方ないね。

「このお薬、すごいわね…」

娘たちの成長を見ながら、お母さんが感心している。ただの豊胸剤じゃないよね、確かに。

「やっと…終わったぁ…」

美香が疲れきって、半泣きの状態で呟いた。

「美香、こんなに大きくなっちゃったの…?」

美香は、さらけ出されたおっぱいを揉んだりしていたけど、姉さんを見て、その表情がふっと得意そうに変わった。

「美香、お姉ちゃんより、大きくなっちゃった」
「うっ!そ、そうね…お姉ちゃん…美香に追い抜かされちゃったね…」
「あははっ!おっぱいも、こんなに大きいよ!」
「わ、私だって…大きいよ…普通よりは…」

今度は姉さんが泣きそうになっている。

「ところで、お兄ちゃん…どう?」
「えっ!?」

美香がこっちに歩いてくる。というより、おっぱいが僕の目線の高さにあるせいで、
おっぱいが近寄ってきているようにも見える。

「私のおっぱい、大きいでしょ?」
「う、うん…」

小学生、だったよね、美香って。小学生が、こんなにエロいわけないよね…

「触ってみてよ」
「え?」
「とっても、柔らかいんだよ?お兄ちゃん、こういうの好きだよね?」

美香、どこでそんなこと…悪乗りにも程がある。ここは、ちゃんと拒否して…

「美樹…そんなに…おっぱいが好きなら…」

美香の大きな体の後ろから、美里姉さんのものすごく震えている声が聞こえる。え…今度は、何!?

「あんたが、おっぱいになりなさいよ!」

姉さんが駆け寄ってきたと思ったら、僕の口にビンが押し付けられ、液体が喉の奥に入っていった。

「けほっ!な、何するんだよ!」
「ふんっ!姉に対する不敬の罰よ!」

完全に八つ当たりだ。それに、豊胸剤を男に飲ませてどうす…

「ん、どうしたの、美樹?」
「お兄ちゃん?」

動悸が激しくなっている。おなかが焼けるように熱くなって、胸も苦しい。
それに、一番痛いのが、僕のアソコだった。股間に手を伸ばすと、それはサイズを小さくしていって、
ついに体の中に潜り込んでしまった。

「どうしたっていってるのよ、答えなさい!」
「大丈夫、お兄ちゃん!?」
「僕は、僕は…ああああああああぁぁぁっっ!!」

僕の体が内側から爆発したようだった。全身の皮膚に、中から押し上げられて、引っ張られるような感触が走った。
それに、頭がものすごく痒い。

「み、美樹…」
「お兄ちゃん、私よりも…」
「え…?」

僕の目線より下に、美香の顔があった。つまり、美香より大きくなったってこと?
僕は、そんなに背が高い、大人、になったの?いや、それだけじゃない…胸が重い…まさか…

「私より大きいおっぱいが…美樹に…」
「お兄ちゃんが、お姉ちゃんになっちゃった…」
「え、えええええっ!?」

下を見ると、美香のより近くにあるせいか、さらに巨大に見えるおっぱいが僕の胸にくっついていた。
いや、本当に美香のより大きい…僕、女の人になっちゃったっ!?

「あらあら…」
「あらあらじゃない(わ)よっ!!」

お母さんのとぼけたような反応に、三人のツッコミがハモった。

黒科学(若返る女・成長する少女8掲載)

ふふ…俺は今日、とんでもない(妄想にまみれた)買い物をしてしまった!
高校の黒科学部の奴らが開発した、飲んだら体がムチムチなお姉さんになる薬だ!
はぁ…俺、なに考えてたんだろう…世の中には、質量保存の法則というものがあって、 無から何か物質が発生することはない。すなわち、こんな小瓶に入ったオレンジジュースみたいな小さいもので、 人の体が大きく変化するわけがないんだ。といって、下水道に捨てるのもマズイだろうし、 まあ、なんにも起きるわけ無いんだから、小学生の妹にでも飲ませるか。香りを嗅いだ時は、甘い香りしかしてこなかったし、 腐ってるわけでもないだろう。材料を聞いたら、全部食品だって言うし。

「おーい、美佳ーっ!」
「なーに?お兄ちゃんっ!」

俺が呼びかけると、部屋の方から声が聞こえてきた。

「オレンジジュース、買ってきたんだけど飲まないか?!」
「うんっ!今行くーっ!」

妹の美佳が、居間に走ってきた。ふわふわの栗毛をなびかせ、小さな体を、元気よく動かして。 ちなみに、オレンジジュースを買ったというのは嘘じゃないぞ。俺が飲む分だ。

「こら、家の中は走っちゃダメだぞ」
「ごめんなさい」
「いい子だ、ほら、これが美佳の分、これが俺の分だ」

俺は2つのコップに入ったオレンジジュースを用意していた。美佳のコップには、先程の薬を、薄めて入れてある。

「いただきまーす」
《ゴクッ…ゴクッ…》

その可愛らしい容姿に見合わない、豪快な飲みっぷりで、オレンジジュースを口に流し込んでいく美佳。
こりゃ、将来が思いやられるな…

「ごちそうさま!」
「はやっ!」

もう、飲み終わったのかよ!

「美佳、そんなに早く飲むと、お腹壊すぞ!」
「大丈夫だよー…あ…」

美佳が硬直した。どうやら、俺の予感的中だ。冷えたオレンジジュースを一気に飲んだせいで…

「お兄ちゃん、なんかお腹の中、熱い…」
「ほら、早くトイレに…って、熱い?」

美佳は確かに、痛いじゃなく、熱いといった。聞き間違いじゃない。

「あっ…!」

美佳の様子がおかしい。体の至る所を、かきむしっている。

「何か、体の中にいるみたい…」
「何だってっ!?」

あいつら、寄生虫でも入れやがったのか!?俺としたことが…すまない美佳っ!

「すぐに、救急車…を…」

美佳のそばにある電話を取りに行った俺から見える、美佳の体がおかしい。 何がおかしいって、俺の胸の下辺りまでしか無かった背が、肩まで伸びている。俺は、電話を取るのをやめて、美佳の変化をじっくり鑑賞することにした。黒科学部の話を、少し信じてみることにしたのだ。

美佳の背丈は、俺の頭を超え、更に大きくなっていく。こんなに背が高い女性を、今まで見たことがない。 それに、手足もにょきにょきと服から飛び出し、ほっそりとした姿が、顕になっていた。お腹が服からはみだし、ぴっと縦に入ったへそが、見えている。 フワフワとしていた栗色の髪の毛は、ピシッとしたストレートになり、腰のあたりまで伸びた。

「きゃっ!」

美佳が小さく叫ぶと、ほっそりとしていた手足にたっぷりと脂肪が付いた。 そのせいで、着ていたシャツの袖が、ビリッと破けた。

「あぁ…あぁん!」

なんだ、今の声!元の美佳からは想像もできない、色っぽい声だ。

《ビリッ》

スカートの中で何かが、いやパンツが弾け、スカートの斜面が丸みを帯び、そのまま膨らんでいく。 次に、腰が太くなっているのか、スカートのウエストの部分が、プツプツ音を立てながら広がっている。 そして、ついには、スカートはウエストの部分から、ムチムチになった足のほうに、ビリーッと破けてしまった。

「あはぁん!」

美佳が、無意識的なのか、意識的なのか分からないが、何もない胸を自分の手で揉み始めた。

「おっぱいが、熱いよぉ…」

そういう美佳の胸に、厚みが出始め、美佳の手に揉まれて、ムニュッムニュッと変形するようになったかと思えば、 それはどんどん膨らみ、それをもんでいる両手が、胴体から確実に引き離されていく。そのおっぱいは、 美佳が揉んでいることも手伝って、胴体が大きくなるだけで過剰な張力が働いていた服をボロボロにちぎっていき、 それにつれてどんどん肌色とピンク色の突起がさらけ出されていく。美佳の手の動きは、おっぱいが巨大化するにつれて大きくなっていき、
それによるおっぱいの変形も、信じられないほど大きくなる。

「あぁん、気持ち、いいっ」

この美佳は、もう以前の美佳じゃない。その顔は快楽に満ち、何かの悪霊が乗り移ったかのように淫らな笑みを浮かべていた。 そして、美佳がおっぱいを揉むのをやめた。目を閉じた美佳から、笑みが薄れていき、真顔に戻った。

「あ、あれ…私、何してたんだろう」

良かった、美佳が戻ってきた。その美佳は、自分の、ムチムチになった体を見回している。

「私、大きくなっちゃった!」
「美佳、大丈夫か?」
「お兄ちゃん…」

美佳は、こっちをジロジロと見ている。何だ、何が言いたいんだ。

「小さいね」
「へっ!?」
「小さいって言ったんだよ、チビのお兄ちゃん」
「ち、チビ?」

美佳の顔には、嘲笑とも取れる笑みが浮かんでいる。

「私の体で、遊びたかったんでしょ。この変態」
「へ、へんた…」
「違うっていうの?じゃあ、ただの馬鹿ね」
「え…?」
「あのビンを、私が見なかったと思うの?」
「ビン…?あっ!」

机の上に薬のビンを置いたままだった。ラベルにははっきりと「ムチムチになる薬」と書いてある。しまった…

「お馬鹿さん…」

あれ、何だ…罵られているはずなのに、美佳のエロい声のせいで、なんだか気持ちいいような…

「お兄ちゃんの、チビ!変態!」

も、もっとくれ…

「あははっ、罵られて気持ちよさそうな顔するなんて、本当に変態だね」
「は、はぁっ!」

俺は、土下座してしまった。妹であるはずの美佳に。

「何?お兄ちゃん、私のおもちゃになりたいの?変態だけじゃなくてドMなんだね」
「はいっ!」

認めてしまった。

「じゃあ、私の足をなめてよ。服従の印だよ」

俺は、そう言われて美佳を下から見た。美佳の巨大なおっぱい、ムチムチな足、プリッと締まったお尻、キュッと締まったウエスト。 そして、俺を見下すような顔、笑み。全てが、完璧だった。

「ははぁっ!」

俺のプライドは、女王と化した妹の前に消え去った。

継承(若返る女・成長する少女8掲載)

「いってきまーす!」

元気のいい少女の声が、空の朝に響いた。ランドセルを背負った小学1年生くらいの少女が、玄関から飛び出してくる。
彼女の名前は優美、実は小学5年生だ。

「あ、優美ちゃんおはよー!」
「おはよ!英梨ちゃん!」

その玄関先で、待っている中学生くらいの背丈を持つ少女、英梨。だが、彼女も小学5年生。
優美のクラスメートだ。

「忘れ物してない?」
「うん、宿題も、教科書も、筆箱も入れたよ」
「よし、じゃ、学校いこっか!」
「うん!」

そうして、一緒に登校を始めた二人。その道中、いつもの話題が持ち上がる。

「英梨ちゃん、大きくていいなー」
「またー?おっきいのも大変だよ?」
「でも、羨ましいよ!私、いっつも列の一番最初で、しかも2番目の美矢ちゃんよりもずっと背が低いの」
「あはは、でも、優美ちゃんも、きっと大きくなるよ!だって、優美ちゃんのお母さん、
すっごい背が高くて、おっぱいもものすごく大きいじゃん」
「でも、お父さんはそうでもないよ。きっと、私、お父さんに似たんだ」

優美のコンプレックスは、スタイルが抜群で、身長が中肉中背の父親よりもかなり高い母親のせいでもあった。
優美の身長からだと、母親が屈んでくれないと乳房に隠れて顔が見えない。それを体験するたび、
コンプレックスが深まっていくのだった。

「それでも、これから成長するって!」
「そうかな~」

そんな会話をしつつ、二人は歩み続ける。

「あ、裕也君だ!」
「えっ!?」

前に男子生徒の2人組が見える。

「優美ちゃん、裕也君のこと好きなんだよね」
「えっ、何言ってるの…」

図星だった。優美の心臓がバクバク言っている。

「あはは、顔真っ赤になってる!」
「英梨ちゃんのいじわる!」

だが、動悸が止まらない。優美は目をきつく閉じて、気持ちを落ち着けようとする。しかし、逆に脈は強くなる。

《ドキ…ドキ…ドキンッ!》

「ひゃうっ!」
「え、どうしたの、優美ちゃん!?」
「な、何でもないよ…」

一回異常に強い脈が打たれ、小さな叫び声を上げてしまった。だが、

《ドキ…ドキンッ!…ドクンッ!ドクンッ!》

「あっ…ひゃっ!きゃぁっ!」
「何かおかしいよ、優美ちゃんっ!」

脈拍は次第に全身への衝撃に変わっていく。優美が自分の小さな手のひらを見ると、

《ムギュ…ムギュ…》
「(え、何これっ!)」

その手のひらが、波を打つように膨らんだり縮んだりを繰り返している。

《ドクンッ!ドクッドクッドクドクドク…》

衝撃はその周期を縮めていく。胸に違和感を感じ、両手を、胸元に当てる優美。

《ピクッ…ピクッ…》

優美は、その胸のうえで、豆粒のように小さかった乳首が、大きくなったと思えば、
また小さくなるのを、手と同じように繰り返すのを感じた。

「優美ちゃん、大丈夫…?」
「だ…だ…だいじょう…ぶ…だ…よ…」

お尻がブルンッブルンッと揺れ始め、優美が手を当てると、その中で、激しい血流が起きているかのように、
トクトクトクトクと何かが揺れていた。

「優美ちゃん…足が…」
「え…?」

優美が下を見ると、自分の足が、手と同じように、何かに揉まれているかのように、グニュグニュと歪んでいた。

「優美ちゃん、お医者さん行ったほうが…」
《ドクンッ!!》
「きゃああっ!」
「ひっ!」

それまで全身に伝わっていたものよりも際立って大きい衝撃が加わった。英梨は、腰を抜かして、
動けなくなってしまう。優美の全身の蠢きは、先程よりも大きくなっていた。そして、それは始まった。

《ピクピクピク…ビクビク…ビクンッ》
「ひゃっ!」

数十秒前から、伸縮を高速に繰り返していた優美の乳首が、その振動を続けながら、巨大になり始めた。
それは、小学生のそれとは思えない、いや、高校生のそれをも通り越していく。

「(は、はずかしい…よ…っ)」

服にくっきりと突き立てられていた2つのテントは、日本人女性の平均を優に超える大きさまで育つと、その動きを止めた。
だが、すぐに、次の変化が優美を襲った。

《ムク…ブルンッ!》
「きゃぁっ!」

左胸が膨らみ始めたかと思うと、爆発するように前に飛び出した。

「な、なに…これっ!」
《ムク…》
「やっ…」

右胸もそれに続こうとするように、盛り上がる。

「膨らまないでっ!」

優美はそれに強く手を押し当てて抑えようとする。だが、

《ムギュ…ボンッ!》
「きゃっ!」

その手を押しのけ、さらに少し膨らんだ右乳房は、爆ぜるように大きくなり、右手をはねのけた。
その反動で、小さな体の優美は、後ろに手をついて倒れてしまった。耐えられない服に、襟から裂け目が入る。

《ズッ…ズッ…》
「今度は、なにっ…」

優美が音の方を見ると、自分の手のひらがアスファルトの上で伸縮を繰り返しつつ、
ゆっくりと、しかし確実にその面積を広げていた。

「や、やだ…」

優美は再び立ち上がって、大きくなっていく自分の手のひらを見つめた。
指は細く長くなり、自分のまだ短い腕との釣り合いが、失われていく。

《グッ…》
「うわぁっ!」

優美の目線が、急に高くなった。他の体の部分と同じように、足が伸縮を繰り返しつつ伸びはじめたのだった。
たまらず、優美は前に手をついて倒れる。その瞬間、腕の長さもグッと伸びたが、それでも、垂れる乳房の長さより、
腕のほうが短く、乳房は地面にピトッと付いていた。

「冷たい…」

足が伸びるにつれて、腰の位置が上がっていく。

《ビクッ…》
「ひゃ…」

尻に衝撃が走る。

「もう、膨らまないで…おしり大きいのはいや…」

体重を顔と乳房に任せ、両手を臀部に伸ばす優美。だが、先に伸び始めた胴体のせいで、なかなか腕が届かない。

「やだ、止めさせて、お願いっ!」

思い切って腕を後ろに伸ばすと、やっと尻に手が届いた。しかし、

《ムク…ムク…》

その手は次第に膨らむ尻に押し上げられていく。そして、

《ムククッ…ボンッ!》
「きゃぅっ!」

結局、尻の膨張は止められなかった。しかも、その膨張は続いているようだった。足の成長が終わり、優美はようやっと立つことが出来た。
そして、隣に立っている英梨を見ると、自分のキュッと締まった腰くらいの高さになっていた。

「えっ…そんなに、私の背、高くなったの…?」

だが、目線の下でブルッと揺れた乳房に、優美は注意を奪われた。

《ムギュッ…》
「ま、まさか、まだ大きくなるのっ!?」

優美は無意識のうちに、その長くなった腕で、乳房を抑えようとした。
だが、長さが足りず、多少潰さないと抱きかかえることができなかった。
だが、それでも足りないというふうに、乳房は膨張を続け、腕を包み込んでいった。そして、優美に最後の衝撃が走った。

《ドクンッ!》
「きゃっ!」

その衝撃とともに、乳房がもう一回り大きくなり、優美の腕をはねのけた。
襟から入っていた裂け目が、ビリッと大きくなり、乳房の大部分が露出されて、その変化が終わった。

「なにが、どうして…」

英梨がぼそっと呟いた。完全に放心状態だ。

「あ…あ…いやぁーっ!」

優美の方はパニックに陥り、元きた道を、その豊満な肢体を懸命に動かし、駆け戻っていった。

そして、家に戻り、玄関から、母親に助けを求める。

「お母さぁん!私…おかしくなっちゃったよぉ…」

それを聞きつけた母親が台所から駆け出てくる。そして、娘の体を見て、言った。

「あら…あなたはこんなに早く、それを体験したのね…ずいぶんと大きくなって…」
「え…どういうこと?」
「私の家系はね、ある年齢を超えると、体がそういう風に大きくなって、一生そのままになっちゃうの。
あなたにも、それが遺伝したってことね」
「いでん…?」
「とにかく、練習すれば元の体に戻れるようになるから、ね?」
「練習?」
「でも、気を抜いたらすぐにボンッ!って体が膨らんじゃうの…」
「そんなぁ…」

かくして、優美は自分の体の秘密を、トラウマになるような方法で知ったのだった。

115270(若返る女・成長する少女8掲載)

俺はしがないサラリーマン。今日は、休日ということもあって、朝からソファーに座って娘とテレビを見ていた。見ているのは、小さな女の子向けのアニメだ。

「面白いか、美佐?」
「うん!」

そうか…俺にはさっぱり面白くないけどな…そろそろ、俺の部屋に行って少し仕事しようかな?

《ブルルル》

俺の携帯にメールが届いたようだ。バイブが震えている。なになに?

「アナタの理想の女性を、手に入れませんか?こちらの番号までアナタの理想を送ってください:115270」

なんだ、イタズラメールか。まあ、一通SMSを送ったところで、来るのは架空請求くらいだろうし、
それを無視するのもまた一興だ。今はやることが無さ過ぎて、もってこいだ。

『若くて、ボンキュッボンの可愛い子』

と…送信!ん?送信失敗?なんだ。番号すら架空か…

「美佐、そろそろお仕事するから、お父さん…」

あれ?娘が全く反応を見せない。

「美佐?」

《ググッ…》

な、何だ!?美佐の背が伸びている。隣に座っているから、間違いない。頭の位置が、どんどん上がっていく。
それに、腕も服から飛び出し、床から浮いていた足底がドンッと床に付き、髪もとんでもないスピードで伸びている。

服も、サイズが合わなくなって、お腹がはみ出している。ものすごくきつそうだ。

そうこうするうちに、美佐の体は、20代の大人の体になっていた。もしかして…あの『理想の女性を手に入れる』…って…
だけど、今の美佐は、貧乳にも程があると言いたくなるほどペッタンコだ。俺が言ったのはボンキュッボンだぞ?

《プクッ》

ん、今度は、乳首のあたりが、テントのように膨らんでいる。それは段々大きくなっている。

《ビチッ》

大きくなるのが止まったかと思うと、そのテントを支える胸板全体が膨らんで、すでにきつそうな服が、襟から破れた。
明らかに、美佐におっぱいが形成されている。だけど…

《ブルンッ!ブルンッ!》

美佐のおっぱいは、膨らんでいくと同時に、大きく揺れている。それに、その大きさも、美佐の顔の大きさに近づいている。
こんなに、大きくしてくれなんて言ってないぞ…まあ、これくらいが一番好みだけど…

《ビリッ》

その大きな膨らみの下で、ズボンが破れる音がした。そちらを見ると、ムギューッっと尻が膨らんでいるのが分かった。
腰自体や足も太くなって、ソファーの上がムチムチとした肉で覆われていく。そこには、グラビアアイドルが可愛く見えるような、
体型はグラマラス、顔は童顔の美少女が座っていた。数分前まで小学生だったのが、考えられないほどに、性欲的な魅力に満ちていた。

体の変化が終わると、服が自分で意思を持ったように、形を変え、豊かになった美佐の肢体を包み込んだ。
丈を短くすることで、太さを補ったみたいで、そのくびれたウエストや、太ももから下は丸出しだった。

「あははっ」

うわ、びっくりした。いきなり、美佐が声を出して笑った。

「美佐?」
「どうしたの、パパ?」
「いや、美佐の体…」
「美佐の体が、どうかしたの?」

美佐は、自分の豊満な肉体を眺めている。

「なにも変じゃないよ、パパ」
「えっ!?」

そのスラッとした手で、全身を探るように触っている美佐。何もかも変だろ!いや…いいか…

「美佐、何歳だったっけ?」
「んーっと、6歳!」

精神年齢は全く変わってないようだ。

その後も、アニメを楽しそうに見ている美佐を、その巨大な胸を揉みたいという衝動を抑えながら、
じっくり鑑賞した俺こと、実にダメな父親だった。

路地裏の誘惑(若返る女・成長する少女8掲載)

俺はしがないサラリーマン。
今日も仕事が終わって、夜道を帰る途中だ。

「お兄さん、ちょっと遊んでいかない?」

いきなり路地裏から俺を誘うような、でもキャバ嬢にしてはものすごく幼い声が聞こえた。
そっちを見ると、小学生のような小さな子が手招きをしている。こんな夜に、何やってるんだ…?

「ほら、おいでよ」

途端に手を掴まれ、路地裏に引っ張り込まれた。

「おい、何するんだ、君」
「あのね、お兄さんの、セーエキが欲しいの」
「はっ!?」

今、何て言った!?精液!?何で、こんな小さな子が!?

「私、こう見えても、淫魔なの」
「…へっ?」

どう見ても、ただの小さな子だ。なんだ、ただのごっこ遊びか。こんな酷いごっこ遊びも…
あってたまるか!親の顔が見てみたい!

「む、信用してないね」
「あのね、こんな夜にお外で変な遊びをしちゃいけないよ?」
「こうなったら、力ずくでわからせてあげるわ!」

《ガンッ!》

イテッ!な、何が起きたんだ?後頭部に、ものすごい痛みが…いつのまにか、俺は倒されてる…
そして、女の子が覆いかぶさってきてる…もしかして、押し倒された?

「おーなかなか立派じゃない、あなたの得物」

ん?得物…?あっ!俺の男性の象徴が、ズボンから引きずり出されて、女の子に掴まれている。

「今から、気持よくしてあげるわ…」

《シコシコ》

「こ、こするなっ…」

そんな…あ…っ!やめっ…なんだっ…この子、ウマ過ぎ…これじゃすぐに…

「だいぶ、硬くなってきたね…」
「で、出ちまう!」

《ピューッ》

そんな、俺…こんな小さい子に…ん?こいつ、しゃぶりついて来てる…?明らかに、出ているものを飲んでいる…

「なかなか…いいね…んっ…きた…」

女の子が、俺の息子を開放した。やっと、この場から立ち去れる…いや…何だっ!?

《ムクッムクッ》

女の子の服の胸の部分が、異常なスピードで膨らみ、服が引っ張られている。すぐに、ビリッ!と服が破け、
Hカップほどになったおっぱいが、俺の目の前に姿を現した。

「こんなに、大きくなるなんて、お兄さん、すごいね」

そういう彼女の顔が、途端に淫魔と呼ぶにふさわしい妖艶なものになった。

「おしりも、すごく大きくなると思うよ…ほら…」

彼女はそう言って、俺の腕を、お尻に手が触るように持っていった。トクントクンと脈拍が伝わってきたかと思うと、
俺の手の中で、ボワンッとお尻が膨らみ、俺はそれを鷲掴みするような格好になった。柔らかい…

「あはは…太ももも、触ってみてよ…」

淫魔が俺の腕をまた動かし、太ももに触らせる。それと同時に、ほそかった彼女の足が、
プクーッと膨れていき、柔らかい脂肪がたっぷり付いた太ももを形成していく。ああ…もう、耐えられない…

《ガシッ》

「あ、お兄さん、やる気になってくれた?嬉しいな」

俺は、無意識のうちに、もう片方の手で、淫魔の豊かな果実を、掴んでいた。もう、何がどうなっても良い。

「お兄さん、ゆっくりたっぷり、楽しんでね…」
「あぁ…」

こうして、俺は淫魔に、快楽の代償に魂を、いや精液を売ったのだった。

同僚の秘密(若返る女・成長する少女8掲載)

俺はしがないサラリーマン。今日も朝から出勤だ。

「よし、ここなら誰にも発見されるおそれはないな」

ぼーっと歩いていると、路地裏から女の子の声が聞こえてくる。
見てみると、小学生くらいの小さな女の子が、こっちから見て、横を向いて突っ立っていた。
こんな朝から、何やってるんだ?ちょっと見ていくか。

「プロトコル1091045-1000、開始」

何だ、宇宙人ごっこかな?それにしちゃ気合入ってるな。あの子、目を閉じたし、もうちょっと近づいてみよう。

《ググッ…》

な、何だ…?女の子の背が、伸びている気がする。俺、まだ寝ぼけてるのか?いや、服とズボンの間にへそが見え始めてる。
確実に伸びている。足も、ズボンから段々、その素肌をのぞかせ始めている。

《ビリッ…ビリッ…》

服が、破け始めてる。女の子の体が、大きくなって、耐え切れなくなったみたいだ。
腰が大きくなって、何もなかったはずの胸にも、膨らみがついてる…これって…ただ大きくなってるんじゃなくて…成長してる…?

《ビリッ…ビリーッ!》

胸がムクーッと大きくなって、その拍子に服の破れ方が大きくなった。ズボンの方も、縫い目が段々ほころんで、中の肌が見えてきた。
でも、結構苦しいはずなのに、その子の、ちびっ子のようだった、今は思春期の顔は冷静そのものだ。

膨らんでいる胸は、周期的に空気が入れられるようにムクッ、ムクッと大きくなって、そのたびに揺れる。その揺れも、段々増長されて…
いかん…こんな朝から…勃ってきた…
足も、筋肉や脂肪が発達しているのか、すっと下まで伸びていたのが、次第に凹凸が付いてきた。ズボンの縫い目に掛かっていた糸が、切れ始めて…

《プツプツッ…プツッ…パンッ》

ズボンが彼女の体から落ち、パンツが丸見えになった。そして、その途端に、束縛から解放されたかのようにお尻がボンッと大きくなる。
パンツは悲鳴を上げながらも何とか耐え切った。

俺が胸に視線を戻すと、その大きさは、グラビアアイドル並みになって、ブルンブルンと揺れていた。服もほとんどが破れ落ち、
多少筋肉質なその胴体はキュッとくびれている。身長も、俺より少し低いくらいになった。先程の少女からは想像もできないほどに、
色気が漂ってくる。顔も、スッキリとした大人のそれになっていた。…待てよ、あの顔、どこかで見たことが…

「プロトコル完了。継続して、プロトコル1091045-10を開始」

また何かを口走った。さっきの幼い声とは違う、魅惑的な、どこか、聞き覚えのある声だ。
地面に落ちていた服が、解けてドロッと水銀のような銀色の液体金属になり、融合している。そして、ベチャッと、豊満な体を銀色に包み込んだ。
大きなおっぱいは、ギュッと持ち上げられ、伸びた髪が、纏められ、結い上げられている。体に付いていた銀色は、黒に染まり始め、
スーツの形になって、固まった…間違いない、あの人は…

「プロトコル、完了。出勤開始…ん?」

しまった、気づかれた!

「お前、見たな…?」
「な、何も見てません!」

一環のオシマイだ!光線銃でも出てきて、消し炭にされるんだろう、俺…
ん?その人は、首を傾げて、考えるような表情でこっちを見ている。

「…人体情報特定…人格構成開始…完了…あ!あなた!うちの会社の、春日部くんじゃない!」
「は、はい!」

やっぱり、会社でよく見るあの人だ!あんまりおっぱいが大きいから気になってたけど。でも、何で、俺の名前を知ってるんだ…?

「私、益戸って言います!近くに住んでたんだ!」
「え、えぇ…奇遇、ですね…」

あれ、ひょっとして、この人、変身を見られたの、誤魔化そうとしてる…?

「あの…何で、俺の名前を?」
「私、ずっとあなたの事が気になってて…これから、よろしくね!」
「あ、よろしく…」

とりあえず、今殺されることはなさそうだ。